馬入日記
【馬入日記:5月18日】自分たちらしく
福岡戦の前半を振り返り「ああいう攻撃の形を作りたくてこれまでもやってきたので」と話すのは齊藤未月選手。これまでの試合とは一味違った印象を持つ福岡戦のチームのパフォーマンスにも、大きく変わったものはないと言います。
「うちはシステムのどうこうに限らず、相手のサッカーに合わせるのでなく自分たちらしくどんどん縦にボールを入れて行ってゴールを目指すというサッカーをしてきていますし、新しいことを始めたわけでもないので全く戸惑いなどはなくプレーできています。全員で意思統一できていたからこそ、福岡戦の前半はうまくハマった形で戦うことができました」
福岡戦での選手のプレーは、各々が自身のポジションにとらわれることなく全員が神出鬼没にピッチを駆け回り、攻守にわたり主導権を握るものでした。しかし流動的にポジションを入れ替えることは常にその場の状況を察知し、正しい判断ができればこそのこと。容易なことではありませんが、しかし福岡戦は選手全員がピッチで「考える」作業が機能したものと言えます。
「チームとしても個人としても、去年から『考えてプレーする』ということは話してきていますし、僕自身もそこはよりやっていこうと思っています。福岡戦も『どの選手が空いているか』『どうやったらゴールまでボールを運べるか』ということは落ち着いて考えられましたし、守備でもしっかり予測をして奪えるポジション、スピードを出せた。相手の状況を含めて考えてできていると思いますし、そういうところはもっともっとやっていきたいです」
しかし齊藤選手個人として、そしてチーム全体としても得た手応えとは裏腹に、結果は0-3というスコアでの敗戦となりました。守備面に目を向けつつも「得点を決め切るところは課題」と齊藤選手が攻撃について言及することからも、チームの目指すべきところがわかります。
「守備のところでは今シーズン失点は決して少なくないです。ただこういうサッカーを志向していれば失点するリスクはあります。だからこそ前からボールを奪いに行って、そこからゴールに直結できるようなプレーをしていきたい。そうすれば自陣に攻め込まれる場面も減ってくる。こういうところは自分の特徴にもつながってくると思います」
昨年プロ契約を結び、トップチームで本格的にプレーを始めて2年の齊藤選手。それでもチームが求める本質を体現する選手として、今季も既に14試合に出場。昨季のリーグ戦は5試合の出場にとどまったことを思えば、本人も充実感を感じずにはいられません。
「去年より純粋にサッカーを楽しめています、練習でも練習試合でも公式戦でも。相手との駆け引きの中で自分の特徴を出していくこと、そうしながら勝負の責任を負っていくこと。今は全部が楽しいです」
黒星に終わった福岡戦。それでも齊藤選手に代表されるよう、チームは次の松本に向け下を向くことはありません。
ここまで積み上げたサッカーを結果に結実させるべく、自分たちらしさを追い求めます。