ボイス
【ボイス:2016年4月10日】藤田祥史選手
移籍加入した昨年、開幕直前に負傷した。そこまで自分なりに順調に湘南スタイルを理解し、自分の役割も把握してきたつもりだった。それだけに怪我はショックだった。
「みんな開幕を目指して頑張ってきていたから悔しかった。そのうえ自分自身、肉離れは初めてやったから、肉離れに対する知識もなくて結構焦ってしまって。早くやりたいって気持ちもあって再発させてしまってダラダラ長引いてもったいなかった。もうちょっと慎重にやればよかった」
移籍してきた最初のシーズンだけに力も入っていた。それがかえって焦りに繋がり、結局復帰するまでの3ヶ月間はスタンドから試合を見ることになった。が、結果的に見ればこれはこれで良い経験になったという。
「俺が入ったらこうしようとか、この選手はこういうプレーするんやとか、もうちょっとこうした方がええのになとか、外から見る時間が長い分いろいろ観察できた。後々復帰するに向けては、そういった時間が持てたのは良かったかなとは思います」
復帰後は通常練習に合流した直後から感覚も良く、すんなりと入ることができた。しかしコンディションが今ひとつ上がらず、その面では少し苦労したという。そういった経験から今年は今まであまり気にすることのなかった食や睡眠に意識を向けている。その結果、コンディションも良く、開幕スタメンを勝ち取り、第3節で今シーズン初得点も挙げている。
「身体が重かったらそれこそ自分のスイッチから入れにくいけど、コンディションが良いとやっぱり走れるし、連続した動きも繰り返せる。っていう意味では、コンディションが良いからサッカーも楽しい。いや、去年も楽しさという意味では楽しかったんですけど(笑)」
参考にした食事法などが藤田選手自身の体質とあったよう。
「ジョコビッチ(男子プロテニスプレーヤー ノバク・ジョコビッチ選手)の本を読んで、ちょっと試してみようかなと思ってやってみたらコンディションが良くて。子どもと一緒に3時に食べていたお菓子をやめたりサプリメントを摂ったり、寝る時間を早めたり。今年は、そういうことをちょこっとするようにしています」
ジョコビッチ選手が実践しているのは、小麦粉などの穀物に含まれているグルテンを摂取しない食事法。そのため藤田選手は激しい運動をする前に摂ると良いとされる炭水化物は小麦粉が原料であるパスタなどからではなく、白米などから摂取するようにした。
「今まであんまり気にしなくても問題なくできていたんでそれはそれでええんちゃうかなと思うけど、やってみたらコンディションがいいから、『ああ、効果あるのかも』と思いながら。そんなにストイックじゃないんで苦にならない程度しかやらないんですけど。オフの前の日くらいは食べてもいいかなくらいで」
コンディション面を気にするようになったのは、怪我の経験に加えてベルマーレの練習のハードさもあってのこと。
「湘南の練習は、長い時間はやらないけど中身濃いしハードやし、練習試合も毎週組まれているし。
でも32やから、とか、自分自身体力落ちたなとか、そういうのは感じてないんですけどね。ただ怪我にはちょっと敏感になった。ふくらはぎとか気になったらちょっと気をつけようと思うようになりました」
怪我をすることなく、自分自身が求めるプレーをどこまでも追求したい。それがアスリートの思いだろう。