監督・選手コメント
J1第3節 湘南vs仙台戦 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺貴裁監督 総括
お疲れ様でした。
開幕戦に続き、1万人を超えるお客さんに来ていただいて、本当にホームゲームの雰囲気を醸し出していただいたサポーターに勝点3を届けられなくて残念な気持ちでいっぱいです。
仙台さんのやり方というのは、試合を見て、ある程度頭に入れて彼らのストロングなところと、やることというのが、今日の試合も同じように出たかなという感じはします。我々はその中でカウンターアタックとか相手の嫌な所でボールを動かすというところを、選手もしっかり実践してくれたと思いますが、こじ開けられなかったなと気持ちでいっぱいです。
昨年、我々が勝っていた時は、1試合の平均でペナルティに入る回数が20回、ゴール前30mに入ってボールに触る回数が50から60ありました。その数はJ2の中で多分一番だったと思います。
ここリーグ戦の2試合は、それがペナルティに入る回数で言うと10回くらい、30mについては40から50くらいとそんなに変わりはないですけれど、やっぱりペナルティエリアの中に入らせてもらえない、入っていけないという力がJ1とJ2では非常に差があるなと思っています。
そこのところは、今日は前の2試合よりはある程度入ってチャンスを作れましたけれど、まだまだ最後、崩し切って点を取るところとか、少しアバウトな攻撃…と言うか、偶然でそういうチャンスが作れた場面がありましたけれど、もっともっと意図的に、偶発的じゃなくて自分たちのコンビネーションを使ってってところを極めていくための途中の段階かなという感じが、今試合が終わってしています。
うちのチームは今日初めて今季出場した島村を含めて、全員で同じフットボールを共有しようと。それは良い悪いじゃなくて、我々が次に進むためにこういうサッカーをやっていくんだという強い意志を持ってやっていくのが一番ストロングだと思っています。
そういう意味で、過去リーグ戦2試合、ナビスコカップから我々が良かったところ、悪かったところというものを3試合まとめて学べたところがある。
今日は見てるお客さんと我々がやっているフットボールが同じ空気感を出せるように、期待感と我々がやりたい感が一体となれるような、そういうサッカーをしていこうという話をしました。選手は良くはやってくれたと思います。ただ、この試合でやっぱり勝ち切るということが出来ないのは、僕の采配も含めてまだまだ、僕自身も勉強しなきゃいけないと思いますし、やっていかなければと素直に思います。
でも今、ロッカーで言ったのは、この勝点1が最後に自分たちの力を証明するにあたって、非常に大きなものになる、そういうつもりで切り替えてやってもらいたいし、課題はいっぱいあるけど悪いところは別になかったという話をしました。
だから、我々の持っている力、今いる選手がやろうとすること、足を止めないで最後までというところで言うと、十分仙台さんを上回れたところもあるので、それで満足してはいけないですけども、この結果を含め明日から選手と一緒に成長していきたいと思います。
●曺貴裁監督 質疑応答
–仙台は湘南のスタイルを消すために、前半かなり特殊なことをやってきたと思うがどのように対処しようとしたか?
ナベちゃん(渡邉監督)にそこまでしなくていいよと思いましたけど(笑)
渡邉監督もとても勉強熱心で、勝負に対するこだわりというのも強く持ってやっておられるのも見ていてわかっていました。昨年練習にも来てもらっていろんな話をし、我々の世代が頑張っていこうという話もしていました。
仙台さんは仙台さんの考え方で、一番試合に勝てるための選択をされたんだと思いますし、それをどうこう言うつもりはありません。
でも僕の中では予想通りというか、予想の範囲内でした。アウェイだし、ケガ人も戻ってきたばかりとかそういう部分もあって今日は堅い試合になるんだろうなと思っていました。
ただちょっとカウンターアタックで入れ替わられそうになった時、ちょっとやり切れないところがあったんですけど、あそこでひとつ取れればもっとオープンになって我々のリズムになったかなと思います。あのあたりのクオリティはまだまだですね。
ただ、前にいこうとする力というのは十分、仙台さんのブロックを苦しめるというか、脅かすところまではいったと思います。結果が惜しかったかなと思います。仙台さんの非常に堅いブロックは、びっくりしたというよりは、そこまでしなくていいよと思いながら、予想の範囲内でした。
–今シーズンの4試合目で3試合はいろんな形があって今日を迎えた。今日のようなやり方をしてくるチームも出てくる中、やっかいだなという印象か?
やっかいとは全然思っていません。去年のJ2でもたくさんあったので。
J1に上がって、去年の結果もあって周りの期待値が2年前より上がっているのはすごく感じます。それは選手に対しても。その中で、浦和戦で張り切りすぎてしまって、最後にエネルギーが枯渇したようなところがありましたので、しっかりいいゾーンに入って試合をしようと、鹿島、甲府、今日の仙台と試合をしてきました。その4チームはどれも違うスタイルでしたけど、自分たちのやるべきことを出せない試合に、なるべくならないように。出させないようにされても、それが消えていかないようにと思っていました。
今日でいうと、相手がブロックをしくからアウターでずっとパスをまわしていて、10本パスが繋がって1点取るというのはサッカーではあり得ないので。あそこの隙間にボールを入れて、洋平(大竹)が何回かターンしてチャンスを作ったり、俊介(菊地)がドリブルで運んでワンツーを狙ったりとかありましたが、それをしていかないとチームとして、対策をとられた相手に何もできませんよ、となってしまうので。それは選手がいるとかいないとか、最後ストライカーに任せて点を取るということではなくて、全員がそれをできたほうがいい。リトリートされても、自分でそこに持ち運んでいく勇気を持ったほうがいい。そして相手がオープンになったらカウンターで取る。それがサッカー選手として大事なことだと思う。
今日は選手も勉強になったかなと思います。僕自身ももっともっと考えるきっかけにしたいなと思います。
–ブルーノはチームにフィットしているか?
まだ時間が少し短いのと、ブラジルとのテンポの違いなどあると思いますが、馴染もうと一生懸命やってくれています。
馴染んでるか馴染んでいないかというのは…じゃあ次の試合で2点取ったら馴染んでると言われるし、ゼロだったら馴染んでないと言われるしそういう世界なので。
●渡邉晋監督 総括
アウェイの平塚までたくさんのサポーターに来ていただき感謝申し上げます。アウェイとはいえ、サポーターに勝点3を届けたいゲームではありました。
ゲームプランとしては、粘り強くしっかり守備をするということは我々の共通理解としてありました。そこからカウンターでどう仕留めようかというトレーニングもやってきたつもりです。
連戦の影響もあってか、奪った先の出て行き方、パワーというものが足りなかったのかなという反省点があります。それはもちろん戦術的な部分もありますし、フィジカル的な部分もあります。今日、いい教材を湘南さんが与えてくれたのでそれをしっかり修正していければ、この先のシーズンにいいものを表現できると思っています。
●渡邉晋監督 質疑応答
–湘南は以前対戦した時と変化はあるか?
当時から非常にアグレッシブに戦うという印象を持っていました。去年の快進撃も見ていましたし、そういったチーム作りをされている曺さんのところにも勉強させてもらいに行きました。今日実際に戦ってみても、非常にいいチームだなと感じています。
–昨年、湘南の練習を見に来られたということだが?
昨年のワールドカップ期間中、お邪魔させていただきました。その時は曺さんはじめスタッフの方々、フロントの方々にも大変お世話になったので感謝しています。
–菅井の交代理由と代わって出た蜂須賀のプレーについては?
菅井はふくらはぎの負傷です。試合の前から少し違和感を訴えていたんですけど、本人からダメだという合図があったので交代しました。急だったにも関わらず蜂須賀も無難にプレーしてくれたと思います。彼には彼のよさがあって、菅井と同じようなプレーは要求していませんし、しっかり守備から入ろうといった話の中で慌てずにプレーしてくれたと思います。
–無失点だったDF面の評価は?
アウェイで勝点1をとって帰るということはポジティブにとらえています。ただ隙を突いて勝点3を取るチャンスというのはありましたし、もっともっとそういう場面を作り出せればと思います。チームでしっかり反省していきたい。
–展開は狙い通りだったと思うが、前半のプランはどんなものだったのか?
前後半通して、まずはしっかりとした守備から入ろうと。そこからカウンターで奪っていこうという話を選手ともしていました。湘南さんの一番の強みはカウンターアタックだということは理解していますが、我々が攻撃しているときのリスク管理と、逆に湘南さんにボールを持たせることでゲームをコントロールしているんだという話もしていました。
前半のみならず、90分間通してそういう形でゲームを推移できたと思います。
–ハーフタイムに球際と切り替えと走力で負けないという指示に切り替えていたが?
ハーフタイムでそのように話をしたのは選手に前向きになってほしいという思いがありました。前半、押し込まれすぎたということは理解をしていますが、相手に持たせていることで我々がコントロールしているというところを今日は選手にはしっかり理解をした上でゲームを戦ってほしかった。押し込まれていてまずいぞとハーフタイムに言うよりはこれは我々のゲームコントロール下にあるというポジティブな働きかけであえてそういう言葉を使いました。
球際、切り替え、走力という部分は、今日相手に勝ったかというとそれはないと思います。それは選手とも話をしていますし、私も感じているところです。
【選手コメント】
●永木亮太
勝てなかったことは非常に悔しいです。90分間を通して自分たちのスタイルを出せたとは思いますが、今日は内容と結果の両方を出すことを求めていたので、全然満足はできない。ただ次に切り替えてやるしかないと思います。
攻撃に移った時のちょっとしたパスのズレとかボールを失ってしまうところとか、まだまだそういうところが自分たちの足りないところだと思っているので、そういう部分を追及していきたいと思います。
(あれだけ引く相手に苦労したところも?)あそこまで引いてこられると最後の部分で取ることは難しかったですけど、でもそこで取れないと、もう一段階上がっていかないと思うし、結果を出せなければ一昨年と同じことなので、こういう試合でも勝ち切ることが大事だと感じています。
●菊池大介
相手は割り切って戦ってきたと思うし、そこをこじ開けられなかったということは非常に悔しい。個人としてはもう少し落ち着いて、冷静に試合に入れればよかった。ただ、守備は粘り強くゼロで押えましたし、チームとして試合に向かっていく気持ちの部分や試合の入り方は悪くなかったと思います。
シュートにもっていくチャンスはありましたが、シュートでやりきれなかったりいいシュートがいかなかったり、そういう部分はやはり悔しいし、もっと積み重ねていかなければいけないと感じています。
拮抗した試合や引いた相手の時に勝ち切るためには、個人の力も重要だと思う。チームプレーやチームとしてして守備、攻撃をすることはもちろんですけど、個人でこじ開けたり、個の力で持っていくというのは大事なところだと思う。自分はそういうところを得意としているので、J1で結果を残すにはそういうところを反省して、もっと突き詰めていかなければいけないと思っています。
●高山薫
無失点というのはよかったと思いますが、僕、大槻、洋平(大竹)など前の選手がしっかり点を取る仕事をしなければいけなかったと思います。
(途中からワイドになったが?)どちらもやりやすいです。ボールが出てきたらチャンスになるところもあったと思う。あとはもらってどう崩すかだと思います。
(ここまでのリーグ3試合で手ごたえを感じたのは?)3試合通じて、やれるという手ごたえはありますが、どの試合が一番ということはないです。最初の1、2試合があったから今日の試合があったと思います。
一人ひとりが自分が決めたいという気持ちでやらなければいけない。誰かがやってくれるだろうってう気持ちでは最後のところの迫力は出てこないと思うので、自分も含めて練習からそういう気持ちでやっていけたらと思います。
●大竹洋平
こういう試合で勝ち切ることができるチームが強いチームだと思うので、そこは次に向けてしっかり修正して取り組んでいきたい。
個人的には今日の試合でやれるという自信はつきました。ここまでの3試合はすべて展開が違っていて、僕はずっと試合に出続けたシーズンがないので、相手によって本当に違うんだなということをすごく感じます。やっぱり試合に出続けたら、まだまだ成長できるんじゃないかということも感じています。出続けてしっかり結果を出せるようにやっていきたいです。
●島村毅
アウェイで難しいゲームだったら0-0でいい時もあるかもしれないですけど、やはりホームだったので、ラスト10分走り勝って得点を奪えたらと思っていたので残念です。
(セットプレーについては?)日頃セットプレーの厳しいトレーニングもやっているので、しっかり守れたと思いますし、守備で怖さは感じませんでした。攻撃ではチャンスも多かったので、もっと迫力をもって入って僕自身も得点を奪いたかった。
(DFの攻撃参加については?)うちの3バックは攻撃参加するスタイルですし、追い越すところやカウンターで絡んでいく部分は意識しています。スプリントの部分でもっともっと回数を上げていけるようにやっていきたいです。