馬入日記

【馬入日記:12月31日】2015年最後の日記。永木選手からのメッセージ。

151231-12015年最後の1日となりました。
2015年も本当にたくさんの方にベルマーレを応援していただき、共に喜び、時に涙しながら素晴らしい一年を送ることができました。
選手・スタッフ一同、心より感謝いたします。ありがとうございました。

さて、先日発表しましたとおり、ベルマーレを支え続けてきた永木亮太選手が鹿島へ移籍することとなりました。

2010年、中央大学4年生の時に特別指定選手としてベルマーレに登録され(その年、11試合に出場)、2011年にプロ契約をしてから5年。天皇杯なども含めると199試合に出場。その姿を見守ってきたサポーターの皆さんの目に、永木選手の成長はどんな風に映ったでしょうか。
2013年からの3年間はキャプテンを務めました。曺監督がキャプテンに指名した時にはみんなが驚いた、なんてことは今や嘘のように感じるほど、素晴らしいキャプテンシーを発揮した3年間でした。

選手としての価値を高め、ここ3年間は毎年熱烈なオファーがいくつも届いていました。

「湘南との契約も残っていましたし、鹿島と他のクラブからも話をいただいて、一度フラットにして考えました。もちろん湘南には強い思い入れがあって、曺さんが来年も指揮を執るということも決まって、慣れ親しんだ大好きな仲間たちがいて、この湘南という住んで5年になる街が好きだし、地元の人たちにもお世話になっていて…。鹿島からは2年連続でオファーをいただいて、そのことは素直に嬉しかったですし、鹿島という伝統があっていくつもタイトルを獲っているチームで、非常にクオリティの高い選手たちがいて、見習わなければいけないところがたくさんある、そういう中に自分が入ってプレーしてみたいという、そのひとつの気持ちが、さっき言った湘南の全てを含めた気持ちよりも上回った、というのが正直な気持ちです」

多方面から評価を受けているあのハードワーク。曺監督が「プレーには人間性が表れる」と話すように、まさに永木選手の人間性やサッカーへの想いが人の心を打つプレーへと繋がっていました。

永木選手にとって、ベルマーレでの6年弱はどんな日々だったでしょうか。

「本当に一言では言えないけど、いまこの自分があるのは湘南のお陰です。曺さんをはじめとするスタッフにも本当に恵まれたし、フロントスタッフとも距離が近いので、みんなで一つになって結果を求めて、試合の結果だけじゃなくて、みんなで“いいクラブをつくっていこう”っていう気持ちを強く持ってやってきた。そういうところで自分は人間的にも成長させてもらった6年弱だったと思います」

そしてキャプテンの経験も間違いなく成長を加速させるものでした。

「湘南でキャプテンをやるまで、子ども時代も含めて今までやったことがなくて、最初の1年間は大変でしたけど、2年、3年とやっていくうちに自分の中でもどんどん自信がついてきた。キャプテンをやらせてもらえることによって、やらなければ分からないような責任感だったり、プレッシャーをいい意味で勉強できました。まだまだ成長しなければいけないですけど、今の自分は、本当にこのチームが作ってくれたと思っているので本当に感謝しかないです」

一番印象深い出来事は?と聞くと…

「やっぱり町田での昇格の時(2012年)かな。多分、サッカーをやっていて、あれ以上の喜びはまだ味わったことがないし、あれが自分のサッカー人生で今のところ一番嬉しかった瞬間ですね」と。

いつしか定着した「湘南スタイル」という言葉。年を重ねるごとにそのスタイルには磨きがかかっていきました。

「曺さんの一年目から、本当に前へ前へという意識を植え付けられて、最初の頃は前にいく意識が強すぎたというか、まだ全然下手なところもありましたけど、2年3年とやり続けることで、湘南スタイルの核になるところはブレることなく進化してきていると思います。本当に自分もそうだしチームとしてが一番なんですけど、成長できていると思えた。なかなかないこのスタイルで、選手が成長できていると実感できることが一番だし、自分もその中で、ずっと試合に出続けてやってこれたことはすごく自信になりました。前にいくところやハードワークするという自分のよさは、湘南にいて分からせてもらった。湘南で成長させてもらったプレーを今後に活かしたいし、このスタイルを信じてやってきてよかったと思っています」

そしてもちろん、サポーターの皆さんへの想いも強く強く、抱いています。

「特別指定の時から自分のチャントも作ってもらっていたし、これがプロなんだなっていうことはサポーターの声援や作ってくれる雰囲気から味わえるものなので、常に声を絶やさず応援してもらって本当に感謝しています。最近すごくサポーターの人数も増えてきたことが嬉しかったし、湘南スタイルをサポーターの皆さんと共に作り上げているということを感じながらプレーしていました。勝利のダンスも大好きだし、素晴らしいサポーターと巡り会えたことが本当に嬉しいし、感謝しています」

本当に多くのものをベルマーレにもたらしてくれた選手。
別れの辛さは言うまでもありませんが、お互いに愛情が消えることはないでしょう。

「プロとしての第一歩が湘南で本当によかったと思っています。サッカーの技術やフィジカルなどはもちろんですけど、本当に人間的に成長できたと思える6年だった。湘南ベルマーレのことがずっと好きだし、この街も、クラブの人たちも、全員尊敬できて全員好きな人たちなので、いつかまたここで一緒に仕事ができたらと思うし、何かの形でベルマーレに戻ってこれたら…それはすごくわがままな話ですけど、幸せなことだと思っています。僕が一番言いたいのは、本当にずっとこのチームが好きだし、どこに行っても常に応援しているし、自分の第2の故郷という気持ちで、湘南のことを想っているということ。自分自身、これからもっと成長していきたいと思っているので、成長した姿を見てもらえるように頑張るのみだと思っています」

永木選手が日本代表のユニフォームを着て躍動することを、願わずにはいられません。

そして、湘南スタイルをさらに磨く2016年。
来年も変わらぬ熱いご声援を、どうかよろしくお願いします。
皆様、よいお年をお迎えください!