ボイス
【ボイス:2016年12月23日】高山薫選手
湘南らしさは優勝すること
自分たちのサッカーを貫いて勝ち抜きたい
湘南ベルマーレとなって初めて、
2年続けてJ1のステージを戦うこととなった今シーズン。
この大きな経験に挑むチームを、キャプテンとして率いたのは高山薫選手。
挑戦の結果は、J2への降格となる、悔しいものだったが、
ここまで積み重ねてきた経験が間違いなくチームの糧となっていることを
実感できたシーズンでもあった。
その成果とも言えるのが、この後に控える天皇杯ラウンド16以降の戦い。
降格の悔しさとともにあるチームへの信頼と、
このチームで戦える最後の天皇杯へ託す思いを明かす。
今も変わらないチームへの信頼
「俺はやれると思っていたから。たくさん試合に出ていた選手が少し移籍してしまったけど、良い結果が出れば大丈夫、出せるって思っていた。だから、結果的に降格してしまって、そういう声を払拭できなかったっていうのは本当に悔しい」
リーグ戦34試合を終え、その勝敗の結果としてあるJ2への降格という現実を受け止めながら、高山薫選手はシーズンを振り返った。
「個人的には、亮太(永木選手・鹿島アントラーズ)は今、代表で、陽太くん(秋元選手・FC東京)もしっかり試合に出ていたり、他の選手も移籍した先で活躍できる力のある選手だけど、彼らの良さとは別に、残った選手や新しく加入した選手の良さもオフ明けからの練習で感じることができた。キャンプでさらに練習を重ねて、『今年もいけるんじゃないか』っていう思いを持ってから開幕を迎えたという感じでした。開幕前は、去年よりも高い順位を目指していました」
昨オフに移籍した選手の中の何人かは、ここ何年かの間、ほぼすべての試合でスターティングイレブンに名を連ね、チームを支えてきた実績がある。そうした選手が新天地での飛躍を期して移籍を選択するなか、ベルマーレを選び、このチームとともに成長することを決断した高山選手は、移籍した選手たちの力を十分理解しながら、リーグが開幕を迎えるまでの練習で、今シーズンを共に戦う仲間の力も勝るとも劣らないと感じていた。
「でも、結果がすべて。『やっぱ、あいつらがいなかったからだ』と言われてもしょうがないし、『そんなことない』って言っても、説得力がない。もちろん移籍した選手は良い選手だったけど、今いる選手たちの良さも本当に感じていた。そういう意味では、本当にこのチームでできると思っていたから悔しいです」
結果だけを見れば、何を言っても負け惜しみだ。しかし、力の足りなさばかりを感じるシーズンだったのであれば、残るのは情けなさやそれに類する思いだろう。今、噛みしめているのは手応えがあればこその悔しさ。湘南スタイルに新たな彩りを加えようと力を尽くし、ここまで共に戦ってきた仲間への信頼は厚く、揺るぎない。
「選手が変わって個人の違いはあるけど、ベースにある湘南のやりたいことは変わらないし、全く新しいことをするっていうわけじゃなくて、プラスα個々の長所、ということ。降格したのにできるっていうのはおかしいですけど、彼らがいないから勝てなかったとは思ってない。そういう意味では、いてもどうなっていたかはわからないし。対戦相手も湘南のサッカーをわかってきていたから対応が去年とは少し違うし。だからそういう心配の声があるのもしょうがないけど、俺は『全然そんなことないよ』って思っていたし、今でも思っている」
高山選手が降格を経験するのは、プロ3年目の2013シーズン以来、2度目。結果は同じでもチームとしても選手個人としても、シーズンを通した経験と感じたものに違いがある。
「2013年なんて、何もできなかったですからね、ほんとに。俺、自分個人としても何もできなかった。あの年も4点取ってますけど、逆によく点が取れたなって感じ。そう思うくらい何もできなかった」
曺貴裁監督が指揮を執った5年間の大半を知る高山選手が感じたこの違いこそ、チームとしてのステップアップだろう。この経験を生かすことが、将来J1に住み続ける糧となるはずだ。