監督・選手コメント
ヤマザキナビスコカップGS第4節 湘南vs磐田 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
今起きている熊本県を中心とする地震の被害に遭われて、サッカーどころじゃない生活をされている人たちがたくさんいる中で、プロサッカーの仕事をしているとはいえ、本当にサッカーをできるのかどうかっていう気持ちの中で今日の試合を迎えました。
僕も神戸の大震災を現地で経験してますし、東日本のときは当たり前ですけどこっちにいて、大きな揺れ、余震の中での恐怖というものを感じました。
その中で今、人間の尊厳を奪うような生活を強いられている皆さんに対して、この場をお借りして、亡くなられた方へのご冥福と、被災された方に対するお見舞いをクラブを代表して心からお祈りしたいと思います。
そんな中で今日、ナビスコカップの4節ということで、結果勝点1に終わりましたが、前半からボールにアプローチする守備のところっていうのは、90分通して、非常に選手もよくやってくれたと思います。
後半になって選手を入れ替えたりシステム変えたりとか、いろいろなトライをし、非常に我々らしい、前への推進力とか縦パスとか、そういうところのプレーがたくさん出てきました。
このホームで勝点1もあげられていなかった中で、勝点1に留まったことには満足はできないです。
強いて言えば、欲を言えば勝点3が欲しかったんですけども、今日出た選手は本当に堂々と我々の湘南スタイルの体現者としてプレーしてくれたと思いますし、課題というよりも非常に収穫の多かった試合だったなと思います。
リーグ戦とナビスコカップが交互にある中で、選手たちには「禍福はあざなえる縄のごとし」というふうな話をミーティングで話しをしました。ちょっと友人からもらった言葉でいい言葉だなと思って。
本当に、被災されている皆さんからすれば、我々のようにサッカーができるということ自体がまず幸せなんですけど、一方で順位とか今置かれている位置でいえば、誰もが我々のことを、自分たちのことを幸せなんて思ってる選手はいないと思います。
それだけいいこと、悪いことっていうのは表裏一体というか、悪いことがあったからずっと悪いことがあるっていうふうには限らないし、逆に良いことがずっと続くっていうのは、そんなことは世の中でないと。
前節本当に我々らしくない負け方をした中で、その流れをしっかり食い止めて勝点1取れたのは、チームとして本当に前進できる事象だと思います。
全然満足はできないですけども、今年始動した1月12日から数えて今日は100日目の記念日で、その日にそういう流れを戻せたのは、監督として選手の頑張りを非常に讃えたいと思います。
最後に、武田英二郎がちょっと、おそらく大丈夫だと思うんですけど、ちょっとコンディション的なもので交代せざるを得ませんでした。
最初からピッチに立った我々のジュニアからのアカデミーの選手の齊藤未月と、途中から出た神谷優太は、若干17歳、18歳でダブルボランチを組みましたが、本当に気持ちのこもった、堂々としたプレーをピッチで繰り広げたと思います。
何よりボールを奪う、ボールを運ぶっていうような、一番選手としてなきゃいけない、そういうスキルに対して非常によく取り組んでくれたと思います。
さっきインタビューでも答えましたけども、あのふたりは、まだまだ人間的にも技術的にも戦術的にも、課題はたくさんありますけども、今日見せた彼らの堂々としたプレーは、僕が監督になった中でも非常に印象に残るプレーで忘れられない日となりました。
僕は彼らがアカデミーのときに何もしてないんで、彼らが本当に若いときから指導してくださった、我々のアカデミーのコーチや保護者のみなさま、また神谷を育て、小さいころから、ああいう堂々としたプレーヤーに育てた指導者の方の努力には頭が下がる思いです。
これからなお、ああいう若い選手と、それから慶介(坪井)とか、今日でいうとヨシ(藤田)とか、ああいう30過ぎの選手が、ひとつの目標に向かって融合して、良いチームにしなきゃいけないなっていう責任がさらに増したなと思います。
良かったなと思う反面、すごく責任が重いなという気持ちでいます。
中3日で次、ナビスコで負けた大宮さんとリーグで戦うので、ぜひこっちでリベンジできるように、選手たちと一緒に協力してやっていきたいと思います。
●曺監督 質疑応答
–山根選手、岡﨑選手も今年初出場でしたが、彼らの評価は?
岡﨑は去年ナビスコで出ていて、山根は今日がデビューだったんですけども、2人とも全く個人的に満足している顔をしていませんでした。
大卒1年目とはいえ、世の中で言うと、まあそれは未月や神谷もそうですけど、今やブンデスリーガでは17歳でデビューする選手はたくさんいるので、22歳というのはどのチームでも主力になってなきゃいけないという年齢だと思います。
そういう中で山根、岡﨑とも一生懸命やってくれましたし、いいパフォーマンスは見せてくれましたけど、まだまだプレーの中で課題もあるし、そういうところを彼らが忘れないで、鉄が熱いうちにやっぱり練習を重ねてくれればと思います。
山根だったらペナルティボックス入ってのドリブルからシュートという形をもっと磨かなきゃいけないし、岡﨑だったら1つ1つのプレーの丁寧さをもっともっと上げていかなければいけないですし、そういうのを生で、現地で感じられたということは非常に2人にとって良かったと思います。
我々のチームは新卒で入ってきた選手を一人前の選手にしていくという、そういうふうなスタイルのチームだと思ってるんで、そういう意味でも次につながるプレーをしてくれた、逆に今のままじゃダメなんだと再認識してくれたというふうに思います。
–菊池選手をボランチで起用してのメリットは?
もともと大介は中学くらいまで、全くサッカーのいろはも何も考えないで、森の中を走ってる草原の鹿みたいな選手だったんですけど、そのイメージを思い出して欲しいなと思ってボランチで使いました。
ゲームをコントロールする中で、今日も何本か良いパスを出しましたけども、彼はそういったパス、ドリブルのセンスがもともとある選手だと思っています。
今はアウトサイドをやらせて視野が限られている中で良い部分もありますけども、彼が持っているゲームの展開を一発で変えられるという能力はチームの中の一つのオプションとして大事だと思いますし、そういうところを生かしながらまた次に向かっていきたいと思います。
●名波監督 総括
メンバーが変わったり、ポジションが不慣れなところをやった人間もいる中で、非常に集中してやれていたと思いますし、戦うという意思を対人だったりボールに込めて、アプローチを90分通して真摯にやってくれていたと思います。
残念ながら引き分け、決定的なシーンは相手の方が多かったとは思いますけど、それでも非常に価値のある引き分けだったと思いますし、このカップ戦で次につながる勝点1だったと思うんで、また次のアウェイ大宮戦に向けて非常にポジティブに捉えています。
●名波監督 質疑応答
–試合のプランとして、前半の入りや勝負所の終盤はどう考えていたか?
湘南は前への推進力を強く描いてやってくるチームなので、その前の選択肢をまず消していこうと。
我々はコンパクトにラインコントロールをしながらやっていこうとしている中で、リーグ戦の前節でボールホルダーに対してだいぶ甘かったので、スルーパス、ロングボール、それから縦パスを出され放題、という状況でした。
今日は齊藤と小林、それから松浦、清水あたりが非常に良いアプローチをしてくれたんではないかというふうに思います。
ここ一本決めとけば、という決定的シーンはなかったんですけど、崩しの段階、フィニッシュの前のプロセスという部分では、非常に良いものが何度もありましたし、前後半通して、特に後半の途中までですけど、サイドチェンジが非常に有効だったと思うんで、そこをもう少し極端に増やしてもよかったのかなと。
我々が劣勢になった大きな理由としては、やはり菊池、高山というクオリティーが高い選手が入ってきて、そこで個の力とそれからサポートの早さが出てきて、崩されたシーンが何回かあったんじゃないかなと思います。
–八田選手の安定感はどう見ていますか?
いつも言ってますけど、練習での立ち振る舞いだったり、人と接する時の言葉遣い、言動であったり、そういったものがプロ中のプロ。
しかも試合に出られず、非常に悔しい思いをしている中で、非常にアベレージは高いんじゃないかなと。
そういったモチベーションの高さやチームの敗戦を一身に背負うという責任感、そういったものも含めて常に集中してますし、ボールアプローチ、アタックに関しましては、非常に迷いがなくて、何度か僕が目を瞑りそうなシーンがありましたけど、自信を持ってやってくれたので防いでくれたんじゃないかなと思います。
このまま継続して欲しいですし、クラブの下部組織から育った選手ということを考えると、宝物だと思います。
–リーグ戦で大差をつけられての敗戦の後のゲームは非常に大切だと思うが、そのあたりどう選手に伝えて送り出したか?
50%、15%、15%という数字を出して、相手のストロングを3つに分割して、残り20%はスーパーゴール、もしくはセットプレーから、という分析をしていました。
選手は非常に集中していろんな局面でやってくれたと思うんですけど、先制点を取ったら非常に楽しく、それから主導権を握れてやれるんじゃないかということは何度か言いましたけど、細かいことはまだリーグ戦でも戦っていないのでまあここでは控えさせていただきたいなと思います。
–縦のスピードが光った清水選手への評価は?
ナビスコ開幕となった神戸戦の時にメンバー外にして、次の日「なぜ外れたかわかるか」と聞いたところ大粒の涙を流して「わかりません」と。
パッと周りを見ると、居残りで若い選手たちが練習している中で彼はすぐファン対応をして上がってしまう、もしくはジョギングのみ。
まあ、スーパースターがやることを2年目の選手がやっていて「それでお前いいのか」と問いただしました。
そこから劇的にではないですけど非常にトレーニングに対する姿勢も良くなりましたし、どうやったら自分のストロングを出せるか、それから味方が活かしてくれないと自分は活きないということをだいぶ頭に叩き込んでトレーニングをやるようになりました。
けが人がもし出た時に、特に2列目より前で出た時は彼かなということは常に頭には入ってましたけど、今回チャンスを与えて非常に良いパフォーマンスだったと思いますし、次のリーグ戦もしくはカップ戦には間違いなく繋がるんじゃないかなと。
彼自身もこのゲームで十分自信を持てるんじゃないかなと思います。
【選手コメント】
●高山薫
勝点3を取れる試合だったし、そういう意味では良くはなかったと思います。
ただ無失点の試合がなかったので、ゼロで抑えられたことは良かったと思います。
あとは決めるだけという内容だけに、今日はディフェンスが0点で抑えてくれたので、今日はFWが点を取って勝つという試合にしなくちゃいけないし、僕は攻撃のポジションをやらせてもらっているから、点を取らなきゃだめかなと思います。
切れ込んでシュートを打った場面は、最初のワンステップで打っていればいけたかなと思いますけど、そのタイミングで打てなくて。
ファーに打つと相手ディフェンダーの足に当たっちゃうかなと思ってニアに蹴ったんですが、それであればGKの上を抜くような高いボールのシュート、もしくは横パスだったかなと。
最初のタイミングで打てなかったのと、やっぱニア上に打たなかったのがダメだったかなと思います。
●大竹洋平
少し堅い試合になってしまって、前半は特に自分たちの良さをあまり出せなかったですけど、後半は自分たちの良さを出せたのでどこかで1点取って勝ちたかったなというのが感想です。
個人的にはコンディションも上がってきていて、自分が出てチームを勝たせたいという想いで常に準備をしてきたので、今日も本当に勝ちたかったです。
ただまたすぐ試合があるので、改めて自分が出てチームを勝たせるという想いで準備をしていきたいと思います。
後半は結構みんなボールを受けて前に入れて、どんどん前へ出て行くという湘南らしさが久しぶりに出せたのかなという感じがあったので、ああいうの続けていければいつか点も取れると思うし、やっていても手応えがあるので、後半のような戦いを続けていきたいと思います。
前半は失点をしたくないということもあってセーフティに前にという意識が全体で強くて、あまりボールをつないで前へ入れていこうという意識が低くて堅い試合になってしまったと思います。
後半はもう少し自分たちでボールを受けてつないでいこうという意識でやったので、チャンスも作れたのかなと思います。
今勝てていないので最初堅くなってしまうのは仕方のない部分はあるんですけど、もう少し自分たちでつないで自分たちから攻撃を作っていくということを増やしていかなくちゃなと思います。
●岡﨑亮平
ゼロに抑えられたというのは結果論であって、それまでにラインを押し上げてコンパクトにするだとか、そういうことの積み重ねだと思います。そういう一つ一つのことを大事にしてやってきた結果です。
個人的には前半は全然攻撃参加もできなかったですし、守備に追われて前にいけなかったので、後半の方が自分としてもチームとしても前に行けたので良かったと思います。
ハーフタイムにもっと自信を持ってボールを受けるようにと曺さんが言ってくれて、意識してやれたので、それが前半からできないとダメだなと終わったあと思いました。
ヨシさん(藤田)とは普段の練習から動いたら出してくれと言われているし、うまくいったかなと思います。
試合には落ち着いて入れましたし、特に後半の方がボールも受けれたので、そういう意識でもっとやらなければいけないなと思います。
これからリーグ戦に出ている選手たちをもっと脅かしたいですし、自分としてももっとリーグ戦に絡めるようなパフォーマンスをしなきゃいけないと思います。
後半やっていることを前半からやるとか、その質を上げたりとか、もらう姿勢から意識というのはもっと上げなきゃなということは再確認できました。
ずっと試合には出たかったので、やっときたという気持ちありました。
ドリブルしてくる選手に対してもっと潰しに行けたと思いますし、もっと前の選手を動かして前に行ける守備というのができたかなと思います。
声を出してコミュニニケーションをとることは自分としては最低限やならきゃいけないことだったので、試合に限らず練習からそれはやらなきゃいけない自分の部分だったので、そこは練習でやっている通り試合でもできるようにしたいです。
●齊藤未月
今日はミーティングから自分たちのサッカーをしようという話をしていたものの、前半あまり自分がボールを受けられずに攻撃でシュートまで行くという展開が少なかったと思います。
ただ守備のところでは監督も自分たちらしさを出せていたと言っていましたし、後半はミスを恐れずボールを受けて前に向かって得点を取りに行くということを意識してやって、それが少しはできたのかなと思います。あとは本当に点を取るだけだと思います。
ヘディングシュートのシーンは、普段自分はあまりヘディングをする選手だとは思っていないんですけれど、ただああいうところで決められる選手にならなくちゃいけないのかなと思います。
あそこに顔を出せたのは一つの成果だとは思いますが、あそこで決めきらないといけないなと思います。
課題はやっぱりもう少し前半からボールを受けてしっかり組み立てて、自分たちの時間というのをしっかり作っていくことだと思います。
その中で自分がミドルシュートを打って、それを決め切ることやこぼれ球から得点が生まれるような状況を作ること。
あとは決定的なパスもあまり出せていなかったので、そこは課題なのかなと思います。
後半はしっかりボールを受けてられて縦パスを入れて組み立てることもできていたと思いますし、ボールも奪えていたと思うのでそれは継続していきたいと思います。
Jリーグの試合ではまだベンチ入りしたことがないので、明日からまた練習を頑張ってまずはベンチ入りをして、試合に出て活躍できるように頑張りたいと思います。
●神谷優太
途中からの出場で、最初ベンチで見ている時はなかなか前にボールが運べなかったという部分があったので、そこは自分が出ていかに起点となって前に運べるかということを考えて、途中から出て良い流れを作れたんじゃないかなと思います。
自分が仕掛けることだったり縦に速いパスを入れることだったりシュートだったりを見せていければサポーターの方々も喜んでくれるかなと思っていたし、そこであとは決められればもっともっと喜べると思うので、そこはしっかり決めていけるようにしたいです。
FKのところとミドルシュートはもっと練習をしてもっともっと精度を高めていきたいなと思います。
次もまたホームでJリーグの試合があるので、そこのメンバーにまた入れるように試合です。
またそこで流れを作れるように、点も取れるように頑張っていきたいと思います。
●山根視来
何もできずに終わってしまったと思います。
もう少しできると思って入ったのですが、いざ始まってみたら何もできずにボールを奪われてチームに迷惑をかけるようなプレーしかできなかったのですごく悔しいです。
もっとこの雰囲気を楽しみたかったですが、そこまで至るレベルのプレーもできなかったと思いますし、悔しい想いです。
仕掛けるところなのかシンプルにやるところなのかというところで良い判断ができなかったので、ドリブルで仕掛けてばかりでボールを取られて、というシーンが結構あったので、そういうところを修正していきたいです。
ハードワークするという部分はこのチームでは最低限のプレーだと思うので、それができて良かったという評価は自分にはできないです。これからは仕掛ける前のオフの動きだったりとか、もっと周りを見て何よりもやっぱりもっと勇気を持ってプレーしたいと思います。
今日は何もアピールできなかったですが、明日からまた練習がありますし、そこからまたアピールしてきたいと思います。