馬入日記
【馬入日記:6月9日】伝える
今季のチームのここまでを振り返り「みんな、ホント一所懸命やってるよ」とは坪井慶介選手。
在籍3年目とは言え、すでに半分以上の選手が自身より後に加入したいまのチームを考えれば、湘南の選手としての立ち振る舞いを周囲に示していく存在であることは間違いありません。坪井選手自身も、自身の果たすべきを感じています。
「態度や背中で学んで欲しいという思いはありますけど、それだけじゃいけない。自分が伝えていかなきゃいけないことはやっぱり伝えていかなきゃいけないし、正していかなきゃいけないところは正していかなきゃいけない。そういうところは自分ももっとやっていかないと、と思います。曺さんやスタッフがいる中で、選手レベルのところは自分もやっていく必要はあると、3年目に入って感じていますね」
伝えていかなければと感じていることはすなわち、いまのチームの課題にも繋がります。そしてそれは、自身に向けられた矢印にも。チームがこれから本当の強さを身につけていくために、必要となるのは「1人1人の自立」。
「ピッチの中で選手自身がしっかり判断をして、責任を持ってプレーしていく。そういうことを伝えていきたいし、もちろん自分自身もそういうプレーができるようにしたい。みなさん今年はJ1昇格だと口を揃えて言うと思いますけど、それはもちろん果たした上で、そのあとのJ1をどう戦っていくかということも大事。昇格してOK、ではないと思いますし、それを考えた時にやっぱり1人1人が自立して、責任を持ったプレーをピッチの中でできるチームにならないといけない」
「自分も含めて、少しでも一歩でも上に」自身にも言い聞かせるよう繰り返す言葉から垣間見えるのは、色褪せることのない向上心。今年だけでなくその先を見据えて立ち振る舞うその姿勢は、チームの未来を考えればこそ生まれます。
「若い選手に比べれば自分は経験もあるし、これまでのサッカー人生よりこれから先の方が自分は短い。そう考えた時に、自分自身がこれから長く続けていくことにこだわるのと同時に、自分自身がやってきたことを若い選手に伝えて、その選手がまた若い選手に伝えていくことも大事。そういうふうにつながっていけば、それはいちサッカー人として幸せなこと」
そう話した後に「なんて、思ってみたり、思ってみなかったり」と、おどける坪井選手。浮かべる明るい笑顔には、たぎるチームと自身への想いが詰まります。改めていま「成長しようとしてるところ」と前を向き、抱く志とともに日々を送ります。