監督・選手コメント

J2リーグ第23節 湘南vs東京V 試合後監督・選手コメント

監督コメント

曺監督 総括
曺監督

お疲れ様でした。
この間の大分との試合もそうでしたが、日本特有の夏の湿気の多い気候の中で、その場にいた事はないですけれどW杯予選の中東でやる日本代表の試合のように、技術戦術よりも最後は足が止まった方が負け、足が止まらなかったら勝つというような、それだけではないですけれど、そういった展開の試合だったかなと思います。
最初の10分、15分は少しヴェルディの勢いを受けてしまってあまり良くなかったんですけれども、ヴェルディさんは選手もすごく良いチームなんで、それくらい押し込まれるのは想定内の所もありました。あそこでバイアが味方のゴールに入れそうになりましたけれども、そういうことも含めて(秋元)陽太が止めたりとか、リズムが崩れなかったことが、最後、勝ちに繋がったかなと思います。
全体的に、メンバーを固定しないでと言いますか、固定する必要がないから固定してないんですけども、ここまでやってきて非常に選手たちが自分たちのスタイルを出すことと同じように勝つことを目指しているというのは、監督として非常に嬉しいことです。僕が監督になった当初は、スタイルを出せれば良いと、勝敗は二の次だ、みたいな所がどこかチームの中であって、少しやり切れないとか、責任を負えないような選手が多かったんですけれど、今は逆にそれを負えないとピッチに立てないというようなチームになってきたと思います。アントラーズさん程には全然まだ追いついてないですけれども、そういったメンタリティが徐々に若い選手も含めて出てきたと思いますし、高山(薫)とか(菊地)俊介とか(藤田)征也とか、今まで我々のチームで頑張ってくれてた選手が今少しいない中でも、そのスタイルを色褪せるどころか、また次に繋げていってくれるの彼らの努力というのは、見えない所も含めて、非常に監督として嬉しく思います。6年間監督をやっていますけれど、1番選手が大人になってきたなというか、成長してきたなというのを感じる年になってる、というか過去5年何してたんだと言われるかもしれませんが、なんかそういうふうに最近思うことが多いです。
ピッチに入ったら年齢は関係ないですし、経験があるから試合に出られる訳でもないし、経験がないから試合に出られない訳でもないんですけども、ピッチに立つ責任の度合いは間違いなく開幕の時よりも上がっている事は事実であって、そこの責任を負えないと、ただ自分はドリブルする、ただ自分はクロス上げる、そういう基準だけじゃなかなかピッチには立てない。この選択基準の中で、非常に選手が公平に、僕の選択が納得いかない選手ももちろんいると思いますけれども、彼らの中で変な空気を作らずに、出てる選手をサポートして、出れなかったら次に、というような、当たり前のスタンスを当たり前にやってくれてるなというのが、この結果につながったのかなと思いますし、選手に本当に助けられたなと思います。

ちょっと秋野(央樹)のことを話したいと思います。
央樹はU-17代表にも選ばれた選手で、(中川)寛斗とか武富(孝介)同様にレイソルから今お借りしてる選手です。一度、年末に僕が面談した時に、一言「変わりたいです」というような事をその時に言っていました。そういう時に「変わりたい」と言うのは常套文句というふうに捉えられがちですが僕は思っていなくて、どこかで今までの自分のスタイルに戻って伸び切れない選手も多い中で、あいつがやっぱり後半あそこまで出て行って、あのミドルを決めるというのは、おそらく人生で何回かしかない、もしくは初めてだったかもしれない。でも、それは、レイソルの時よりも成長したというよりは、本人が元々持っていた物だと僕は思うし、元々持ってた物をいかに我々が障害を無くして、元々の物でやらしてあげるかというのが、非常に大事なんだなと改めて思いました。レイソルの時よりももしかしたらパスミスも増えてるかもしれませんし、レイソルの時よりももしかしたら雑な部分が増えてるのかなとも思いますけれども、彼の選手としての成長を見ると、試合に勝ちたいとか、相手に負けたくない気持ちがピッチに落ちるているのは、僕は個人的にすごく良い事だと思います。寛斗とか武富同様に、本当にこのチームを引っ張って成長してもらって、彼だけじゃないですけども、他の選手も含めて、日本のサッカーを引っ張っていけるような、そういう選手になってもらいたいなと、今日、今、瞬間にすごく強く思いました。皆さんも変な意味じゃなくて、彼だけじゃなくて我々の選手をまた応援してもらえたらありがたいと思います。

曺監督 質疑応答

- 「勝負の責任を負うプレー」とは具体的にどういうプレーを指すか?

前の方に人がいて、その選手にとりあえず蹴っておいて「任せた」という(そうしない)プレーですよね、僕の中では。ボランチで攻められている時にクロスに自分の目の前に相手選手が走っているけど「そこはセンターバックに任せた」という(そうしない)プレーですよね。だから、やられなければいいじゃなくて、自分が責任を持ってやる。それはやらされるんではなくて、勝ちたいからやる。勝ちたいから出る行動ってサッカー選手にはそんなに多くなくて、取られたボールを追いかけるとか、ボールをしっかり前に運んでいくとか、それは負けてもいいと思っていたら実はスポイルされる一番の要素なんです。その点で非常にうちの選手は開幕の時よりも、自分がチームを勝たせるという気持ちでやっている選手が増えてるかなと思います。ただ、ミスがめちゃくちゃ多いので、なんとかしてほしいなとも同時に思っています(苦笑)。

- 天皇杯での敗戦で感じたことが今日に影響したものはあるか?

あの日も出た選手は一生懸命頑張っていたと思いますし、全部が悪くなかったと思っています。そういう意味では別にリーグ戦とのパフォーマンスで大きな差があったとは思っていないです。正直今日誰を使おうか迷ったし、ジュビロに4–1で負けたからそのメンバーが下で、このメンバーが上だとかは一切思っていません。ただ、一瞬隙を与えると枠の中に持ってくる力はJ1の選手はあるし、逆にこっちが決められないといなされちゃうところはありました。今日は2点、あれ以上のチャンスが作れそうな場面もありましたけれど、アンドレバイアが高木善朗のシュートをブロックしたああいうところが勝負の際の部分で出たというところはその影響もありますし、ただその影響があるからそうなったとは一概には思ってないです。

- 上位争いが混戦な今年のJ2を改めてどのように見ているか?

正直余裕はないですけど、今の順位にそれだけのチームがひしめいてることもあまり見てないですし、選手も同様だとも思います。今の順位が何位だいうことを気にしてやれるほど余力が残っているチームじゃないと思っています。ただ、傾向として開幕の時と比べて、相手チームのやり方によって、自分たちのやり方を少し変えていくというか、対策という言葉で言われるそういうことをするチームは当初より増えてきたのかなと思います。それで勝点を稼げれば、それはそれでいいんだと思いますけれど、本当に相手チームの対策をすることがそのチームの5試合後10試合後、もしくは1年後、2年後、10年後にとっていいのかどうかというのを、それが2割かもしれないし5割かもしれないし8割かもしれないですけれども、監督の立場としてはやはりそのクラブの責任を任されている以上、そういうところも含めて指揮を執っていくべきだと僕は個人的に、それが全部だとは言えないですけれど、あくまで個人的に思っています。このJ2がどのチームが勝つかわからない、そういうリーグであることは間違いないと思います。ただそれはブンデスリーガ2部もリーガもプレミアもどこが勝つかわからないので、Jリーグだけが突出して拮抗しているというわけではないと思います。もっともっと日本の良い選手が「J2は激しくて拮抗しているから若い時にここでやりたい」と思うようなリーグにしていかなければならないと思いますし、みんな活躍すると海外に行ってやりたいという選手がほとんどとは言えないけれど多いの今の世の中で、そういったリーグのコンペティションの感じを、やはり我々チームとして少しは寄与したいというか、少しはそういう人の興味を引きたいと思ってやってはいます。ただそれが正しいかどうか、僕の考えが合っているかどうかはみなさんに判断してもらえればと思います。今日のゲームは西村(雄一主審)さんとさっきお話ししましたけどすごくレフリングも良かったですし、ゲームが止まることなくお互いに行き来しながらという感じで、見ている人も息する暇もないというか、そういったゲームだったと思います。最後2–0でもうちはプレスに行って、相手はボールを回そうとして、そういう典型的な試合でしたけれど、そういうコンペティションが増えれば全体的に良いのかなと個人的に思います。

- 2点目のシーン、ボランチの2選手がゴール前に入って行ったのは走り負けしないという点で評価しているか?

そもそもサッカーを始めた時に、ボランチとかセンターフォワードとかディフェンスというのを決めたのは誰かという話がひとつあります。「俺はディフェンスだから上がらない」、「俺はフォワードだから守備しなくていい」というのは誰が決めたのか、と同じ考えで言えば、原理原則はありますけれど、ボランチ2枚が上がっちゃいけないということはなくて、ボランチが上がったなら他のサイドの選手が埋めればいいだけ。だから2枚上がるなとも2枚上がれとも僕は言っていません。ただあのシーンでは(石川)俊輝にはシュートを打ってほしいなと。そんなお人好しみたいなセットアップするなよと一瞬思って、点を入れたからまあいいかと思いましたけど。でも僕は個人的には俊輝にドリブルで入って行ってほしい気持ちもありました。と、言ったらちょっと欲張りなので、やめておきます。

ロティーナ監督 総括

前半は良いプレーができたと思います。湘南より上回っている部分もありました。エリアに近づいてチャンスは作れたのですけれど、ゴールを決められませんでした。後半の立ち上がり15分はボールを失いすぎて、そこにつけこまれてコーナキックをたくさん取られて、そのコーナキックから彼らは点に繋げました。後半立ち上がり15分がこの試合の鍵だったと思います。でも後半の失点のあとのチームのリアクションは良かったと思います。そのあと攻めてチャンスを作っていました。ただ、2失点をしてしまいました。リスクを冒して攻めていたので、相手がその裏を取って点を決めた、2点目の失点はリスクを冒して攻めた結果だったと思います。

ロティーナ監督 質疑応答

- 2失点目の場面で、チームに足りていない部分は?

あの場面(2失点目の場面)はカジ(梶川)がスライドが少し遅れたと思います。すごく走っていたので疲れはあったと思います。あとはシュートが素晴らしかったと思います。

- 前半で点を決めたかったという気持ちはあったか?

前半は狙っていたプレーができて、そこにチャンスはあったと思います。逆に後半はプレスが強くかかったところでボールを失ってしまいました。自分たちはボールを失ってしまうと、ボールのない局面ではとても苦痛なチームになってしまったと思います。前半惜しいシーン、オフサイドになってしまったんですけど、チャンスを活かせていたらなと思います。でもこれから上位に行くには自分たちが狙ったプレーをしている時にゴールを決めることが大事になってくると思います。今日はゴールを決められて、すごく暑い中こちらが前に出て行かないといけないという展開は厳しかった。

選手コメント

MF 5秋野 央樹
秋野 央樹

ゴールに関わるプレーは今年意識していたので、それが結果につながって良かったです。最初(山田)直輝くんがドリブルしている時に横でもらおうとしてそこからのプレーを考えていたんですけど、ボールが(石川)俊輝くんに入って、落としてくれと要求したら良いボールを落としてくれました。若干内側に入ったのでアウトにかけて打ったら良いところに飛んでくれました。ゴール前に出ていく回数や質は今季の課題としてあったので、それが実になって良かったです。そういうプレーをできるようにするためにここにきたと思っているので、少し時間がかかってしまいましたけど、結果になって良かったです。

DF 4アンドレ バイア
アンドレ バイア

ディフェンスとしては今日は安定していましたし、ゼロに抑えられたことは良かったです。その中でセットプレーからああいう形で点が取れて、チームに対してすごく貢献ができたと思います。守備はすごく良くできてきていると思いますし、後半戦に入っていますが前半戦にできなかったところを少しずく改善できてきていると思います。それが結果につながってきていると思います。運動量を考えると前線の選手はやるべきことが非常に多いですし、みんなすごく動いてくれています。それがディフェンスの安定に繋がっていると思いますし、このように攻めと守りが一体感を持って続けていければもっと良い結果が出てくると思います。

DF 36岡本 拓也
岡本 拓也

(無失点の勝利だが)みんなで我慢するポイントを全員ではっきり共通理解してしのげているというのと、(秋元)陽太くんに助けてもらっているのが大きいかなと思います。相手のリズム時は我慢して、自分たちのリズムになるまで失点しないとか、そういうところができてきているのかなと思います。プレスは常にかけていきたいですけど、いけない時もある中でその時に自分たちでしっかり耐えてカウンターを狙っていくということができていると思います。(攻撃について)今年自分としてチャレンジしているポイントの一つでもあるので、ただもっと質の高いプレーができれば良いですけど、徐々にフィニッシュの部分にも絡んでいけるようになってきていると思います。

DF 29杉岡 大暉
杉岡 大暉

何回かパワーを持って上がっていけましたし、守備でもちょっと焦ったところはありながらも落ち着いて対応できたと思います。ただまだまだ最後の方は(運動量が)落ちてしまいましたし、相手が落ちたところで走れればもっと脅威になれるので、もうひとつ走れるようになりたいと思います。守から攻への切り替えとか、相手が後半落ちてくる中で、そこでもうひと頑張りしていこうと試合中は考えています。自分のパフォーマンスはまだまだだと感じていますし、まだやれることはあるし先輩達に助けられているので、もっと自分がしっかりプレーして引っ張っていけるようにならなければと思っています。

MF 13山根 視来
山根 視来

(小・中学校時代にプレーした東京Vが相手だったが)スタンドからヴェルディの応援歌を聴くと懐かしいところもあって少し昂りましたけど、今日は無失点で終われたのでそれが1番良かったです。最初ちょっと自分のところにボールが入った時に相手にプレッシャーに来られて、そこで何回かミスしてしまったんですけど、特にそれをきにすることなく引きずらずにチャンスの時に前にとか、良いところが出たので、自分も乗ってきてチャレンジするプレーができたと思います。守備はあまり危ないシーンはなかったですけど、得点した時に(秋元)陽太さんが「ここだぞ」と声を出して締めていましたし、前線が2点取ってくれて相手も少しパワーが落ちて、そこまで怖いシーンは正直なくやれました。無失点は間違いなく全員が走って、かわされても後ろに帰ってくることがしっかりできたからだと思いますし、今日は久しぶりに複数得点と無失点で勝てたので良かったです。