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【ボイス:2015年12月21日】永木亮太選手 [5]
J1に昇格したこと。天気が良かったこと。湘南スタイルが定着し始めたこと。要因はさまざまあるだろうが、とにかく今シーズンのスタジアムはいつも人があふれていた。声援も大きく、昨年以上に響き渡っていた。その声はもちろん選手たちに届いている。
「感じますよ。声援はモチベーションを上げる大きな要因の一つ。自分たちのサッカーも理解してくれてるし、しっかり観てくれてると思う。自分たちが手応えがなかったなという試合は、サポーターもそういう顔をしているし。ベルマーレのサッカーをみんながよく知ってきた、理解してくれているんだなっていう思いで見てました。
やっぱり試合中に前を向けるのに向かわなかったら『ああー』ってちょっとため息が出るし、ベルマーレとは違うサッカーをしているチームではそういうため息は出ないと思いますから、やっぱ分かってるんだなって思って。そういうサッカーを求めて試合を観に来てくれているんだというのが分かったし、すごく一緒に戦ってる気がして、おもしろかったし、ありがたかったですね」
声援に混じって叱咤激励も飛んでくるが
「野次とかも聞こえてきますけど、僕はそんなに嫌じゃないです。その時の自分のモチベーションになるというか(笑)。
僕はため息より野次の方が好きですね。たまに変なパスミスとかしたとして、そういうときに『あー』ってみんなのため息が聞こえるときはちょっとカクッてなってます。だからどっちかっていうと野次の方が力になるというかバネになるというか。『プレーで黙らせてやる!』って感じで(笑)」
サポーターの期待を感じ、その期待に応えようと走り続けた1年。昨年末、永木選手は今シーズンを「このサッカーを信じて戦う勝負の年」と位置付けた。その評価については
「できたという気持ちは持っていいかなと思っています。自信を持ってできたとはちょっと言いづらいですけど。でも、客観的に見ても例えば曺さんの知名度や評価は間違いなく上がったと思う。ブレずにこのサッカーをやり続けてきたし、自分たちのサッカーで自分たち選手の評価も上がったと思う。
今年自分たちはできたこと、できなかったこと、どちらもたくさんあった。それでも成長できたと言える1年だったと思います」
トップリーグで湘南スタイルを貫いたからこそ得られた「できたこと」と「できなかったこと」の経験。この経験こそが選手の成長を促す滋養となる。湘南スタイルの深化のゆくえに期待したい。
取材・文 小西尚美
協力 森朝美、藤井聡行