ニュース
【ボイス:2015年8月6日】アンドレ バイア選手 [2]
チームとして長いスパンで見ると3度目のJ1リーグとなるが、今シーズンに限ってみれば、カテゴリーをひとつ上げて挑戦する最初の年、とも言える。昨年、主力として戦っていた選手でも、初めてJ1に挑戦する選手もいる。
「チームは成長過程ですから、私たちはチャレンジ精神を持ってやっている。過去に何度かJ1で戦った成績と比べると、その頃よりはいい成績を残せているが、だからといって我々は満足はしていない。例えば首位の浦和でもまだまだ成長する可能性もあるし、彼らもそれを求めてやっていると思う。我々もそれと変わらないんですよ。経験が不足している、あるいはJ1が未経験の選手もいますが、日本に限らずどこの国のリーグも1部と2部の差というのは大きいものだし、経験というものは、やりながらしか得ることができないもの。私も16、17歳のときに経験不足でうまくいかないこともあったんですけど、やっぱりやっているうちに経験を積んで、自分も成長していく。私も初来日だし、何人かの選手は初J1で、みんなでチャレンジしながらチームを成長させているところだと思う。
それに順位は中間というところだけど、湘南は相手を上回るデータもある。そういうことがクラブとして一歩一歩、最近でいうと新しいお風呂ができたというのもあるし、チームとして前向きに歩んでいると、私は思っています」
1stステージを終えて、全チームと一通り対戦したが、そのなかで印象に残った対戦相手を尋ねると、個人名とチームがそれぞれひとつ挙がった。
「個人でいうとFC東京の武藤(嘉紀)選手(現・マインツ)。海外移籍をしましたが、やっぱりテクニックも高いし、他の日本人選手と比べるとちょっと格別な存在かなと思いました。ヨーロッパで今年ブレイクするかどうかはわからないけど、1、2年後には必ず活躍するのではないでしょうか。
チームでいうと、浦和レッズ。攻守に渡ってバランスのとれた選手が多く、また、ベテランの選手がいるので連携も深まっていると感じました。選手それぞれが意識の高さと、役割をきちんと認識していると思いましたね」
試合として印象に残っているのは、2つあるという。
「やはり開幕戦、Jリーグでデビューできるという、待ちどおしい、早くやってみたいという気持ちで、いきなり浦和というビッグクラブと対戦できるということもあって、結果は負けてしまったんですが、自分のなかで印象に残っています。でもやっぱり、サッカーは勝って喜ぶものですから、勝った試合の方がより印象に残ってます。6勝のうちに一番印象に残っているのは清水(エスパルス)戦。結果的に大勝したっていうのもあったけど、私たちのホームで、両チームのサポーターが盛り上がるなかで相手と対戦するというのは、スタジアムの雰囲気も含めてサッカーだと思うので、そういう雰囲気のなかで勝利を得たというのが、自分のなかで幸福感がすごくあった。記憶に残っていますね」
清水のサポーターは、サンバのリズムに合わせた応援が特徴。両チームのサポーターの特色が色濃く出た応援がスタジアムの雰囲気をより良いものにする。そのなかでの勝利は格別だったと言う。
「もちろん、我々のサポーターの応援の方が良いですよ! 特にホームで我々のサポーターの前で圧勝できるっていうのは良いですね」
2ndステージでは、ホームとアウェイを入れ替えて、再び同じ相手と対戦する。そのなかには、1stステージで大敗を喫した相手もいる。
「2ndステージの開幕で対戦した名古屋(グランパス)は、1st.ステージで大差で敗北してしまい、すごく悔しい思いをした相手。相手にいいようにやられたというのではなく、自分たちの不注意で負けた試合だったので内容も結果も腑に落ちない思いがあった。ただし、その試合を期に5試合負けなしとか改善したところもあって、チームがだんだん基礎を固めてうまく機能し始めたということもある。チームがだいぶ成長した手応えもあるし、2ndステージはお互い知っている相手でもあるから、試合は自分たちがどれだけ進化したか、自分たちの力がどれだけ上がったかを確かめる良い機会だと思う。どの試合も良い準備をして良い状態で対戦したい」
同じ相手に2度負けるわけにはいかない、という思いは相手も同じ。そこが2ndステージのおもしろさであり、厳しさとなっている。だからこそスタジアムで観せて欲しいと思うものは、1stステージで対戦したときよりも成長したチームの姿なのだ。