馬入日記
【馬入日記:10月19日】基準
先週末の敗戦にも、しかし選手たちは下を向かず前だけを見据えています。「それなりの手応えは得られた」岡本拓也選手も冷静に名古屋戦を振り返りますが、しかしその後こうも続けます。
「でも3失点してしまったことは事実だし、そこはもう1回改善して粘り強く守れるようにしなければいけない。1点目のシーンはやっぱり自分があそこでクロスを上げさせないようにできたと思うし、立ち上がりは少し慎重になってしまったかなと思います」
昨季共にJ1を戦った名古屋はリーグトップの得点数を誇るだけあり、攻撃におけるパワーには大きな脅威がありました。「チャンスはそんなに作られていないけど、決めるべきところで決めてくる」岡本選手も肌で感じたその力強さは、しかし改めて自分たちの目指すべきところを教えてくれます。
「J1ではあの質を持った選手は普通にいると思うし、DFからすると結局そこを守れるか守れないかが差になる。これは練習で全員が意識を持って取り組んでいくしかない。この基準をもう1回思い出して、トレーニングに落とし込んでいくしかないと思います」
今季のチームが始動した頃、多くの選手から「J1の基準を忘れずに」という言葉が聞かれていました。そのなかで名古屋戦は、改めてその基準に立ち返る材料を得た試合となったよう。岡本選手も今一度、越えるべきハードルを自身に課します。
「僕自身は、個人で守れるところを増やしていきたい。周りと協力して守るというのはもちろん必要なんですけど、大事なところはひとりでも守れるように。例えば2対1で数的不利な局面でもひとりでうまく対応して守るだったりとか、シュートブロックするところに必ずいたり、クロスを跳ね返せるポジションを必ず取っている、そういう部分で存在感を出していけるようにしたい。相手が強くなれば強くなるほど、そういう機会は増えてくるので」
13試合ぶりの黒星は、間違いなく各々の糧となり、そして更なる成長のためのエネルギーに。意識すべき基準を再び己のなかに見出した選手たちは、残す時間でいかにそれを体現するかに気持ちを注ぎます。
「現状に満足している選手は誰もいないし、もっともっと上を目指したいと思います」
自分たちを向上させるために与えられた試合はあと5試合。改めて目指すべきを確認し、限りのない上を目指します。