馬入日記
【馬入日記:8月25日】スタイル
プロ1年目、今季ここまでの時間が前進だけの歩みでなかったことは本人も頷きます。「良くない時期は、ミスが頭に浮かんだり、余計なことを考えてしまっていた」と、石原広教選手は振り返ります。
「一時期試合に出られるようになって、そこからまた出られなくなって。出ていた時は自分がやりたいこととか純粋に楽しめているなとか、変なことを考えずにプレーできていたんですけど、出られない時期はそういうことができずにいたと思います。そういうプレーの波は基本的にはメンタル、気持ちの乱れで起きてしまうと思う。自分の調子が良くてもチームの状況的に出られない時に、そこで気持ちを落としてしまって良い感覚を忘れてしまう感じになってしまっていました」
今季第7節の東京ヴェルディ戦でチャンスを掴み、Jリーグ初出場を果たした石原選手。その後もコンスタントに出場を重ね、着実に経験を積み重ねてきましたが、第19節の京都戦を最後に試合出場の機会はありません。しかしそれでも、試合から遠ざかっていた当初の頃とは、いまの心の持ちようは異なります。
「出られている時と、出られていない時、良い時、悪い時の気持ちの差を自分で考えて計算できるようになってきていると思います。自分が悪くなりそうだなとなった時にどうしなければいけないかだとか、なんとなくではありますけど解決する方法が持ててきている。そういうふうにできているのは良い意味で出られる時期と出られない時期を経験したからだと思いますし、今後にも繋げていけることだと思いいます。チームには迷惑をかけてしまった時期でもありますけど、それを個人的には成長に繋げられていると思っているので、そういう時期があってよかったと思っています」
まだ10代とはいえ、年齢を重ねるごとにプレーの波を作ってはいけないと、石原選手は口にします。そしてその波を作らないためにも、自身のプレーの拠り所を忘れないことが大切だと語ります。
「自分の武器をしっかり出す。自分のスタイルを確立させるということが、大きな波を作らせないと思いますし、自分のプレーが変わってしまうということを良い意味で無くしてくれると思います。とにかく自分にできることを自分でしっかりわかっておくことが大事。仮に出られなくても、やるべきことをやるんだという気持ちを持って、気持ちの面でブレが出ないようにやっていきたいです」
自分にできること。それは小学生時代から長い時間をかけて培ってきたスタイル。
「『湘南スタイル』は、僕はもう結構長いほうだと思いますし、それが何かわかっているほうだと思っています。ここからあと13試合ですけど、チームに良くない時期もあるかもしれないし、そういう時に自分が泥臭さを出して、周りの選手に自分が見せるくらいの気持ちでやりたい。それは1番できると思っていますし、そこの気持ちは絶対に自分は忘れてはいけないと思っています」
語る表情に、残された試合で再び自分のチャンスを見出す意欲が漲ります。「たくさん試合に出て、結果を残して、やるだけです」石原選手の2017シーズンは、まだまだこれからです。