馬入日記
【馬入日記:8月5日】大きな一歩
「ピッチに立った瞬間は、『何か新しい感じだな』と思いました」
JFA・Jリーグ特別指定選手として選手登録され、2週間の馬入でのトレーニングを経て掴んだ松本戦での先発のピッチ。巡ってきたJリーグデビューに初々しさを覚えながらも、松田天馬選手はしっかりと手応えと課題を手にしました。
「正直あまりボールに絡めなかったなという印象がありましたが、早い時期にこういう経験ができて本当に良かったと思っています。少しビビってしまって、前を向けそうなところで前を向かなかったり、縦にパスを入れられそうなところでも横パス、横パスになってしまったり、全体的に悪くはなかったかもしれませんが、そういうところがありました。でもこれから経験を積んでいけば次はもっとやれるという自信もありますし、もっともっと、自分はまだまだ成長できるなと実感もできました。すごく良い経験になったと思います」
松本戦でのデビューとなった松田選手ですが、チームに合流したの約2週間前の7月21日。松本戦までの時間、馬入でのトレーニングや練習試合での競争を経て信頼を勝ち取り、チームの一員としてその座を射止めました。Shonan BMW スタジアム平塚のピッチではつらつとプレーする姿に、チーム合流間もない時にのぞいた純粋な言葉が思い出されます。
「みんなと一緒に練習をしていて、いろんな刺激があってすごく楽しいんです。その中でどうやったらチームに馴染んで、さらに自分の特徴を出していけるかというのを考えながらやるのもまた面白い。いろんな選手がいますし、いろんな選手の特徴を見ながら真似するところは真似をして。刺激はやっぱり多いです」
真正面からサッカーを楽しもうとする姿勢は、湘南というクラブのマインドにそのまま通じます。そして自身を向上させようとする意欲もまた、湘南との親和性の高さを感じさせます。
「湘南に入ろうと決めたのは、自分に足りないものがたくさんあるのと、そこを補うことでもう1ランク上の選手になれるという考えが自分の中であったので。走力の部分や1対1、球際での強さは本当にもっと上げていかないと次のステージではできないと思っています。どこのチームよりも湘南は厳しさがあると思いますし、目標を達成するためにもここだなと思いました」
やっぱり好きだし、サッカーが面白いからなんですけどねと、ここを選んだ理由に笑って付け加える表情に、どこまでもサッカーが好きなのだと感じさせてくれる松田選手。松本戦をもって一旦チームからは離脱し、ここからは代表選手としてユニバーシアード競技大会に臨みます。今度はプロのピッチで感じたことを、代表の一員として表現したいと意気込みます。
「ひとつのプレーの質、強度、判断は上げていかないといけないと感じましたし、やるべきことは色々あるなと感じました。セットプレーの一瞬で点を取られてしまう厳しさも感じることができました。ユニバーの優勝は使命だと思っていますし、そのために湘南で学ばさせてもらったことと、自分の色を出してきたいです」
湘南の一員としての一歩を踏み出し、プロの世界で新たな気づきを得られた松田選手。この一歩を次なる成長に繋げるべく、湘南で大学でと、楽しみながら向上を図る日々を続けます。