監督・選手コメント

J1リーグ2ndステージ第5節 湘南vs柏 試合後監督・選手コメント

【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
ミッドウィークの夜の試合にも関わらず、特に小さいお子さんにたくさん我々のチームを応援してもらって、夏休み中のホームゲームは、あと8月の1試合だけで、なかなか今年は少ないなと思っている中、今日は非常に良い雰囲気を醸し出してもらって感謝しています。今日、応援してくださったサポーターの皆さん、それからテレビの前で我々の後押しをしてくれた皆さん、すべての人におめでとうございますということを伝えたいと思います。

前節の鳥栖戦から中3日あって、柏さんとは前期で本当にお互いの良さを出し合うような、そういうゲームができたので、それを今日は決着をつけるというか、我々は我々、彼らは彼らの良いところが出て、勝負をしようという話をずっとしてきました。
本当に今日のゲームは立ち上がりから最後の笛が鳴るまで、前への推進力もありましたし、コンパクトなフィールドを保ちながら、バトルする場面で我々が勝ってチャンスを作る、逆に最後に体を張って失点しないように皆で頑張るというような、そういう見てる人たちが解りやすいようなプレーで、一生懸命、最後まで我々のスタイル信じてやってくれたことに、監督として非常にありがたいと思います。こういう試合を何試合も続けて、日々成長してもらいたいし、こういう試合を何試合も続けて、ある意味こう……自信を深めるというか、我々がやってきたことを、さらにもっと磨くんだという気持ちでやってもらいたいと思います。

柏さんは今日は1点先に取られて、ちょっと難しい展開になったと思うんですけれども、2点目の失点とかも、我々にとっては運があった得点だと思っています。あれが無ければどう転んでいたか分からないような試合にもなったのかなと思いますので、喜ぶところは喜びますけれども、シーズンはまだあと12試合あるんで、それに向けて、また天皇杯も含めて、チーム全体は2日間休みにしますけれども、その後、皆でまた集まって良い雰囲気ができるようにやっていきたいと思います。

●曺監督 質疑応答
–菊地俊介選手を前で使うアイデアはいつから?

シーズン最初からずっと思ってました。俊介はもともと大学までセンターバックをやってたんですけど、中学まではトップ下の選手だってことも、うちのコーチの横山が指導しているので分かっていて、やはり彼の運動量とかテンポの作り方を活かせるときがあるかなと思っていて、何回か試合中にやらせたんですけど、きょうは思い切って最初からやらせました。彼自身も溌剌とやってもらったし、それ以上に亮太(永木)と俊輝(石川)が彼を活かすように後ろしっかりカバーリングして、いいかたちでボールを預けられたことはまた新しい湘南のコンビネーションというか、3人ともそんなに巧い選手ではないですけど、きちっとボールを取りに行って前を向いて越していくというような、チリでいうとアランギスみたいな選手になってほしいなと思っているんですけど、そういう感じのプレーが今日はたくさん出たかなと思って、チームにまた勇気と力を与えたなと思います。

–湘南はいろんなひとがいろんなポジションをできるようになっているが、そのあたりの基本的な考え方は?

そもそもサッカー選手は2つ考え方があって、ひとつは昔のオランダサッカーというか、ポジションを完全に決めて5番6番7番8番のプレーを小さい頃から教えて磨くというやり方。僕はどっちかといったらベルマーレの選手にそういうやり方をしなくて、5番も6番も7番も8番も4番もその場所にいる選手がその場所ことをやらなければいけない。要は1対1の守備も練習もFWの選手はやるし、DFの選手も1対1の攻撃の練習をやる、単純に言えば。そういう考え方でチームをつくろうと思っていて、いまつくってる最中なんですけど、なぜかというと、たとえば我々のチームが選手を集める、勧誘する、もしくは我々のチームに来たいという選手が増えるためには、やはり単純にひととひとが関わってボールが取れるとか、ひととひとが関わって攻撃ができるというところに喜びを選手たちが感じない限りたぶんそれは成立しないと思うので、あなたは左サイドバックの選手なので、左サイドバックの2番手ですよ、だから1番手がいるから出られませんよじゃなくて、あなたは左サイドバックが得意かもしれないけどほんとうはボランチのほうがいいんですよ。その理由はこうだと。たとえば山田直輝なんかそうですよね。中盤の選手をやってたけど俺はけっこう3トップの真ん中で使うことが多いんですけど、そういった選手の新しい可能性も見出しながらチームに落としていくことが我々のチームでいちばん大事かなと。誰がクロスを上げてもいいし誰がシュートを打ってもいいし、逆に言えばみんなが守らなければいけない。というところで言うと、薫(高山)とか周平(大槻)とか今日ほんとに最初から最後までディフェンスの仕事も100%でやりながら攻撃にも出て行く。点は入らなかったですけど彼ら2人の意欲、運動量はほんとに凄まじいものがありましたし、そういう選手がたくさん我々のチームから出てきてもらいたいなと思います。

–遠藤航選手も湘南と代表とポジションが異なるが、監督が感じる彼のよさは?

その話で言うと、僕は彼を中3のときから見ていて、当時からボールと敵と相手を同時に見ながらパスを出せる選手、要はサッカーセンスの問題なんですけど、華奢でしたがそれが非常にあった選手で。でも湘南に入ったとき僕が監督をさせてもらってから3バックの真ん中で最初は使っていて、要はゲームをコントロールする、ラインをコントロールする、そのなかで自分が競る、カバーリングみたいなことを最初に求めていたんですけど、あるときこのままだと19歳の選手にそういうことばかりやらせるのはチーム事情とはいえよくないなと。やはり彼がもっと成長するために1対1の場面を増やしてもっと攻撃能力をつけていかないとということで、1年目のたしか仙台戦だったと思うんですけど、夏に大野を真ん中にして遠藤を右にして使ったフィーリングが僕のなかですごくよかったので、彼もそれでまた新たな攻撃能力とか、今日も何回か取られましたけど、ひとのあいだをドリブルして運んでいくとか、ああいうことを覚えていまに至るので、それがボランチ、あるいはサイドバックとかでも同じようなプレーをたぶん求められていくと思うので、彼自身の成長とチームの成長が正比例するようにそのとき考えたんですけど、いまの時点では彼がやれることは当時より明らかに増えていますし、もともとゲームを読む力とか状況判断とか危険を察知する能力は昔から抜群なので、判断を間違わない選手ということでああいうところでよさが活かされるんじゃないかと思っていたので、これからまだまだ1対1とかヘディングとか今度代表行ったらそういうタフな戦いのなかでいろんなことがあると思いますけど、刺激を受けて堂々とやってもらいたいし、自信を持って帰ってきてほしいなと思います。

–8月12日までの期間をどのように利用するか?

5連戦だったので、出た選手には少し長めの、出ていなかった選手は2日ぐらいの休みで持っていこうと思いますけど、きょう勝ったといってこのメンバーが次も出られる保障はまったくないので、そこで言うと競争させてやっていきたいなと思いますし、我々の純粋なピッチのなかでの競争が試合に表れると思うので、実績や経験値はもちろん大事なことですけど、いま何ができて何をやろうとしてるかというのを選手たちと向き合ってやっていくことが大事なので、そのようにしていきたいと思います。

–FC東京との試合も組まれているが?

FC東京さんと試合勘とか試合経験が少なかった選手にこういうスタジアム形式のところでやってもらいたいというお互いの思惑が一致したということです。

●吉田監督 総括
今日の試合、湘南ベルマーレとやるという、とてもエネルギッシュでアグレッシブで、たくさん警戒しなければいけないところがあるチームで、我々もそれなりの準備といいますか、気合いと気概を持ってここに入ってきたんですけど、特に前半、我々の本来持ち味でなければいけないテクニックといいますか、相手陣内に入ってからの時間お使い方、ボールの落ち着け方、ボールを足に付けるところ、そういうところで慌てたところでミスが散見され、なかなかペースが握れない中、警戒していたカウンターからのクロスボールで失点をした。すごく警戒していたところで、彼らが狙いとしている得点をやられるというダメージとしては大きい失点をしたというところはすごく大きかったと思います。選手の誰かのミスというのは決して責められるものではないですし、ただただ前半のそういった時間の過ごし方が悔やまれますし、まだ我々が改めてできないんだと思い知らされた1試合でした。0-3という結果は納得していますし、そのとおりの試合だったと思っています。

●吉田監督 質疑応答
–ファーストステージでは0-0で引き分けましたが、あの時の湘南と比べて違いは?

あの時の方がお互い勢いが、5月の試合ですよね、お互い勢いと、お互いのもっとも得意とするところがぶつかり合った試合で、今回は暑さもあり、お互い警戒する場所も試合を経過する中で変わり、ある程度前回よりは落ち着いた試合になったんじゃないかと振り返っています。

–仙台戦が終わって中3日、真夏のナイトゲームで相当ハードだったと思いますが?

選手も何人か変わっていますし、そこは湘南の方も鳥栖に行って帰ってきていますから。

–中断に入りますが、どのように過ごされますか?

まず、休む。しっかり休んで、その後は基本的なこと、我々が地に足をつけて戦えるようなベースを作り直さなければいけないと思います。

−前半の戦い方についてなんですが、湘南の守備が良かったのか、それとも柏の方に問題が発生していたのかという点では、そのように捉えていますか?

相手チームの守備、攻撃が良い、悪いというのは僕が言えることではないんですけど、少なくとも我々の戦術的な部分で言えば、機能してなかったとはおもっていないです。それぞれのいる場所は明確に見えましたし、ただその中で戦術やポジショニングはある程度のミスが起こらない前提の部分もありますから、そのバランスがとても悪かったと思っています。

−ファーストステージで失点が多く、そこから徐々に修正してここ3試合は無失点でしたが、今日はなぜこの3失点という結果になったのでしょうか?

失点シーンだけを切り取ってしまえば、セットプレーと連携ミスが絡んだ2失点ですから、何かをチーム全体で修正するものではなかったと思いますけど、そこに至る疲労感、寄せの甘さは今日出てしまいましたし、寄せが甘くなる、ミスが起こってしまう、一瞬途切れてしまうというのは、おそらく前半戦に我々がたくさん起こした必要のないボールの失い方だったと思います。

−エデルソン選手が初出場しましたが、彼をCFに置いた意図と評価は?

まだ彼は来たばかりで、いきなりこの日本の暑い夏で、体力的にはかなり消耗している、試合はしていませんけど、ただ、彼の持つ得点感覚、得点力が生かされればと起用しましたが、長くやってきているストライカーのポジションでまずは行ってみようと。試合に出して慣らしていかなければ馴染んでいかないので。評価についてはなんともいえませんけど、雰囲気はあったと思います。

【選手コメント】
●永木亮太
柏戦に向けて曺さんもいろいろな形でモチベーションを上げてくれて、前期もすごくいい試合ができた相手だったので、知ってる選手も多くいますし、そういう相手に、今日に懸ける意気込みは非常に持っていました。そういう試合で自分たちの内容もすごく良くて勝てたということはすごく嬉しかったです。
各々やるべき役割を果たして、危ないシーンというのもなかったですし、中盤のところでもほぼ完ぺきにできたと思うのですごく満足しています。
(普段ボランチを組んでいる菊地選手がシャドーだったが?)今日は俊介が一番疲れたんじゃないかと思います。守備の時は俊介が少し下りてきてやってくれていたので、普段から運動量の多い選手ですが、今日は慣れないポジションでしたけどすごく頑張ってくれてよかったと思います。僕と俊輝(石川)と俊の関係はすごくよかったと思います。
ここ2試合、あまり手応えのない試合が続いていたので、ここホームで絶対に勝ちたかったですし、柏は本当にいいチームで、吉田監督もすごくいいサッカーをされている方だと思うので、そういう強敵を相手に自分たちのスタイルを出して勝てたことはよかったと思っています。

●遠藤航
本当に勝ててよかったと思いますし、チームみんなで戦って勝点3を掴めたことは嬉しっく思います。
(ゴールは?)すごく速くていいボールが入ってきて、タイミングがよかったと思います。
自分たちらしさを出していこうという話をミーティングでもされていましたし、そこは立ち上がりから出せたと思います。いい形で先制点が取れて、後半も新潟戦のようになるのではなくて、2点3点取りにいって自分たちらしさを失わずにやっていこうということが3点取れた要因だと思います。
相手のシャドーの選手も裏に抜けるというよりはくさびを受けてという形だったので、そこをまず強くいくことと、いい形で奪えれば自分の良さである前にかかわっていくところは出していきたいと思っていたので、そこは前半からよかったと思います。
(代表では新境地のチャレンジになるが?)代表選手はハードなスケジュールをこなしていかなければいけないですし、その覚悟で臨みます。まずはチームに合流して、A代表のやるサッカー、細かい戦術なども頭に入れなければいけないですし、どこで使われるかは分からないですけど、数少ない中でも良さを出せるようにしたいと思っています。

●古林将太
(アシストのシーンは?)前が空いていたので2回くらい持ち出して、中に周平くん(大槻)と薫くん(高山)が見えたので早い段階で上げたほうがいいかなと思って上げたらうまく合わせてくれました。
今日、曺さんからサイドバックが起点になってくるという話もあったので、自分がそこを潰せれば、相手の脅威になるかなと思っていたので狙っていました。
前回の対戦では出られなかったしそういう面では悔しかったので、今日で満足せず、まだまだこれから調子を上げていきたいと思います。
松本戦くらいから得点を取って、自分の中では調子が上がってきたと思っているので、今日がまたいいきっかけになればと思います。

●大槻周平
(先制ゴールについて)練習の成果が出たという感じです。ずっと練習が終わってから居残りでコーチに手伝ってもらっていました。本当にスタッフの方たちのおかげでああいうゴールができたと思うので、ちょっとは恩返しできたかなと思います。まず高く跳んで、しっかり頭を振るということを練習のときから意識していたので、それが試合にそのまま出ました。コバショウ(古林)とは試合前からクロスのことでちょっと話していて、それでコバショウが持ったときに信じて入ろうと思っていた。信じて入れてああいう得点に繋がったのでよかったかなと思います。

●菊地俊介
ファーストディフェンスに自分が行って、剥がされたらしっかりボランチの脇を埋めてやるというところで、攻撃のときはいつもより高い位置を取って攻撃の起点になるというか、そういうところを意識してやっていました。
(守備の際、前に行きつつ後ろもケアしていた)ボランチのときにシャドーの選手に僕自身がよく助けられているので、あそこでシャドーの選手がボランチの脇のスペースを埋めるとボランチは楽だと思ってプレーしていました。ひとつ剥がされたら二度追いするなりプレスバックするというところで、走ることはそんなに苦ではなかったです。
(体力的には?)いつもより大丈夫でした。逆に、途中から相手が少しハマったので、ボールを高い位置で奪えるシーンもあったので、すごく楽しくなってきて(笑)そんなに苦ではなかったですね。