馬入日記
【馬入日記:10月6日】スタートライン
ベンチで試合終了を迎えた金沢戦も、高橋諒選手にとっては意味ある一戦に。7月に期限付き移籍加入して以来初めてのベンチ入りに、感じるものは多かったそう。
「(名古屋時代含め)今季初めてですかね、ベンチに入ったのは。久しぶりにリーグ戦の感じに戻って来たなというのもあります。早くこの雰囲気のなかで自分のプレーを出したい、そういう気持ちは高まっています」
左サイドでの豊富な運動量を活かしたプレーを期待され、約3ヶ月前にチームに合流した高橋選手。合流間もない時期に行われた練習試合でも積極的なプレーを見せ、チームへの新たな活力を感じさせました。しかしその直後に予期せぬ負傷。本人も「思った以上に長くかかってしまった」と、思うように戦線に復帰できない日々が続きました。チームに対する申し訳なさを感じながらも、何より本人が1番もどかしい想いを抱いていたことは確かです。
しかしそうして過ごした時間も、試合をたくさん観てイメージは作れたと、湘南の選手としてピッチに立つ自身の姿を思い浮かべながら決して無駄には過ごしませんでした。そして満を持して復帰したトレーニングでは、描いたイメージに加え、実際に肌で感じるチームの空気を重ねていきました。
「守備でのポジショニングだったり、マークのつき方だったり、湘南に来てからは細かく意識しながらやれているなと思います。他のチームはわからないですけど、湘南はそういう小さいところもこだわってやっているから失点も少ないんだろうし、そこは他のチームと違うところかなと。良い勉強になってます」
いよいよピッチに戻って来た高橋選手が目指すのは、早くサポーターの前で自身のプレーを披露することに他なりません。
「サイドでボールを持った時のプレーとか、裏に抜ける動き、サイドで仕掛けていくところは自分の特徴だと思っているので、そこは出していきたいです。そういうところでチームの力になれればと思います」
改めてこの夏、チームを変える決断を下したのも当然ながら強い想いがあってのこと。「途中から来た難しさはあるけれど、他の選手に負けているとも思わないですし、自信があるから湘南に来た」穏やかな表情とは裏腹に、紡ぐ言葉には意気がたぎります。
「残り7試合ですけど、しっかり自分のプレーを出して、チームの勝利に貢献できるようにしたい」
ようやく立てたスタートライン。日々の準備を弛まず続け、高橋選手は号砲の時を待ちます。