監督・選手コメント

J1第10節 湘南vs神戸戦 試合後監督・選手コメント

【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
今日10試合目になりますけど、2回目の引き分けということで、勝点2を落としたのか勝点1を取ったのかというところで言うと、最初点を取られたので、追いついたっていう良さもありますし、もう1点取れたっていう所もありますが、最後までサポーターに“こっちのゴールに早く入れろ”っていう雰囲気を作ってもらったので、もう1点取れれば良かったんですけども。残念な気持ちと、内容的にはこの前の名古屋さんとか、その前のアウェイのマリノスさんの試合とか、一つちょっと自分たちが思っていないことが起きる時に、修正が効かないようなメンタルが少しありました。マリノスの後の鳥栖戦では良い試合をして、名古屋の時も良い入りが出来たんですけども、1点を食らった時に少し前と後ろがバラバラになってしまって、統一感がとれないような試合になってしまった。
今日は、90分プラス最後の笛が鳴るまで、点差、状況に関わらず、同じことを同じテンションでやり続けることが、我々の湘南スタイルの一つのキーワードだという話をしてやらせました。そこの部分については、選手たちは良くやったと思います。

ここ7、8試合、アウェイでもホームでも入りの部分に関してはすごく主導権を握ってやれるような試合が多くて、点が取れた鳥栖戦はそこから勢いを持って4点取れたと。でも、そこの部分で取れなくて、ちょっと焦れて出ていった時に、カウンターを食らっちゃったりとか、セットプレーで押し込まれたりする場面が非常に多かった。ただ今日は逆に最初に相手に持たれたことで、守備のリズムが出来たというか、その中で、しっかり守るということをしながらも出ていくってことをしなきゃいけないんだよっていうことが、選手の意識の中に刷り込まれていたと思います。ご覧になった方が、前半ちょっと勢いがないという風に思われたかもしれないですけど、僕の中ではかえって良かったなという風に思って見ていました。

後半、やっぱり相手の足が少し止まってくる中で、3トップの流動性を使って、両アウトサイドとか、三竿や航(遠藤)が上がってくるっていうのは、狙い通り、いつもの感じでやってきたので、ちょっと行き過ぎて少し危ない場面も何回かありましたけれども、その良さは、我々の良さだと思っているので、選手たちのその判断自体を尊重しました。あそこでもう1点入れば言う事はなかったですけども、試合の内容的には下を向くような内容じゃ絶対なかったし、この後、リカバーをしっかりして、次の甲府戦に向かって勝点3を取って帰ってこれるようにしたい。

今日、高山がイエローをもらって次は出られないので、また元気な選手でアウェイの地に乗り込んで、良い試合をして帰ってきたいと思います。

●曺監督 質疑応答
–失点のところもそうだが、バイタルのところで本来の湘南の良さであれば人に強いとか裏への守備はそこだと思うが、前半に後ろに下がっていた理由というのは?

戦術的なこともあってあまり詳しく言えないんですけど、神戸さんのよさってそこだと思うんです。裏に受けられる選手もいるけど足元で受けられる選手もいて、前の3人が出入りがすごくうまくて、その出入りの中でずらしてシュートとか、そこでボランチに落として展開してクロスとか、何回もそのシーンがあった。すごくくさびに行きづらい。ただハーフタイムにいっこ前のところでボランチとコミュニケーションをとっておくことによって戻りディフェンスができる。逆にいい形で入ったらくさびを狙いにいけといって出しました。
後半のほうがそういうプレーは多かったと思います。ただ、さっき言いましたけど、守備の時間が長かったので、選手も少し厳しくいってFK取られたくないとか、ワンタッチではたかれて危険なスペースを与えたくないとか、心理的なものも働いたと思います。
そこのところで、あのシュートをブロックしたりあのシュートをキーパーがセーブしたりして流れを掴んでくるというのが勝つチームというか。あそこで失点してしまうというのは、まだ我々の勝負に対するしたたかさが足りないなと思った。
ただそれ以上に、そのあとしっかり戻して神戸せんのラインが深くなったら間使ってまわしてPK取ったりとか、そのあとの攻撃、そのあとのゲームの進め方については、最初5試合6試合やった時よりも辛抱が見えるなという気がしました。
ご指摘は間違いないのですが、ただガツガツいくのではなく、もちろんいくということが前提なんですけど、いけないようにされたチームに対して我々はどうしたらいいのかというのを、前半45分でしっかり学習したのかなと思います。

–PKのキッカーを試合毎に決めていると思うが遠藤選手を指名したのは?

PKのキッカーは、去年岡田がキッカーじゃないのに勝手に蹴って決めて怒ったんですけど(笑)、なんで決めているかというと、外した時に何も変わらない選手に蹴らせるということです。例えば永木にするのか薫にするのか、壮隆(可児)にするのかバイアにするのか…というのはその状況状況なんですけど、今日遠藤にしたのは、昨日練習を見て外した時もしっかりやれるな、と。前回コンディションの面やケガがちなところがあって休ませたのでフレッシュなところもあるので。亮太(永木)は逆に連戦も含め出続けているので、キャプテンとしての責任感を、もしPKを外した時に背負うことになったら、彼のプレー自体が変わってしまうと思った。もちろん蹴る力があるから蹴らせているんですけど。

●ネルシーニョ監督 総括
前半のスタートは非常にチームとして組織できてゲームプランを実行できていたが、マルキーニョスと相馬が早い段階で怪我をしてしまった。とくに相馬ですね、早くから彼を代えることになってしまい、それまで下で回して攻撃のリズムをつくりながら守備も崩れず相手にいいところを出させずというゲーム展開ができていたが、マルキーニョスも後半続行できなくて、この2人を代えたところが今日のゲームに影響が出たと思います。前半終了間際のPKの判定はしっかり後で見てみないと、あの瞬間見た感じでは微妙だなと思いましたけど、とにかくあの時間帯に追いつかれたことも今日のゲームが苦しくなったひとつの要因だと思います。後半、選手たちが前半のようなリズムを取り戻すことを望んでいたが、どうもやはり相手のペースで、速い展開ですよね、蹴るサッカーが増えてしまって、前半のようにボールを回して我々が攻めるという形がなかなか取れなかった。そういうところもあり、この試合決め切れなかったと思います。

●ネルシーニョ監督 質疑応答
–マルキーニョス選手がJ1通算150ゴール、外国籍選手として初めてだが、今日のパフォーマンスの評価と、10年以上遠い外国の地で頑張ってきたことについて

マルキーニョスのこの10年以上の日本での実績について私が述べるまでもなく日本サッカーに関わる人すべてが彼を認めていると思います。非常にクオリティが高く、決定力のある素晴らしい選手であると。いまの私のチームにとっての彼は非常に大事な役割をこなしてくれている選手のひとりで、戦術面の理解度、貢献度、献身的な姿勢をつねに維持して高いレベルで出してくれています。今日の試合も、あれだけ足が腫れていましたし、あれだけの痛みがあればもしかしたら戻らない、戻れない、心が折れたかもしれないが、彼は戻ってチームのために戦うと、そういう彼にゴールという褒美が待っていたと思います。彼のゴールは最終的に非常に大事な1点で、ほんとに大きな仕事をしてくれたと思っています。

–小川選手の役割が途中からワイド、最後はボランチに見えたが、その戦術についてと、これだけ主力に怪我が相次いでいることについて

今日の試合の小川の起用は、スタートから、そしてウィングバック、最後ボランチで終わるという使い方をしたが、彼はとても体力的にもそれを可能にしますし、なにより強いチームスピリットを持っている選手ですから応えてくれたと思います。あの時間帯、菊池へのマークをきつくしたかった。菊池選手はウィングバックのポジションにいましたが、もともと中盤の選手で技術がありますので、タイトに行かないとあそこで起点をつくられる。そこで奥井がちょっとタイトに行けてなくて、そこの改善として容輔(田代)を前に入れて、小川を横に出しました。途中からフェフージンも久々に先発で出て疲れが出ていたので、中盤のボランチのスペースを使われないように、あそこをルーズにしないようにまたそこに小川に入ってもらうというふうな理由です。最近の怪我人に関しては我々もとても危惧しているところで、ゲームプランを含めて戦っていくなかで怪我人が影響してきているのは事実ですから、これ以上怪我人を出さないように、怪我人が一刻も早く回復するように、チームのなかで話し合いながら改善策を打ち出してやっている最中です。

【選手コメント】
●永木亮太
勝てなかったことは残念でしたが、90分間やることを変えずに自分たちらしく戦えたことはよかったと思います。
前半1失点してしまいましたけどそこから崩れることなく点を取られなかったという部分については、ここ最近連続して失点することが多かったので、続けていきたいと思います。
(後半の攻撃は昨年のようだったが?)そうですね、取り方もよかったですし、あそこは自分たちの強みなので。そこで得点が奪えたらよかったですけど、やはりあそこは自分たちの精度が必要だったと思います。お互いの関係ももっと深めていかなければいけない。ただ、ああいうシーンが出たということはプラスに捉えてやっていきたいし、連戦のきつい中でもああいうプレーができることは良さなので続けていきたいと思います。
(シュートの意識について監督から話があったようだが?)ここ最近シュートで終わることが少なかったし、名古屋戦でも相手のブロックの前でボールをまわしてそこから先が…というシーンが多かったので、そういう話はされていたし、選手たちも意識して臨んでいたと思います。
でも、やっぱりそこで決めたい。せめて枠の中に飛ばさなければと思います。意識のところでは改善できたと思いますし、そういう部分ではポジティブに考えていいゲームだったと思います。

●可児壮隆
最初は緊張していたんですけどスムーズに入ることはできました。そこはよかったんですけど、まだまだ攻撃に絡む回数、精度の部分で物足りなかったかなと感じています。
(1点取った時間帯は)攻撃にうまくいけなかった時間帯ではあったんですけど、しっかり我慢すればああやって1点取るチャンスがくるので、そこはチーム全体として慌ててはいなかったのでよかったと思います。
(後半チャンスも多かったが?)もう1点取れれば勝てたゲームだったと思います。そこは今までの課題と同じでゴール前のシュートの精度とか最後のクロス、パスの精度が足りなかったと思います。
試合中はプレーすることが楽しかったですけど、課題もたくさんみつかったし何より勝てなかったことが悔しいので次は勝ちたいです。

●高山薫
前半押し込まれる場面があって先制もされたんですけど、そこから全体的に持ち直すことができて、90分通して戦うことはできたと思います。ただ追加点を取って勝つということはできなかったので、そこは非常に悔しいです。
チームとしてシュートで終わろうという話をしていて、しっかりやり切ろうという意識を持っていました。
自分はFWをやらせてもらっているので決めなければいけないし、DF陣は1点で抑えてくれたので、やっぱり前の選手が追加点を取らなければいけなかったと思います。

●菊池大介
勝ちたい試合でした。自分たちのよさは出せたと思うし、相手に比べても攻撃のチャンスはあったので勝ちたかったです。
自分たちのよさを思い出してそれをしっかり発揮するということプラス、相手のことを把握して強みをみんなで消していくということを練習からやってきたので、先制点は奪われましたけど、今日はそのあとで自分たちのサッカーができたことはプラスに捉えたいと思います。
結果が出なかったことは残念ですけど、やろうとしたことややれたことは次に繋げたいと思います。