馬入日記
【馬入日記:9月12日】何を求められているか
5-3で勝利した山口戦、齊藤未月選手がピッチに足を踏み入れたのは68分のこと。今季13試合目の途中出場に意気はあがったものの、しかし自身が思うようなプレーは表現しきれず。完全燃焼できぬまま試合終了の笛を聞きました。
「正直、パフォーマンスは良くなかったかなと思います。試合にうまく入れなかったというか。チームとしては勝ちましたし、自分も特別何かが悪くて何かが良かったという訳ではないですが、やっぱり途中から入った選手としてはもう少し相手に脅威を与えるプレーとか、チームを助けるようなプレーをしなければいけない。山口戦はただピッチに入ってしまって、変化をもたらすことができなかったと思います」
4-2とリードを奪い、20分余りを残したタイミングでの出場に、もっと柔軟なプレーが必要だったと唇を噛みます。試合終盤に差し掛かる中、ホームで勝点奪取を目指し戦う山口も力を振り絞る時間帯。相手の戦い方、そして自分たちが置かれる状況を把握し、ゲームを肌で感じながらプレーに映すことの大切さを齊藤選手は改めて感じたよう。誰にとっても簡単ではない途中出場という役割にも「もう何試合も出ているし、それでできないということは無くしていかないといけない」ピッチに立つ責任感は、試合開始から立つ選手のそれと同じだと、試合を振り返る表情は語ります。
それでもこの経験もまた、進化の過程では不可避の道。齊藤選手自身も下を向くことはありません。「確実にシーズンの最初より、全部成長できていると思います」今季のここまでを振り返る言葉は明るく、確かに手応えは掴んでいる齊藤選手。周囲の評価との間には差異があるかもと前置きしつつ、口にするのは日々感じる自身の変化。
「練習の中では『落ち着いたプレー』ができるようになってきていると思います。前より力を抜いてプレーできるようになって、周りが見えるようになってきました。そういう今までにない感覚が自分の中にあります。紅白戦や練習試合でもできるようになっているんで、それをプレッシャーがかかる試合でもやれるようにしたい。自分が楽しめている時は良いプレーができる感覚があるので、楽しんでプレーしたいです」
感じる成長を携え、来たる10試合に目を向けます。始動してから過ごした8ヶ月の時間に自信があるからこそ、残す2ヶ月で歩む道も明確。チームと自身の目指すべきところへ向けて、齊藤選手の眼差しはどこまでも真っ直ぐです。
「特に何を変える必要もないと思いますし、チームとしてもあと10試合だから何かを頑張る、ということはないと思います。最初からみんなで頑張ってきているし、本当にそれを継続させていければ良いと思います。自分としては10試合で、何を成長させられるか。そのためにもやっぱり試合には出た方が良いですし、その方が成長できる。試合に出てチームが勝つために自分に何が求められているかを考えて、あと10試合全部勝つために、練習でも試合でも、一つひとつ取り組んでいきたいです」