監督・選手コメント
J2第39節 湘南vs群馬 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。あとホーム残り2試合ということで、今日は雨模様でしたが、連敗しているにも関わらずたくさんのサポーターの応援をいただいて本当に感謝しています。
優勝や昇格を決めた後の、まぁ今日をもって難しいというのはやめようと思っているんですけれど、選手が自然に、闘志に火が付くというような状況に持っていくことに、ちょっと時間がかかりました。
今日は内容的なもので課題はいくつかありますが、前節、前々節のちょっとふわっとした、地に足がついてないような感じがだいぶ消えて、少しらしさを取り戻したかなと思います。
ただ、全体的にそれがすごく良かったかというとそうも思っていないので、この時期のこの試合をどのように過ごすかというのは、本当にこう選手自身が自分の心に鞭打ってやっていかなきゃいけないような状況だと思います。そういう中では、最後押し込まれるような場面もありましたけども、我々は圧倒して勝つこと、例えば相手に強いなと思われて勝つというのを目指していますけど、そうじゃない、やっぱり相手がクリーンファイトしてくると、そういう展開にはならないので、そんな中でもゼロに抑えたというのは良かったと思います。
選手に今日、話したのは、今2位の松本さんも磐田さんも多分、おそらく今年連敗は2回しかしていなくて、2連敗以上3連敗で優勝チームが生まれてるっていうのは、本当に恥ずかしいことだと。ここは何としても勝たないといけないっていう気持ちを強く持ってやってくれという話をしました。そのチームに対する忠誠心とか勝点3に対しての欲っていうのは、過去2試合よりあったと思いますが、やっぱりアタッキングサードでの最後の崩しというところでいうと、今日は2点3点取らなきゃいけない場面がたくさんあるので、あそこを取れるようにならないと、最終的には来年のことを考えても良い位置に行けないと思っています。
そこはこの3試合を通じてまた選手たちが成長できるようなアプローチをしていきたいと思います。
今日、2位の松本さんが勝って昇格を決めたという話を聞いたんですけれど、松本さんの今年の躍進は我々としても参考になることがあったので、特に反さん(反町監督)はこれで3回目の昇格だと思いますけど、さすがだなと思っています。こんなところで言うのは何ですけど、おめでとうございますとこの場を借りて言いたいと思います。あとでちょっとメールでもしようと思います(笑)
●曺監督 質疑応答
–後半開始から2人交代と、早い交代だったが?
ちょっとアクシデントというか、すこし筋肉的なトラブルがあったので早めに代えたというのが正直な理由です。べつに悪くて代えたわけではないということです。
–前半の終わりぐらいから武富選手が裏へ飛び出す動きが多くなっていっていい流れに繋がったかと思うが
今日攻撃の崩しに関してはそんなに悪くなかったかなと。裏に出ていくところ、そのサポート、クロスからたとえばミドルシュートとかバリエーションがあったが、PKの1点しか取れなかったので、そのへんはちょっと残念だなという想いはありますが、我々はゴールを必然で取ろうというか、練習してきた形で取ることを目指しながら、偶然のゴールはもちろんありますし、セットプレーのゴールも必然とも偶然とも言えますが、そういうところを目指して練習してきている。そこに関しては形的には悪くなかったが、クオリティ、精度の問題は残ったかなと思います。ただ、今日のシチュエーションでこの試合で全部が全部よくなる可能性が高いかといえば、そこはすこし振り幅をもって見てあげなければいけないと思っているので、きょう勝ったことでさらにそういうよさを加速できるようにまた選手と協力してやっていきたいなと思います。
–ハーフタイムのコメントで「スイッチを入れて」とあったがこのスイッチとは?
我々は自分たちが休むイコール、相手に守備の呼吸を整えさせるという理屈があるので、要は速く攻めきれる時は速く攻めきれ、と。守備から攻撃になった時に早くスイッチを入れろ、と。電気がつくかつかないかの状態にするのではなく、パッとついた状態で攻撃しなければいけない、と。
それは相手にとっては休めない。「あー、取られた」って休んでる隙に一気に攻撃してしまう。今日、何度かカウンターでいいチャンスがあったんですけど、あの攻撃ができて、帰陣が早ければ早いほどボールを動かそうということをずっと言ってきている。今日の前半、悪くはなかったんですけど、取った時に横パスやバックパスで逃げてしまって、相手の帰陣の余裕を与える場面があった。常にスイッチを入れ続ける。守備、攻撃のよどみない流れをピッチの中で作ってもらいたいという表現をしました。
スイッチが入らない試合ってありますよね、なんとなく。この試合なんだかつまらないなぁとか、どっちが優勢でどうしたいんだろう、みたいな試合になるのは我々のリズムではない。
スイッチ入れる時に数的優位を作る。スイッチを入れた時に1対1で仕掛ける、スイッチ入れられないならボールを動かす。そういうリズムをもう一度思い出して、という話をしました。後半はその意識はそんなに悪くなかったかなと思います。
–守備のところでボールを奪った後に奪われてピンチになることがあったが?
そこはちょっと難しいところで、亮太(永木)と航(遠藤)には話したんですけど、ああいう流れの時に一度シンプルに流れを切っていくプレーも入れて行ったほうがいいんじゃないか、と。僕が「そうしろ」というのは簡単なんですけど、それは彼らが判断することなので、危ないと思ったことをその都度僕が指示することはできないので、その判断は尊重してあげたいなと思います。
ただ、外から見ていて、1、2回つづいたその後のプレーはもうちょっとシンプルにやってもいいんじゃないかなと思うプレーはいくつかありました。でもそれは、サッカーの世界に正解はたくさんはないですけど、その中に定石みたいなものがあって、その定石じゃなかったプレーが1、2回あったなと思います。でもそれは定石なのか常識なのか。今まで常識だったけど、非常識がいい場合もあるので。世の中そういうものですよね。だからそういうところで、自分たちなりに答えを出していってもらいたい。それを自分たちの基準にする。僕らが助けることも仕事なので。一概に、あれがよかった悪かったと判断するのはよくないかなと思っています。
●秋葉監督 総括
この連休で雨のなか、大きな声援を最後まで我々に送り続けてくれたサポーターにはほんとうに感謝しています。誰が見てもタフなゲームで、非常に両チームともアグレッシブに戦っていたなかで、前回湘南さんと対戦したときはホームで球際や切り替え、走力で圧倒された部分があったが、そこでしっかりとした準備や成長の度合いを見せられたかなと思います。ただこの紙一重のタフなゲームを勝ち切ることを我々は今季ずっと、去年残留争いをしたことを踏まえて、1年間言い続けてトライしてきたが、残念ながら今日も最後勝点3を手にしたのは湘南さんだった。なかなか1年を通して、いいゲームはできているが、しっかり勝ち切る強さやタフさ、ずる賢さがまだまだ我々には足りないなとあらためて感じさせてもらえるゲームになりました。これができる湘南がチャンピオンになっていて、そこでいつも負けてしまう我々は下位にいる、この差が順位を物語っているとあらためて今日感じました。ただ残り3試合ありますし、我々は幸運なことに2試合をホームで行なうことができますので、またしっかりと顔を上げて、最後の最後まで自分たちのやってきたことを出す。そのうえでこの際どいゲーム、タフなゲーム、難しいゲームを勝ち切るだけの図太さやたくましさ、勝負強さをしっかりまた準備したい。ジュビロという格好の相手と出来ますので、そういった面を見せて、なんとしてもホームで勝利の歌をみんなと一緒に歌いたいと思います。
●秋葉監督 質疑応答
–前回の対戦と湘南が変わったところは
湘南スタイルというぐらいでアグレッシブでタフに前に前にひともボールも出てきますし、プレッシングも前から来るスタイルは変わってないと思います。我々が唯一付け入れる隙とすれば、優勝を決めた難しい状態で湘南さんはプレーしている。システムや選手も含めていろんなことを考えているんだろうなと、もちろんそうではないかもしれないが、映像を見ているときに我々はそういう印象を受けていたので、唯一付け入る隙があるとすれば優勝も決めてある程度ホッとしているところかなと思ったが、2連敗しているなかでホームに帰って来て、やはり負けるわけにはいかないという湘南のうごい気迫を感じたし、正直言うとこのまえ2試合3試合見たゲームよりもより迫力が出ていると感じました。プラス、ウェリントンや永木という中心選手が帰ってくると湘南はよりパワーが増すんだなと思っていました。ただそのなかで、本来の湘南が戻ってきたなかで、これだけタフなゲーム、これだけの一進一退のゲームができた。もちろん押し込まれる時間帯はありましたが、そのなかでしっかりと我々らしく走り切って90分間最後まで足を止めることなく湘南のゴールに迫って脅かしたということに関しては選手の成長を感じていますし、またうまくなっていると感じます。ただ最後逆転しなければいけないので、差は縮まったと思いますが、ひっくり返せる、追い越すところまでは残念ながら結果が示す通り行けなかったなというのが正直な感想です。
–差とは具体的には
最後のところでゴールを決めるとかラストパスを通すとか、最後のところで自分のマークを捨ててでも危ないところを消しに行くとか、ゴールを奪うスポーツなので、どんなに終盤までいいプレーをしてもゴール前での精度や駆け引き、ずる賢さ、インテリジェンス、泥臭さも含めて、最後のところはひらめきやアイデア、サプライズ、クオリティがないとゴールは生まれないし、逆にそこを凌駕するだけの体を張る気迫なりがあると相手がプレッシャーを感じてボールが枠から外れることもあると思うので、そうした最後の差が今回0-1というスコアに、湘南さんは点を取ったが我々は取れなかった。とくに失点したあとのビッグチャンスで我々はあそこ取れていればよりゲームの流れが1-1になれば押せ押せになったなかで我々はあそこで決められなかったというのがこの結果になってしまったのではないか。あそこが今回のゲームのいちばんの綾だったのかなと感じています。
【選手コメント】
●永木亮太
内容はよくなかったし、自分も最後ミスが多くて苦しい展開になってしまったので納得がいくものではなかった。でも(試合が終わって)少し落ち着いたら、今日はなんとしても勝点3を取りたかったので、チームの流れも考えると今日勝点1や0で終わるとこのまま悪い流れになると思っていたので、また来週に向けていい雰囲気で練習できればと思ってたので、本当に今日、勝てたことはよかったです。
本当はもっと相手に何もさせないくらいの試合の流れでもよかったと思うけど、後半の最後のほうは相手のチャンスもたくさんあったのでそこは反省点です。
攻撃の時は、自分のDマークのところが空いてたのでそこでなんとかボールを引き出して絡めたらいいなと思っていました。それはタケ(武富)のPKにも繋がったと思う。相手の状況を見ながらできたとは思います。あとはしっかり枠に飛ばさなければと思います。
優勝が早く決まった中で戦うというのはなかなかない状況だと思いますが、いますごくいい経験ができていると思いますし、シーズンをいい形で終わるか、悪い形で終わるかというのは来年にも繋がってくると思う。今のメンバーでできるのもあと3試合しかないし、せっかくここまで積み上げてきたので、最後まで崩さないで、気持ちひとつにして3試合戦いたいと思います。
●岡田翔平
もっと点を取って勝ちたかった。とくに2連敗してしまったので…前節も前々節も気持ちは入っていましたが、今日はとくに連敗のあとだったので、絶対に勝たなければいけない試合だとみんな想いを強くして、チームとしても一体感が出ていた。
でもその中で決めるところを決めていれば、後半だけで3点ぐらい入れられるチャンスはあったと思う。決めなければいけないという課題が残った試合だと思います。裏への動きが少なかったので、後半スペースを生み出そうと狙っていました。少しはできたと思いますが、最後のところで落ち着いたり、パスの精度を高めたり、足を伸ばしてギリギリで触ったり、勝負の世界で大事なそういうところが今日自分は足りなかったと思います。
●秋元陽太
マイナスのことは考えないようにしていたんですけど、3連敗してしまったら言い訳はできないと思っていたので、内容はあまりよくなかったですけど、ゼロで終われたことはよかった。複数失点が続いていたこともあってやはりそこは意識して臨んでいました。
(雨の影響は?)少しグラウンドがぬかるんでいましたが、あまり意識しないでやっていました。後ろがバタつかないように90分間リスクマネジメントすることが大事だと思っていたし、点がとれないからと言って後ろがバタバタするとよくないので、落ち着かせることを意識しました。
多少ピンチはありましたけど、みんな本当に身体を張ってくれたので、それが浸透してできたことはよかったと思います。
でも残り3試合あるので、もう負けたくはないし、次に向かって練習に臨めたらと思います。
●宇佐美宏和
ここ2試合出ていなかったので、強い気持ちを持って入りました。直近の2試合が早い時間に失点してしまったので、守備の意識も強く持っていました。その面では3バック含めみんなでしっかり守れたと思うんですけど、その先の部分で、後半タケ(武富)がああいう形でPK取りましたけど、流れの中で最後の部分が合ってなかったので、1-0で終わりましたが相手のミスに助けられた部分もあるので、チャンスがある中で決め切ること、追加点を取ることを大事にしていきたいと思います。
自分自身は、身体が重くてまだまだ前にいけない部分がありました。前半は自分たちが押し込んだ時間帯があって攻撃に絡めたところもあったんですけど、後半もっと出ていきたかった。まだまだやることはたくさんあると感じています。
●石川俊輝
周りがすごくサポートしてくれたので、チームメイトのボールを受ける意識とかそういったプレーによってとても助けられました。
縦パスを意識していて、どんどん縦に入れようと思っていました。当てればいいだけじゃなくて当てたあとどうするかということを考えながらやっていました。追い越さないとチャンスはないと思っていたので、行く時・行かない時の判断をしっかりしようと意識していました。
(入る時は?)負けたくない気持ちが強かったですし、自分がそこでチームに貢献できることをしたいと思って入りました。