監督・選手コメント
J1第5節 湘南vsFC東京戦 監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
おつかれさまでした。
今日は負けたにもかかわらず、最後、本当にたくさんの声援をいただいたサポーターには感謝したい気持ちでいっぱいですし、勝ち点3が取れなくて、1も取れなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ただ、今日出た選手には、この前の広島戦同様、感謝の気持ちしかないです。我々がやらなければいけないことを、ほぼ大部分はやれていたと思います。残念なのはゴールが足りなかったのと、ひとつ、我々が警戒していたところでやられてしまったというところが、J1の厳しさかなと思います。
逃げまわってその厳しさを感じたのではなくて、相手に対して仕掛けていってその厳しさを感じたと思います。選手も終わったあとすごく悔しそうでしたし、その反面充実した顔をしていました。
プロの世界だから、負けたら何も残らない、とは思いますけど、ただプロの世界といえども人間がやっていることなので、今日彼らがそれこそJ1の経験がたくさんある選手、代表選手と思われる選手に堂々と勇気を持って向かってくれた、その気持ちには本当に「ありがとう」という気持ちと、「こういうふうにできるんだ」ということを改めて思った、何かこう謝罪というか「すいません」っていう気持ちが半分半分かなという感じです。
今日はミーティングでブンデスリーガの話をしたんですけど、ドルトムントとメンヘングラッドバッハの試合とか、レヴァークーゼンとマインツの試合をちょうど昨日の夜中にやっていて、お客さんが20000人とか25000人しか入らないスタジアムでも、ノータイムフットボールというか、攻守の切り替えが多くてお客さんが喜ぶ場面が増えるということ試合を目の当たりにして、いつも言ってますけど、今日は相手に勝つことと、やっぱりそういう選手たちに少しでも追いつく、そういう気概をもってやらなきゃいけないという話をしました。
実際に相手に勝つ気持ちでやってくれた。もうひとつはスプリントの数ですよね。彼ら(ブンデスリーガ)に比べてうちは1試合で40本くらい少ないんですけど、まだトラッキングデータは見ていないですけど、今日はすごく多かったかなと。ただ、そこでパスミスがあったり、最後のシュートミスがあって得点にはつながらなかったですけど、だからといって走るのをやめちゃったら我々の良さは何も出ない。本当によくやったというか、すごく良いゲームになったなと思います。
東京のフィッカデンティさんがどういうふうに言われたかはちょっと聞いてないですけど、僕は監督としてはそう思ってます。
自分たちのチームを監督として責任をもって見るときに、皆さんや周りの人がこのチームはこういうところが良くない、こういうところがまだ足りないというのは簡単だと思います。でもやっぱり彼らの足りてるところ、彼らのいいところをやっぱり引き出してあげるっていうのが僕の、というか監督の一番の仕事だと思っています。
そのいいところも存分に出してくれたと思うし、負けましたけど本当に悔いはないです、一言で言って。ただ残念というか、悔しい気持ちはあります。
●曺監督 質疑応答
–60分ぐらいにとても激昂されていたが、あれは理不尽な判定だったということか?
怒ってたというより、ああいうゲームだったので、あのプレーは、レフェリーがどうこうと言うつもりはないですが、明らかにうちがいい体勢でやったことを止められたことがファウルじゃないと言われたら、お互いに基準が分からなくなる。ベルマーレだけでなくFC東京の選手も分からなくなると思ったから言っただけです。
自分たちの得になるように言ったわけでなくて、あのゲームをしっかりレフェリーと協力してやるときに、ああいうふうに言うのはもちろんよくないと思いますが、僕が見ていてあれがファウルじゃなかったらお互いのチームの選手がその後の時間プレーするのがすごく難しいと思ったので、僕はそういう気持ちで言いました。
あれはたぶん遠藤が相手の選手に当たったところなんですけど、お互いにこれはファウルだったなという気持ちのプレーだったと僕は思っています。もし間違っていたら、レフェリーから言ってもらえれば僕も謝るけど、そういったものだったので、決して自分たちが不利になって言ったわけじゃなくて、これだけお互いにいい試合をしようという気持ちがあるのに、その判定の基準でお互いが足が止まっていたり、そういうところでストレスを感じるのは空しい感じがしたので。すみません、お騒がせして。
–フィッカデンティ監督が会見のなかで、曺監督は熱いハートの持ち主で称賛したいと述べていたが、そう言われることについては?
いや……たぶんお世辞が7割8割だと思っているので。でもフィッカデンティさんがやってきたことをしっかり忠実に全員がやっているような印象だったので、僕は彼らの戦う姿勢も、我々が戦う姿勢と同じくフェアに戦ってもらったと思っています。相手の監督さんから僕というより、うちの選手たちに対して湘南はフェアに戦うなと言ってもらえるのは、本当にに言ってもらってるという前提で言うと、すごくうれしい話です。
僕も今日の試合でまた学べることもあったので、電話でもしようと思います(会場笑)。
–失点の場面、警戒していた形の具体的な指示と、武藤選手の印象は?
彼はおそらく去年FC東京に入って試合に出て代表まで上り詰めた、非常にいま勢いのあるというか、前に仕掛ける力のあるすごくいい選手だと思います。
あの形はビデオでも見せて警戒していたんですけど、その他オープンプレーについてはほぼ武藤くんのストロングを出させないような対応をうちの選手はよくやっていたと思う。あの1回のあのプレーで、よくそれが台無しになると言うんですけど台無しにはならなかった。
ただ、彼の得点に対する嗅覚があらためてすごくあるなと、本当にいい選手だなと思いました。ただ、それに対して我々の選手がビクビクして彼を止めようという気持ちがなくてやられたわけではないと思うので、また出直すいいきっかけにしなければと思います。
–フリーキックなどにいろんな工夫が織り込まれているように見えたが、何か働きかけたのか、選手がやり始めたのか?
いつもこういうふうに崩していこうという話も含めてやっていますが、選手がその場で判断してやるようなこともありますし、選手の判断を奪わないように準備はしているが、セットプレーもオープンプレーもサッカーの一部なので、そこで点を取って点を取られないチームはたぶん上位に行けると思いますし、そういう中で、僕とスタッフと一緒になって一番いいのは何かなと思う気持ちを毎日準備して、別にそれが出る出ないに関わらずやっておくことで、努力が何かに繋がればいいなと淡い期待も含めてやっているんですけど。いいところでもらったりもしたが、誰か触っていたらという場面もありましたが、ちょっと残念でした。
●マッシモ・フィッカデンティ監督 総括
今日の試合はまさに予想していたとおりのものとなりました。走力を活かして前からプレッシャーがくるということは分かっていましたのでセカンドボールをとるということが重要だと思っていました。
そのあたりを選手たちは完璧に対応してくれたと思うし、チャンスも多く作っていた。選手たちのアプローチは完璧だったと思います。
後半になってからよりスペースが生まれた中で得点ができ、さらに2点3点を狙えるようになった。守備陣は本当に素晴らしいプレーをしたと思いますし、勝利にふさわしいパフォーマンスだったと言えると思います。
それから、湘南の監督のことを本当に賞賛したいと思います。熱いハートの持ち主で私は本当に好きなタイプの監督ですし、湘南の選手たちも見て分かりますが、彼らに敵対する相手はなかなか簡単には勝利を勝ち取ることは難しいのではないかと思います。
●マッシモ・フィッカデンティ監督 質疑応答
–攻守の切り替えについて
私たちのチームの特徴として常に攻守のバランスがとれているというところがあると思いますが、前線からしっかりいっているときも背後にはスペースを与えないということもできている。そういった中で前半の15分から20分くらいは苦しい時間があったんですけど、その中でしっかりボールキープをして自分たちの時間を作ることで、自分たちがゲームをコントロールしていく、と。狙い通りのサッカーができたと思います。
–武藤選手の評価を。またチェルシーにいくことになったらプレミアリーグで活躍できると思うか?
このニュースが出た時にこの話は一度しましたが、彼は今から2年前はほぼプレーしていなかった選手でしたが、ただ彼を最初に見た時に素晴らしいクオリティやフィジカルの強さを持っていることを感じましたし、最近ではテクニカルな部分も向上してきていると思います。様々な形でゴールを決めていると思いますし、そういった意味では非常に成長していると思います。
去年からの1年間、しっかりトレーニングを積んできて、仲間との連携であったり、この7ヵ月、8ヵ月で信じられないような成長をしていると思います。
プレミアリーグに行くのか、どこの国のリーグにいくのかはまったく分からないですが、もしチェルシーに行くことになったとしても、彼は適応できるだけの賢さを備えています。特にグラウンドの外の部分ですね。その対応は難しいと思いますが、彼ならしっかり適応できる能力を持っていると思います。
今日のプレーを見て分かったと思いますが、非常に集中ができている。チームがやっていることに対して本当に集中できているので、この調子で続けていってくれることを願っています。
【選手コメント】
●遠藤航
いいゲームができたとは思いますが、最後にやられてしまったところは自分たちの課題ですし、ああいうところでやられるのがJ1だとも感じました。ただ、下を向く必要はないということを監督にも言われましたし、僕らのサッカーを続けて結果を残すしかないと思います。すぐに試合があるのでそこに向かっていければと思います。
(意識したことは?)裏への飛び出しをまずしっかり抑えることとくさびに入った時は僕たちは3枚なので一人いって一人はカバーということはシンプルですけどしっかりやれたかなと思います。
前線の選手に起点を作らせないような守備は意識していましたし厳しくいくとうことは自分の中でテーマにしていたので、後ろ3枚やボランチの選手と協力してやれていたとは思います。
(試合途中のポジション変更については?)シャドーの位置でしたが自分のところでうまく起点になれればというのとしっかりボールを収めることを意識しました。クロスを上げてもらって中で勝負するというところがもう少しできればと思います。
こういう相手に対して、カウンターもそうですが、しっかりボールを動かしながらチャンスを作っていくということは自分たちのやるべきことだと思います。前にいきながらもそれが無理だった時にどうやって崩していくかということを考えてやっていかなければいけないと思います。
●永木亮太
あの1点に関してはさすがだったと思います。ずっと止めていたんですけど、90分間通してそれができなかったというのは武藤選手のよさであったり自分たちの甘さだと思います。抜け目なくやっていくことが大切だと感じています。
チームとしてのレベルアップはすごく感じています。個人もそうですが、チームとしての戦えるレベルというのが2年前のJ1とは違うので、今日の試合もすごくいい試合でしたし、本当に紙一重の差だったと思います。こういう試合をものにできていれば、もっと自信がついてさらにレベルが上がっていくと思います。
本当に勝ちたかったですが、いい負け方だったと思います。それを次に必ず繋げて、次で勝点3をとることが大事だと思います。
●菊地俊介
自分の中では手応えのある試合だったと思いますし、チームとしても相手のストロングの2トップのスペースをうまく消すことができて、そんなに危ない場面も少なかったと思います。負けたのが信じられないぐらいの感じですけど、そういうところで決めてくる、ワンチャンスで決めてくる力はレベルの高いチームにはある。悔しいです。
(反省点は)相手が攻め残りしているなか、セカンドボールを拾わなければいけないというところで少し僕は後ろに重心が重くなっていたのかなと思う。チャンスのときにもう少し前に絡むシーンが欲しかった。やはり相手は堅かったので、もう少し攻撃に枚数をかけて、というのはやりたかったです。
次もホームでできるので、今日の前半のように最初から自分たちのサッカーができるようにやっていきたいです。
●大竹洋平
なかなかいい形でボールを受けることができなかった。相手は戦い方としてすごく堅いチームだと感じました。
(古巣相手だったが?)自分が成長した姿を見せることはできなかったと思うので、結果も含めて今日は悔しい気持ちが強いです。
うちはすごく走るチームなので、もっとそういうところをやっていかなければ試合にずっと出続けられるようにはならないのかなと思います。スタートから出たいという気持ちは強かったですけど、もっと走れるようにならなければいけない。
自分の長所を出しつつ、監督が求めるものをもっとできるようにならなければスタートから出ることはできないと思う。途中からでも自分のやるべきことをしっかりやらなければいけないと思っています。