J2リーグ第5節 湘南vs千葉 試合後監督・選手コメント
監督コメント
曺監督 総括
お疲れ様でした。
今日はナイスゲームだったと思います。今まで4回負けなしできたんですけど、ちょっとどこか90分の中で波があって相手の勢いを止められないところがあったんですけど、今日は本当に90分通して自分たちでやるべきことを整理して、ゲームプラン通りって言ったら、いつも勝てばそういうふうに何とでも言い換えられるんですけど、本当にそういうふうに最初から最後まで終わったと思います。
今日大事だったことはやっぱりプレスの波を3つ作る、ファースト、セカンド、サードというところ。今までちょっと2列になってしまったところがあったので、そこで相手に主導権握られるところを、しっかりスリーラインを作って相手にかかっていけたということが一番の勝因だったと思います。なかなかこういう90分を去年は経験できなかったので、それに関しては選手の走る意欲とか、誰が出てもやってやるんだという気持ちとか、そういう意欲に敬意を表したいと思います。
ただ、僕がちょっと情けないことに、人生初めて、ジャンプしたら肉離れしちゃって。ライプツィヒのラングニック監督が選手から追いかけられて肉離れした(※)気持ちが、僕の場合は追いかけられなかったですけど、あんまり勝っても嬉しくないんだろうなというのが何となくわかりました。ちょっとライプツィヒに近づけたかなというふうに思っています、肉離れした監督という意味で。そのへんでご容赦ください。ありがとうございました。
※2016年、ブンデスリーガ1部昇格を決めたRBライプツィヒのラルフ・ラングニック監督(当時)が祝勝のビールかけの際に選手に追いかけられ転倒し、肉離れの診断を受けた。
曺監督 質疑応答
- 立ちあがり相手にボールを渡してしまう印象があったがどうか?
その見たままだと思います。ただ90分を通して、ああいうことを失敗と捉えて選手に伝えていたら選手は上手くならないし、そう捉えたらワンタッチで裏へ蹴れと言うしかない。僕は別にあそこでボールを失う事や失敗する事が悪いとは思っていない。ただそういうところも含めてチーム全体が成熟していかないといけないけど、1歳から急に20歳になれないし、20歳から急に40歳になれないのだから、そこは一歩ずつというところで、選手に提示していかないといけないと思っているので、ネガティブには捉えてないです。
- 前回とだいぶメンバーが変えたが狙いは?
2日後にチャンピオンズリーグを控えてるので変えました。って言えたらかっこいいよね。笑
そもそもメンバーを変えたという意識は僕の中ではなくて、前の試合のことはすっかり忘れているし、今日の試合のジェフさんに対してどのメンバーどういう選手を使っていけばいいかを最後まで考えて出したので、何人変わっているかは気にしていないです。そのことは我々のチームにとって大きなサプライズでも小さなサプライズでもないです。すごく当たり前の、ノーマルなことです。
ただこれで負けてしまうと采配がとかなんとかという話になってしまいますが、単なる勝ち負けで選手を評価する立場に僕はいないですし、勝とうが悪いことは悪いし、負けようが良いことは良いというふうにやってきたので、そういう意味では自信持って送り出した11人が今日ピッチに立ったということです。
- 良い試合になった要因は?
僕が少し選手に話したのは、3ラインの波が必要だということと、我々の選手には30代の選手が実は8人いて、24歳から30歳前までの中間層もいて、それ以下の(齊藤)未月たちや(杉岡)大暉たちというふうに3つに分かれているんですね。今日メンバーに入っていなかったツボ(坪井)とか(藤田)征也とかは、自分が出ていない時も自分たちの仲間に対してポジティブな声をかけるし、練習で絶対手を抜かないですし、30歳だから休ませろとか言いません。そのことをミドルエイジの選手は学んでいかないといけないし、一番若い選手はそういう人の想いを、10年15年したらわかるかもしれないけど、今わからないからといって自分の好きなことばっかりやってたらダメよという話はしました。そういう意味でその3つの世代のつながりがゲームに落ちたと思います。代表でも今野(泰幸)選手が34歳でゴールを決めて、とかくこの世界ではベテランとか若いとか、若いというだけでチヤホヤされて何もしてないのに1点取っただけで皆さんがポジティブに書かれることはありますけど、何度も言いますが我々は勝とうが負けようがチーム全体で、それは35歳でも15歳でも考え方を変えれば成長できる。僕の身体能力はもう良くならないなと自分でも確信しましたけど、頭の中というのは何歳でも変われると思うんで、そういうところの刺激や考え方がチーム全体につながったんで、今日はチーム全員の勝利だったと思います。
- リスクマネジメントも意識した「大人な」スタイルになって来たと思うが?
「大人」とは思ってないですが、物事を捉えて考えるときに、例えばボールサイドにプレッシャーをかけたら逆サイドが空く。当然相手は分析で、逆サイド空いてるから逆に送ろうとすると。じゃあその分析があるから行かない。これは本当にイタチごっこで、そこは最後はプレーヤーの判断だと思うんですよね。プレーヤーにその判断の責任を預けられるかが大事。でもそれはある意味あるべき姿で、そこをどう選手たちが考え乗り越えていくかで本当の成長があると思います。縦に行って、それでゴールを、ボールを奪うというのが湘南スタイルと言われている所以でもありますけど、そこをベースにしながらも、今日だとアウトサイドのハムちゃん(奈良輪雄太)とか(高山)薫とか(下田)北斗が真ん中でボールを奪った場面が何回もあった。やっぱりそこのリスクを冒していかないと、相手にサイドチェンジされるからそれを待って下がってしまえば、スタイルというかサッカーそのものの魅力、フットボールそのもののテンポというのは生まれないと思う。そういうところで言えば今日はすごく意図的なプレスが多かったと思います。それは良い悪いじゃなくて「今行く」「行かない」「ここだ」というところの判断が今までに比べては非常に早かったかなというふうに思っています。それは今まで出た選手と今日初めて出た選手が、普段一緒に練習しているので、普段練習している温度をみんなが下げてないということが今日証明されたことが僕にとって一番嬉しいこと。いつも「誰々が点を取ってこいつのおかげで勝った」というふうに全然思わないし、今日もあんな難しいシュートを、ハムちゃんはJ2で初めてのゴールだけど、一方で「最初のシュートを入れとけよ」と思うし、(齊藤)未月もあれだけ走れますけど本当に下手くそだなと思っていますが、その悪いところを消して余りあるの良さというのが彼らの良さだと思っているので、そういったところがピッチで見れるように、これからも働きがけたいと思っています。
- 一方で攻守のバランスを取ることの難しさもあると思うが?
バランスを取れという言葉が本当に良いかどうかというのはひとつあります。サッカー選手としてバランスをとってプレーしろという指示というのは恐ろしく難しい。ただそのバランスをとりなさいということを先に教えて指導してしまうと、指導者のバランスというのが選手にバランスになってしまうので。でも選手が実際感じていることは違うかもしれない。そういうところを我々は受け取らなければいけないですよね。
そういう意味で僕はあんまりバランスという言葉を使ったことがなくて、要は行けると思った時に行くけども、もしとられた時に1列2列3列と(陣形を)作っておかないと、ボールを取られたら全部自分たちのゴール前に来ているようじゃまだ幼いよなという話を今週もしました。サッカー的にいうと、先にバランスを整えたことを選手たちにあまり言いすぎてしまうと、監督の基準が全部選手たちの基準になってしまう。それは監督が考えていること以上のことを選手が発揮しないというか、見せられないということとイコールだと思っています。今日たまたまエディージョーンズさんの記事を見ましたけど、休日なのにいきなり練習したりとか、練習なのにいきなり休みにしたりとか、わざとルールを変えて、本来ならアウトボールなのにあえてやらせたりだとか、指導者がいろんな意味で選手にヒントのようなものを与えていかないと、僕の基準が選手の基準になっているようじゃそれはダメだなとJ1で散々思ったので。そこをなんとか変えて、自立というか自己判断というか、選手同士の空気がプレーの選択の基準を決められるようにしたいなと思といます。まだまだですが、その時にバランスという言葉が本当に必要なのかどうかというのはいつも迷いますが、僕はあまり言わないようにしています。
フアン エスナイデル監督 総括
まず僕らが順位を上に行くチャンスを逃したのがこれで2回目だと思っています。試合を支配することができたのですが、明確なシュートチャンス、ゴールチャンスを作ることができませんでした。やはり勝ちたいと思う気持ちが足りなかったと思います。それはチームの中で話さなければいけないテーマですし、チームが上に行くということには必要なことなので何かしたいと思っています。また今週そこについて反省をして、話をして、僕らはもっとアグレッシブにプレーしたい。僕らはそういう意味では今回アグレッシブではなく、ボールを持てたかもしれませんがただそれだけでした。それは僕がやりたいことではありませんでした。
フアン エスナイデル監督 質疑応答
- 攻撃面における課題を口にされたが具体的な改善策は?
前にも言ったかもしれませんが、もっと覚悟を決めていくこと。ゴールを本当にしたいと心の底から思う気持ち。パスをしてみよう、クロスを上げてみよう、とかそういうことではなく、やると決めたら覚悟を決めてやらなければいけない、それは僕らができていなかったことです。それは誰がとか個人的な名前を上げることではなく、チーム全体の話。前回の試合でも同じような印象を受けました。
- 守備ではボールに行けていないように見えたが?
大きくは間違っていないと思います。ただ彼らの1点目のゴールに関しては、相手1人に対して僕らは3人いってる。にもかかわらずセンタリングをされてしまってゴールされている。つまりそれに関して言えば1人だけの行く行かないの話ではなくて、行った人がしっかりとそこに責任を持って行ってるか行っていないかの話です。そういうアグレッシブさの不足に関しては、前回の試合、今回の試合で目立ったと思います。ただ、それらの前の試合はできていたことです。そういう部分は選手たちと話しをして解決していかないといけないと思います。
- ジャッジ含め、試合中怒りを表す様子が見えたが、何に1番不満があったか?
それは僕らチームがうまく機能していなかったからです。例えば、攻撃の仕方とかやるべきことができてなかったりとか。ボールを持った時に落ちつなかければいけない場面で急いでしまったりとか、判断に関して少し間違ってしまった。前半に関していうと、僕らはもう少しボールを持てたと思いますし、相手にもっとダメージを与えられたと思います。後半に関してはもう何も気に入った部分はありませんでした。
選手コメント
MF 24奈良輪 雄太
相手も力のあるチームで簡単な試合になるとは思っていませんでしたし、自分はベンチからのスタートで途中出場だったので、途中からしっかりチームを助けれらるようなプレーができるように心と体の準備をしていました。相手がどうかというより、サッカー等スポーツは技術以上にメンタル面が重要になると意識しているので、今日の勝利は比較的相手よりはそういう面で勝ることができたのかなと思います。去年は攻撃面で全然良いプレーができなかったので、今年は試合に絡んでいくにあたってそこを高めないといけないと思っていたので、そういう普段の意識がたまたまゴールとして表れただけだと思いますし、あくまでたまたまのゴールだと思っているので満足せずにやっていきたいです。あんなシュート練習はしていませんでしたけど、裏をとる動きは常に意識していますし、そこからのクロスはずっと練習しています。シュートはたまたまですが、そこに呼び込むランニングができたことが個人的には良かったのかなと思います。
今年は結果だけ見れば良いかもしれませんが、90分通してギリギリの戦いが続いていると思うんで、今日の勝利に満足せず一戦一戦チーム全体で戦っていきたいです。
MF 2菊地 俊介
(ゴールシーンは)良い形で顔を出したら(齊藤)未月からパスが来ました。正直あまり中の様子は見ていなかったのですが、GKとDFの間に速いボールを送ったあら何か起こるかなと思い、そうしたらうまくジネイが入って来てくれました。
ゴール前の精度というのは開幕してからもずっとやって来ましたし、この前の愛媛の試合でもああいう形で取れました。ペナの中にできるだけ人数をかけて得た結果だと思います。
後半1-0という状況で相手の攻め残りはしっかりやるという意識と、1-0だからと言って守りに入るのではなく、2点目、3点目を取りに行くということを前の選手にファーストプレッシャーを行くよう話はしていました。
(武田)英二郎くんとは初めて試合で組みましたけど、声を掛け合いながらうまくできたと思います。
MF 22下田 北斗
チームとして勝てたのは良かった。みんなですごく集中して90分戦えました。相手にボールを持たれる時間もありましたけど、決定機をすごく作られた感覚はあまりなかったので、良かったと思います。
時間のある状況では前に良いパスを出していきたいという想いがあったので、それは出せたかなと思います。ただチーム全体で慌ててしまって全部クリアになってしまうところもあったので、そういう時間が増えると厳しくなっていくので、うまく攻めていければと思います。(右サイドでのプレーについて)対面の選手に負けないということと、中に絞って相手のインサイドハーフとシャドーの選手にプレッシャーが行けるような距離感を意識していました。うまくいったところといかなかったところがあるので、しっかり課題を直して行けるようにしていきたい。
FW 9ジネイ
非常に難しい試合でしたが、まずは勝てて嬉しいです。相手はかなり前からマークも厳しくてそれに手こずった部分もありますが、チームで結束して戦えた試合だと思います。これを続けていきたい。今日のプレーが湘南スタイルだと思います。チームは1人でやるものでなく全員でやることなので、チームとしての目標、目的がシーズンの最後に達成できるようにしていきたい。自分のコンディションはまだ100%だとは思っていないです。ただ開幕戦での怪我から復帰して前節の愛媛戦で得点を決められたように、1試合ごとにもっと調子を上げていきたい。
MF 16齊藤 未月
チームとして勝点3を取れたのは良かったです。チームとしてのスタイルも前節より出せたと感じています。前節も自分の中では結構走れている感覚はあったのですが、もっと走れると言われていたので。今日ももっと走れたと感じていますし、自分の中で少しサボってしまったなという部分もあります。もっとやれると思うので、そういうところは期待してほしいです。自分が得点を取るチャンスもありましたし、前半に1点、後半に1点取れていれば4-0です。そうしていれば良い内容のゲームにできましたし、得点のところもこだわっていかないといけないなと思います。
J2リーグ第5節 湘南vs千葉 試合後監督・選手コメント
監督コメント
曺監督 総括
お疲れ様でした。
今日はナイスゲームだったと思います。今まで4回負けなしできたんですけど、ちょっとどこか90分の中で波があって相手の勢いを止められないところがあったんですけど、今日は本当に90分通して自分たちでやるべきことを整理して、ゲームプラン通りって言ったら、いつも勝てばそういうふうに何とでも言い換えられるんですけど、本当にそういうふうに最初から最後まで終わったと思います。
今日大事だったことはやっぱりプレスの波を3つ作る、ファースト、セカンド、サードというところ。今までちょっと2列になってしまったところがあったので、そこで相手に主導権握られるところを、しっかりスリーラインを作って相手にかかっていけたということが一番の勝因だったと思います。なかなかこういう90分を去年は経験できなかったので、それに関しては選手の走る意欲とか、誰が出てもやってやるんだという気持ちとか、そういう意欲に敬意を表したいと思います。
ただ、僕がちょっと情けないことに、人生初めて、ジャンプしたら肉離れしちゃって。ライプツィヒのラングニック監督が選手から追いかけられて肉離れした(※)気持ちが、僕の場合は追いかけられなかったですけど、あんまり勝っても嬉しくないんだろうなというのが何となくわかりました。ちょっとライプツィヒに近づけたかなというふうに思っています、肉離れした監督という意味で。そのへんでご容赦ください。ありがとうございました。
※2016年、ブンデスリーガ1部昇格を決めたRBライプツィヒのラルフ・ラングニック監督(当時)が祝勝のビールかけの際に選手に追いかけられ転倒し、肉離れの診断を受けた。
曺監督 質疑応答
- 立ちあがり相手にボールを渡してしまう印象があったがどうか?
その見たままだと思います。ただ90分を通して、ああいうことを失敗と捉えて選手に伝えていたら選手は上手くならないし、そう捉えたらワンタッチで裏へ蹴れと言うしかない。僕は別にあそこでボールを失う事や失敗する事が悪いとは思っていない。ただそういうところも含めてチーム全体が成熟していかないといけないけど、1歳から急に20歳になれないし、20歳から急に40歳になれないのだから、そこは一歩ずつというところで、選手に提示していかないといけないと思っているので、ネガティブには捉えてないです。
- 前回とだいぶメンバーが変えたが狙いは?
2日後にチャンピオンズリーグを控えてるので変えました。って言えたらかっこいいよね。笑
そもそもメンバーを変えたという意識は僕の中ではなくて、前の試合のことはすっかり忘れているし、今日の試合のジェフさんに対してどのメンバーどういう選手を使っていけばいいかを最後まで考えて出したので、何人変わっているかは気にしていないです。そのことは我々のチームにとって大きなサプライズでも小さなサプライズでもないです。すごく当たり前の、ノーマルなことです。
ただこれで負けてしまうと采配がとかなんとかという話になってしまいますが、単なる勝ち負けで選手を評価する立場に僕はいないですし、勝とうが悪いことは悪いし、負けようが良いことは良いというふうにやってきたので、そういう意味では自信持って送り出した11人が今日ピッチに立ったということです。
- 良い試合になった要因は?
僕が少し選手に話したのは、3ラインの波が必要だということと、我々の選手には30代の選手が実は8人いて、24歳から30歳前までの中間層もいて、それ以下の(齊藤)未月たちや(杉岡)大暉たちというふうに3つに分かれているんですね。今日メンバーに入っていなかったツボ(坪井)とか(藤田)征也とかは、自分が出ていない時も自分たちの仲間に対してポジティブな声をかけるし、練習で絶対手を抜かないですし、30歳だから休ませろとか言いません。そのことをミドルエイジの選手は学んでいかないといけないし、一番若い選手はそういう人の想いを、10年15年したらわかるかもしれないけど、今わからないからといって自分の好きなことばっかりやってたらダメよという話はしました。そういう意味でその3つの世代のつながりがゲームに落ちたと思います。代表でも今野(泰幸)選手が34歳でゴールを決めて、とかくこの世界ではベテランとか若いとか、若いというだけでチヤホヤされて何もしてないのに1点取っただけで皆さんがポジティブに書かれることはありますけど、何度も言いますが我々は勝とうが負けようがチーム全体で、それは35歳でも15歳でも考え方を変えれば成長できる。僕の身体能力はもう良くならないなと自分でも確信しましたけど、頭の中というのは何歳でも変われると思うんで、そういうところの刺激や考え方がチーム全体につながったんで、今日はチーム全員の勝利だったと思います。
- リスクマネジメントも意識した「大人な」スタイルになって来たと思うが?
「大人」とは思ってないですが、物事を捉えて考えるときに、例えばボールサイドにプレッシャーをかけたら逆サイドが空く。当然相手は分析で、逆サイド空いてるから逆に送ろうとすると。じゃあその分析があるから行かない。これは本当にイタチごっこで、そこは最後はプレーヤーの判断だと思うんですよね。プレーヤーにその判断の責任を預けられるかが大事。でもそれはある意味あるべき姿で、そこをどう選手たちが考え乗り越えていくかで本当の成長があると思います。縦に行って、それでゴールを、ボールを奪うというのが湘南スタイルと言われている所以でもありますけど、そこをベースにしながらも、今日だとアウトサイドのハムちゃん(奈良輪雄太)とか(高山)薫とか(下田)北斗が真ん中でボールを奪った場面が何回もあった。やっぱりそこのリスクを冒していかないと、相手にサイドチェンジされるからそれを待って下がってしまえば、スタイルというかサッカーそのものの魅力、フットボールそのもののテンポというのは生まれないと思う。そういうところで言えば今日はすごく意図的なプレスが多かったと思います。それは良い悪いじゃなくて「今行く」「行かない」「ここだ」というところの判断が今までに比べては非常に早かったかなというふうに思っています。それは今まで出た選手と今日初めて出た選手が、普段一緒に練習しているので、普段練習している温度をみんなが下げてないということが今日証明されたことが僕にとって一番嬉しいこと。いつも「誰々が点を取ってこいつのおかげで勝った」というふうに全然思わないし、今日もあんな難しいシュートを、ハムちゃんはJ2で初めてのゴールだけど、一方で「最初のシュートを入れとけよ」と思うし、(齊藤)未月もあれだけ走れますけど本当に下手くそだなと思っていますが、その悪いところを消して余りあるの良さというのが彼らの良さだと思っているので、そういったところがピッチで見れるように、これからも働きがけたいと思っています。
- 一方で攻守のバランスを取ることの難しさもあると思うが?
バランスを取れという言葉が本当に良いかどうかというのはひとつあります。サッカー選手としてバランスをとってプレーしろという指示というのは恐ろしく難しい。ただそのバランスをとりなさいということを先に教えて指導してしまうと、指導者のバランスというのが選手にバランスになってしまうので。でも選手が実際感じていることは違うかもしれない。そういうところを我々は受け取らなければいけないですよね。
そういう意味で僕はあんまりバランスという言葉を使ったことがなくて、要は行けると思った時に行くけども、もしとられた時に1列2列3列と(陣形を)作っておかないと、ボールを取られたら全部自分たちのゴール前に来ているようじゃまだ幼いよなという話を今週もしました。サッカー的にいうと、先にバランスを整えたことを選手たちにあまり言いすぎてしまうと、監督の基準が全部選手たちの基準になってしまう。それは監督が考えていること以上のことを選手が発揮しないというか、見せられないということとイコールだと思っています。今日たまたまエディージョーンズさんの記事を見ましたけど、休日なのにいきなり練習したりとか、練習なのにいきなり休みにしたりとか、わざとルールを変えて、本来ならアウトボールなのにあえてやらせたりだとか、指導者がいろんな意味で選手にヒントのようなものを与えていかないと、僕の基準が選手の基準になっているようじゃそれはダメだなとJ1で散々思ったので。そこをなんとか変えて、自立というか自己判断というか、選手同士の空気がプレーの選択の基準を決められるようにしたいなと思といます。まだまだですが、その時にバランスという言葉が本当に必要なのかどうかというのはいつも迷いますが、僕はあまり言わないようにしています。
フアン エスナイデル監督 総括
まず僕らが順位を上に行くチャンスを逃したのがこれで2回目だと思っています。試合を支配することができたのですが、明確なシュートチャンス、ゴールチャンスを作ることができませんでした。やはり勝ちたいと思う気持ちが足りなかったと思います。それはチームの中で話さなければいけないテーマですし、チームが上に行くということには必要なことなので何かしたいと思っています。また今週そこについて反省をして、話をして、僕らはもっとアグレッシブにプレーしたい。僕らはそういう意味では今回アグレッシブではなく、ボールを持てたかもしれませんがただそれだけでした。それは僕がやりたいことではありませんでした。
フアン エスナイデル監督 質疑応答
- 攻撃面における課題を口にされたが具体的な改善策は?
前にも言ったかもしれませんが、もっと覚悟を決めていくこと。ゴールを本当にしたいと心の底から思う気持ち。パスをしてみよう、クロスを上げてみよう、とかそういうことではなく、やると決めたら覚悟を決めてやらなければいけない、それは僕らができていなかったことです。それは誰がとか個人的な名前を上げることではなく、チーム全体の話。前回の試合でも同じような印象を受けました。
- 守備ではボールに行けていないように見えたが?
大きくは間違っていないと思います。ただ彼らの1点目のゴールに関しては、相手1人に対して僕らは3人いってる。にもかかわらずセンタリングをされてしまってゴールされている。つまりそれに関して言えば1人だけの行く行かないの話ではなくて、行った人がしっかりとそこに責任を持って行ってるか行っていないかの話です。そういうアグレッシブさの不足に関しては、前回の試合、今回の試合で目立ったと思います。ただ、それらの前の試合はできていたことです。そういう部分は選手たちと話しをして解決していかないといけないと思います。
- ジャッジ含め、試合中怒りを表す様子が見えたが、何に1番不満があったか?
それは僕らチームがうまく機能していなかったからです。例えば、攻撃の仕方とかやるべきことができてなかったりとか。ボールを持った時に落ちつなかければいけない場面で急いでしまったりとか、判断に関して少し間違ってしまった。前半に関していうと、僕らはもう少しボールを持てたと思いますし、相手にもっとダメージを与えられたと思います。後半に関してはもう何も気に入った部分はありませんでした。
選手コメント
MF 24奈良輪 雄太
相手も力のあるチームで簡単な試合になるとは思っていませんでしたし、自分はベンチからのスタートで途中出場だったので、途中からしっかりチームを助けれらるようなプレーができるように心と体の準備をしていました。相手がどうかというより、サッカー等スポーツは技術以上にメンタル面が重要になると意識しているので、今日の勝利は比較的相手よりはそういう面で勝ることができたのかなと思います。去年は攻撃面で全然良いプレーができなかったので、今年は試合に絡んでいくにあたってそこを高めないといけないと思っていたので、そういう普段の意識がたまたまゴールとして表れただけだと思いますし、あくまでたまたまのゴールだと思っているので満足せずにやっていきたいです。あんなシュート練習はしていませんでしたけど、裏をとる動きは常に意識していますし、そこからのクロスはずっと練習しています。シュートはたまたまですが、そこに呼び込むランニングができたことが個人的には良かったのかなと思います。
今年は結果だけ見れば良いかもしれませんが、90分通してギリギリの戦いが続いていると思うんで、今日の勝利に満足せず一戦一戦チーム全体で戦っていきたいです。
MF 2菊地 俊介
(ゴールシーンは)良い形で顔を出したら(齊藤)未月からパスが来ました。正直あまり中の様子は見ていなかったのですが、GKとDFの間に速いボールを送ったあら何か起こるかなと思い、そうしたらうまくジネイが入って来てくれました。
ゴール前の精度というのは開幕してからもずっとやって来ましたし、この前の愛媛の試合でもああいう形で取れました。ペナの中にできるだけ人数をかけて得た結果だと思います。
後半1-0という状況で相手の攻め残りはしっかりやるという意識と、1-0だからと言って守りに入るのではなく、2点目、3点目を取りに行くということを前の選手にファーストプレッシャーを行くよう話はしていました。
(武田)英二郎くんとは初めて試合で組みましたけど、声を掛け合いながらうまくできたと思います。
MF 22下田 北斗
チームとして勝てたのは良かった。みんなですごく集中して90分戦えました。相手にボールを持たれる時間もありましたけど、決定機をすごく作られた感覚はあまりなかったので、良かったと思います。
時間のある状況では前に良いパスを出していきたいという想いがあったので、それは出せたかなと思います。ただチーム全体で慌ててしまって全部クリアになってしまうところもあったので、そういう時間が増えると厳しくなっていくので、うまく攻めていければと思います。(右サイドでのプレーについて)対面の選手に負けないということと、中に絞って相手のインサイドハーフとシャドーの選手にプレッシャーが行けるような距離感を意識していました。うまくいったところといかなかったところがあるので、しっかり課題を直して行けるようにしていきたい。
FW 9ジネイ
非常に難しい試合でしたが、まずは勝てて嬉しいです。相手はかなり前からマークも厳しくてそれに手こずった部分もありますが、チームで結束して戦えた試合だと思います。これを続けていきたい。今日のプレーが湘南スタイルだと思います。チームは1人でやるものでなく全員でやることなので、チームとしての目標、目的がシーズンの最後に達成できるようにしていきたい。自分のコンディションはまだ100%だとは思っていないです。ただ開幕戦での怪我から復帰して前節の愛媛戦で得点を決められたように、1試合ごとにもっと調子を上げていきたい。
MF 16齊藤 未月
チームとして勝点3を取れたのは良かったです。チームとしてのスタイルも前節より出せたと感じています。前節も自分の中では結構走れている感覚はあったのですが、もっと走れると言われていたので。今日ももっと走れたと感じていますし、自分の中で少しサボってしまったなという部分もあります。もっとやれると思うので、そういうところは期待してほしいです。自分が得点を取るチャンスもありましたし、前半に1点、後半に1点取れていれば4-0です。そうしていれば良い内容のゲームにできましたし、得点のところもこだわっていかないといけないなと思います。