監督・選手コメント
J1第11節 甲府vs湘南 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れさまでした。
今日はグラウンド上は30度以上あったと思うんですけど、本当に暑い中での試合でした。ミスも多かったし、もっとこうしなきゃいけないということはたくさんあったと思いますが、選手たちはよくやったと思いますし、それを後押ししてくれたサポーターに、本当に感謝しています。
我々は人数をかけて出ていったりとか、見た人が分かりやすいのが湘南スタイルだとよく表現してもらうことが多いと思います。そういうことももちろん大事なんですけど、足を止めないで最後まで戻ったり、球際を頑張ったり、人数をかけて守ったりするのも、それと同じかそれ以上に大事にしています。ゴール前で守り切るだけがサッカーではもちろんないですけど、足を止めずにやる中で、選手全員がそういうところと向き合ってずっとやってきている。僕の監督人生の中でも初めて守備の選手を多く入れて、逆にあそこで跳ね返してもう1点取ろうというメッセージを送ったつもりですが、俊輝(石川)とジョンピル(キム)とシマ(島村)は本当に交代選手の役割を果たしてくれたと思います。先発で出た選手も暑い中、また出場停止の選手やケガ人がいる中でまとまって、最低限我々が大事にしていることを彼らがやってくれたことが1-0という結果に結びついたと思います。
この試合を見て、いつもの湘南じゃないなというのはあるかもしれないし、いつもの…という意味ではもちろんありますが、いいゲームだったと思います。
●曺監督 質疑応答
–後半は明らかに動きが見違えったように感じたが、前半は意図的に抑えたのか?
意図的に抑えて、後半あれだけ動けるようになることが監督として最初から分かっていれば、意図的に抑えましたけど、まったくそんなことはなかったです。
逆に甲府さんの形が、うまく我々のミスマッチを突いてくるような、ロングボールを入れてセカンドに人数を割くという感じの、タクティクスの部分で少しミスマッチがあったなと。そこを俊輝(石川)を入れたりとか、後半に形を変えたりする中で対処しなければいけなかった。
よく前半、攻撃的にいって得点が取れなくて選手が勝手に焦れちゃって失点するような場面がたくさんあったので、0-0で終われれば後半にチャンスがあるかなと思っていました。そういう意味では前半よく我慢したと思います。後半、我々のよさ、前への推進力含めて、随所にそういうところが出た。試合って前後半合わせての結果なので、今まで、レッズの試合もそうでしたけど、前半よかったら後半そのままいけるんじゃないかみたいなところが甘さだったと思っています。
そういう意味では、意図的に前半を抑えたということはないですが、彼らの勢いを、力関係で受けるようになってしまった。ただそれはゲームに勝つために、波というのを自分たちで跳ね返さなければいけないので、そんなにネガティブな感じではなかったです。
暑さと相手の負けられない気持ちに、多少そうやって押し込まれるかなということは考えていました。この前の鳥栖や神戸の時も多少そういうところがあった。選手がそこで失点しないようにとピリッとなってくれれば逆に攻撃のチャンスを得られるかなと思っていましたので、前半悪くないよという話をハーフタイムにしました。
–タクティクスの部分でハーフタイムに一番修正をかけたことは?
相手はアンカーを1枚置いてこぼれ球をダブルボランチに当ててきたので、3トップの形をトップ下1枚置くようなイメージで、セカンドを拾いやすいようにしました。いこうと思っても、前半はすぐにながいーるを蹴られたので、いっていいのか悪いのかというのがあったので整理して送り出しました。
–1点取ってから押し込まれ、求めすぎかもしれないがゲーム運びで他にやり方はあったか?
これが本当にワールドカップの予選とか日本代表の試合で、1-0で取った後に押し込まれるときの原因って、例えば後ろまでいった時にその次のボールをしっかり繋いで、越していって相手のコートで終われればいいんですけど、我々はそういうプレーが少ないですよね。もしそうじゃなければ、ワンタッチでクリアして相手のコーナー近くにいってから押し上げるということも、サッカーでは大事。あの時に選手が何を考えていたかというと、しっかりプレーしなきゃいけないけど、いつもボールがきてから考えて味方を探しているので、相手もプレッシャーに間に合っちゃう。
それは0-0の時だったらそういうことしないと思うんです。大事に大事にという意識が強くなるかあまりに、ひとつふたつ多くなって、相手の帰陣を許している場面が今日もたくさんあった。
そういう意味で、代表の話をしましたが、そういう厳しい勝負を考えると、まだまだ我々はやっていいプレーいけないプレーの整理をこのJ1の中でやっていかなければいけない。それを自分たちの血として肉としていかないと、今年J1でプレーしている意味がまったくないと思います。外から見ていて、あの選手すごいなと思うのではなく、自分たちがしっかりプレーしているなと見てる皆さんに思われる選手になっていかなければいけない。
おっしゃるような状況はあったと思います。ただ、そこで全体が切れないで、最後まで最低限のことをやったという意味では評価してあげたいなと思います。
●樋口監督 総括
非常に残念な結果です。ゲームのほうは、湘南の勢い、縦への速さを抑えるということはほぼゲームプラン通り、前半はまったく問題なく我々のペースで進められたと思います。
後半も90分を通して今日はパワーアップしようということで、交代選手を含めて、ある程度パワーを維持しながら、逆に盛り返すこともできたと思います。
選手は本当に精一杯勝利に向かって戦ったと思います。ただ、それが現実として勝ち切れない、あるいは引き分けに持っていくこともできないというのは現状ということで受け止めなければいけないと思っています。ただ、選手たちはプラン通りに戦うということに関しては、いま持っている力を発揮できたと思うし、湘南のよさを出させないということではチームとして狙い通り戦えたかなという手応えはあります。結果はほんとうに残念です。また次に向かって頑張れるように準備ができればと思います。
●樋口監督 質疑応答
–勝ち切れないポイントは?
ひとことで言えば、攻撃の精度。たとえば今日もクロスボールが上がるシーンはいくつもつくれていたが、その精度がいま一歩上がらない。序盤に比べれば相手のボックス内に入る回数、あるいはゴールに迫る回数は少しずつ増えてきているだけに、ただ点数に繋がるという部分では、1本のパスの精度、あるいは1回のコントロールの精度はなかなか上がらないなと思います。
–昇格組との負けてはいけないゲームに負けてしまったが、その責任に関してはどのように感じるか?
常日頃言ってますが、結果はつねに私にあると思います。それはしっかりと受け止めています。
–バレー選手について見えた可能性は?
バレーは正直言って、来日して1週間、トレーニングもいわゆるコンディションの様子を見ながらということで、チームとしてこの連戦中なので何かをトレーニングしたということはまったくありません。本来ならトレーニングをしっかりできていないということを考えれば使わないというのもひとつの選択肢だなと思って見ていましたが、チームの現状でひとつ彼の前への推進力や得点力が最後の場面で必要になるというふうに思っていました。そのコンディションがあれば使えるかなというところで判断して今日使いました。ただ時間的にはギリギリの線かなと思います。ただ、彼の特徴はチームとしてこれから把握していくことになると思いますので、そこができれば彼を活かすことも活かされることもできてくるのではないかなと思います。
【選手コメント】
●大槻周平
三竿から本当にいい縦パスが通ってきたので、僕は前を向いて思い切って打つだけでした。ゴールは見ていなかったので感覚ですけど、ニアの上を狙おうということだけは意識していて打ちました。風も後半は風上だったので、ハーフタイムに曺さんからもどんどんシュートを打っていけということを言われていたので、思い切って打ってよかったと思います。この前の試合もシュートは打てていたんですけど枠には入っていなかった。でも思い切ってプレーすることがゴールに繋がると思うので、これからも思い切りよくということは続けていきたいと思います。
本当に勝たなければいけない試合でしたし、内容的にはそんなに誇らしいものではないですけど、チームとして一体感をもって戦えたことが結果に繋がったので、今日はいい勝利だったかなと思います。
●秋元陽太
(ファインセーブ連発だったが?)押し込まれた時間帯にチームの力になれたことはよかったです。止める時は、最後まで先に動かないことを意識していました。あとはセットプレーで最近やられていましたが、最後までみんなで守ろうという気持ちで戦えたので、それがゼロに繋がったと思います。
無失点は仙台戦以来ですが、なんとか失点を断ち切りたいと思っていました。
難しい試合ではありましたけど、決して悪くはなかったと思う。敵地でこの暑い中で勝点3を取れたことをプラスに考えて、今度絶対に連勝できるように、柏戦に臨みたいです。
●菊池大介
これからが大事ですけどしっかり勝ち切れたことはよかったと思います。個人的には、シンプルに対面する相手に負けないことを意識していました。攻撃に出ていく瞬間の切り替えや守備に戻る時の切り替え、球際で先手を取ることはできたと思います。球際に関してはしっかりやらなければいけないところだし、そこがなければ自分たちのサッカーは表現できないと思っています。今日の個々のボールに対する執着心は悪くなかったと思います。
(試合中にサイドが変わったが?)左と右で変わると視野も違うし打ち方も違うので難しいところもあるのですが、難しく考えすぎないようにして、シンプルなプレーを心掛けていました。
(連戦な上に暑かったが?)後半の最後はきつかったですが、でも勝ちたい気持ちが強かったのでなんとか走り切ることができました。
●遠藤航
あまり前には出ていけなかったですけど、最低限、失点しない守り方だったり、最後に1対1のところで奪い切ること、やらせないところはよかったと思います。久しぶりにゼロで抑えられたこともよかったと思います。
暑さもあって少し重いかなというところもありましたが、でも球際の部分や切り替えの部分など、自分たちが一番大事にしているところは暑い中でもしっかり出せたと思うし、相手にそんなに優位に立たせることはなかったと思います。
(押し込まれた時は?)あまりうまくいっていないなというのはありましたけど、そんなに焦ってはいなくて最後しっかり守って、ゼロで抑えていればチャンスはくるかなと思っていました。前半、相手も前からきたり球際も激しくきていましたが、後半落ちてくるかなというイメージもあって、自分たちのペースがくるんじゃないかということも考えていました。焦ることなく自分たちのペースでできていたと思います。
(これまでとは違う勝利の形のようだが?)前にボールをつけることは変わらずにできたと思いますけど、戦い方という面では、前を追い越していくところはそんなに多くはなかった。でも、少ない人数でも攻め切るとかやり切るという部分も出せた。人数をかけるだけが自分たちのスタイルではないとも思うので、球際でしっかり戦うとか球際の部分、最後にゴールを割らせないという部分も含めた自分たちのよさを出せたかなと思います。
●三竿雄斗
勝たなければいけない試合だったので、内容的にはいろいろあると思いますけど勝てたことはすごくよかったと思います。
(アシストについては?)相手はワンボランチだったので、はじのスペースが空くということは分かっていたし、あの場面がどうだったかは分からないですけど、自分もそこに入れていこうと思っていました。まず周平くん(大槻)のシュートが素晴らしかったんですけどああいうところに入れ続けた結果、得点に結びついたことはよかったです。
得点した後もいい形でボールを奪うシーンがあったので、あそこでもう少し、ここぞという場面で持って前に出られれば追加点に繋がったと思うので、そこはしっかりチームとして振り返らなければいけないと思います。
(積極的に上がっていたが?)前に出ていける時はいこうと思っていましたし、今までとは違って自分のところでボールを奪えることが多かったので、それが自分が出ていくことに繋がったと思います。
(湘南はもう1試合連戦だが?)中3日あるので全然休む時間はあるし、自分はこの連戦で試合を重ねる毎に疲労がたまっているということもないので、全然問題ないと思います。相手も同じ状況なので、同じ状況であれば絶対にうちのほうが走り勝てると思う。次の試合も球際や切り替えの部分でしっかり戦って絶対に勝点3を取りにいきたいと思います。