馬入日記
【馬入日記:6月1日】大事な練習
「本当、毎日の疲労感が『練習やったんだな』という感じですね」
練習を終えた神谷優太選手におもむろに近況を聞いてみると、少し笑みを湛えながら、そう返事が返ってきました。
遡ること約1ヶ月、FC町田ゼルビア戦に先発出場を果たした神谷選手はしかし、前半31分で交代を告げられ、以降試合出場からは遠ざかっています。改めてくだんの試合を振り返り「メンタルがぶれてしまった」と述懐します。
「ひとつのミスで自分に慌ただしさが出てしまって、最初にイエローカードをもらったことで相手に厳しく行くこともできなくなってしまって、自分の試合運びをうまくすることができなかった。そういうメンタルの持ちようで変わるものなんだとすごく思った試合です」
それから続く日々には、しかしどこまでも前向きに取り組む神谷選手の姿があります。置かれたタフな状況にも、全てを自身の血とし肉とする貪欲さが、神谷選手を前進させます。
「試合のメンバーに入れていないのも、曺さんは何か自分にメッセージを送ってくれているのだと思いますし、こういう時に物事を投げ出さずにひたむきにやるというのは必ず自分の成長になると思います。(高橋)健二さん(ヘッドコーチ)や(藤田)征也さんにも、昔の自分がどうだったかというのを教えてもらいましたし、僕くらいの年にもっとやっておけば良かった、と思うそうなんです。今の自分は本当に良い環境に置かれていると思いますし、これだけ厳しい練習ができるのはこのチームにいるからこそ。何事に対しても必死にやる、1つ1つの練習をしっかりやる。いまは本当に集中力を持った練習ができていると思いますし、こういう練習を続けていければ個人としてもチームとしても上のレベルに行けると思います」
先日の山形戦、チャンスを作りながらも得点できず、逆に終了間際に失点を喫し敗れたチームは、改めて1点の重み、そこを突き詰める責任感を練習を通し積み上げています。神谷選手も「そこは自分の課題でもある」と、改めて自身を見つめます。
「ゴール前で体を張れるかどうか、1本のシュートを決めきれるかどうか。そういうところは課題だと思っていたので、チームにとっても自分個人にとってもすごく良いトレーニングができていると思います。ゴール前のところ以外も、例えばパス練習でも1本1本、毎回がファーストプレーだと思って練習することでミスは減らせていますし、改めて練習から意識高く持ってやることが大切だと思っています。いまはすごく、大事な練習をしていると思います」
「本当に後悔しないような毎日を過ごしていかないといけない」と、先駆者の言葉を聞き、そして自分自身と向き合う。
試合のピッチを目指すべく、いまは馬入のピッチに全ての意識を注ぎます。