馬入日記
【馬入日記:9月1日】勝つために
一戦必勝の姿勢を弛ますことなく戦うチーム。自分たちが理想とする戦いを必ずしもできなくとも、ピッチに立つ選手たちが自ら判断し、勝利に向けてのプレーを毎試合続けています。
「それはピッチの中でみんな意識できているんだと思う」しぶとく勝ち星を積み上げるチームに、坪井慶介選手がそれぞれの自立を感じます。
「うまくいかない時間帯にバラバラになってしまうことは少なくなっていると思う。そこは選手一人ひとりがそういう時間帯に自分がどうしたら良いかということを判断してやれているんじゃないかなと。勝つことでそういう力がついてくるということもあると思うけど、ただやっぱりそのために普段の練習からみんなが手を抜かずにやっているというのはポイントだと思います」
勝利のために何をすべきかを突き詰めていけば、そこに王道がないことは自明の事実。浦和在籍時代にタイトル獲得にも貢献した坪井選手は、それが弛まぬ献身の上に成り立っていたことを知っています。
「当時のレッズも、周囲からは強いと言われてはいたけれど、実際何をやっていたかといえばよく粘った戦いをしていたということ。試合は相手のあることだから自分たちのプラン通り進まないこともあるし、自分たちの思うようにいかない時間帯もある。そこをどうやって乗り切るかということが大事なんだと思う。もちろんそういうシーンを少なくすることが良いんだけど、いつもそういう訳にはいかない。そういう点で、千葉戦のように、そのような戦いは最近できてきているんだと思う」
確かに成長を記すチームにあって、坪井選手のその歩みにも淀みはありません。そして巡ってくる出番に向けて、備えは常に万全です。
「普段のトレーニングでは自分がまだどう成長できるかということにこだわってやっている。より攻撃的にやりたいと思っているし、その質は上げていきたい。ただこの前のようにロスタイムから出るような試合では、そういう部分は押し殺しながらやらなければいけない。勝つために自分がどうプレーしなければならないかを常に考えてやっていかないと。そういうことをコーチングや行動、プレーで示していけたらと思うし、伝えて、自分のプレーで表現できればと思う」
「自分も含めて、少しでも一歩でも上に」夏に差し掛かる前に語った言葉が、今の自身とチームの姿を導きます。自立の芽を出したチームに自身の成長を重ね、勝つためのプレーを坪井選手は日々示していきます。