馬入日記
【マラガ日記:2月6日】自分のよさを出し、お互いのよさを知る
ここまでの練習試合を振り返り、「最初は何回か手こずって苦戦しましたけど、こういう相手と戦えるのは刺激的だし楽しい」岡﨑亮平は言う。
「球際や体の使い方、FWの収め方や間合いなど、日本では経験できない感覚。これぐらいで追いつくだろうといったスピード感もまったく違うので、対応するのに少し時間がかかってしまいましたけど、やりがいがあるし、どうしたらこのひとたちを止められるんだろうと考えさせられました」
相手との相関もあろう、スペインに来てから行なった過去3試合はいずれも立ち上がりに難しい時間帯が訪れた。チームとして課題に挙げるその時間帯に失点した試合もあれば、粘り強く凌ぎ、90分を通して無失点に抑えたゲームもあった。
情報の限られたチームとの戦いについて、藤田征也はこんなふうに語る。
「今回のように相手のことが分からない状況のなかで、試合中に選手同士どれだけ話して対応できるかが大事。状況を見て戦えるようになれば、Jリーグであれば相手のことは分かっているし、つねにいい対応ができるようになるはず。そういう部分が上がっていくといい」
ディフェンス面の一方で、ゴールに向かうプロセスについても伸びしろがあろう。藤田征は続ける。
「始動してまだ1カ月も経っていないので、仲間のプレーを全部は分かってないと思う。でもみんな違う特徴を持っているのは分かっている。お互いによさをもっと分かり合えばおもしろいと思うし、いろんな組み合わせもできると思います」
ロシアの強豪と対峙した翌6日はリラックスゲームで体をほぐした。午後は曺貴裁監督の提案でジブラルタルへ足を延ばし、選手たちはつかの間の休息を楽しんだ。
「このキャンプでは自分のよさを出そうと心掛けてできていると思う」スペインキャンプも終盤を迎え、岡﨑はあらためて自身に矢印を向ける。
「自分のよさである競り合いなどをしっかりやって、失点0に終わることが僕のいちばんの評価に繋がると思うし、チームメイトにも自分のよさを分かってもらえるようにしたい。そういうことも含めて、このキャンプで信頼を掴みたい」
ふと、今キャンプが始まって間もない頃に石川俊輝が口にした言葉を思い起こす。
「対戦相手はいいチームばかりなので、ワクワク感というか、どれだけ自分がそのレベルに近づけるか、逆にレベルの差を感じられたらいい。どちらに転んでも自分としてはプラスでしかないし、楽しみです」
残るは2試合、それぞれ期するものを胸に臨む。
(TEXT:隈元大吾/マラガキャンプ中は隈元大吾氏によるレポートを毎日お届けします)