監督・選手コメント
J2第35節 湘南vs愛媛戦 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曹監督 総括
お疲れ様でした。
2試合前の前々節に昇格を決めて、前節ホームでちょっと最後のところのクオリティとか、最後のところで破っていくっていうところが少し足りなくて、今週ずっと練習してきたんですけれど、立ち上がりタケ(武富)が本当に素晴らしいシュートを決めてくれて、あそこから2点3点て結果的に取れたのは、非常に良い終わり方ができたかなと思います。
今日、改めて選手たちに言ったのは、昇格が決まる決まらないとか、優勝するとかしないとか、そういったこと以上に、ここに集まってくれるお客さんは、お仕事されている人、勉強している人など含めて、ここに来て何かエネルギーをもらいたいとか、何か感動をしたいとか、そういうことを前提にお金を払ってもらえていると。
我々はたまたまチームスポーツをやっていますけど、一人でコンサートをやられているオペラの歌手の人は、どんなことがあっても多分しっかり歌うと思うし、演奏の人はどんなことがあってもしっかり弾くと思う。
プロとして、昇格とか優勝とか、去年も降格が決まってから最後2、3試合やりましたけど、その試合を無駄にしてはいけないと。
もう一度プロフェッショナルだっていうことの意識をしっかり持って、今日の試合をしっかり戦おうという話をしました。
そういう意味では、今の自分たちの立ち位置に満足することなく、足を止めないで攻守に相手より走ることだったりとか、縦にボールを入れ続けて、最後相手の足を止めてとどめを刺すところだったりとか、とどめは刺せなかったような場面は何回もありましたけれど、今日は見ているお客さんがそういう意味で、少しはエネルギーになった試合ができたかなという感じを、手前味噌ですけど、自分の中では思っています。
パーフェクトな試合というのは、ほぼどのチームもどの国もないと思うし、そんな試合は存在しないと思うんですけれども、限りなくそれに近いような試合を今日はしてもらいたいと話しました。
それはこういう状況だからというのもひとつだし、自分たちが次に向かって成長するためには、攻守に隙のない完璧なチームを目指す、それをやろうとする中で、課題が出るのと、「いや、パーフェクトは無理でしょう」と思いながら、課題が出るのとじゃ全然違うと思うので、その話はしました。
それで、頭文字をとって色んな話をしたんですけれども、長くなるので割愛しますけども、一番大事なのはパーフェクトの「P」は「パーソナリティ」だと思っている、と。
戦術があって、それを遂行するのはサッカー選手としてやらなければいけないことなんですけど、例えばその選手が楽しそうじゃなかったりとか、逆にその選手がこういう特徴があるのに、特徴が出せなかったりとか、そういったパーソナリティの無いような試合にはしないでくれと。パーソナリティを感じれるようなそういうゲームにしてもらいたいって話をしました。
例えば大竹が左利きであるとか、3バックの3人はビルドアップが出来るということは彼らの特徴ですし、そういうのを一人ひとりが感じながら、初めて先発で出たアンドリュー(熊谷)も含めてですけど、それぞれの11人と交代で出た3人も含めて、それぞれの特徴、パーソナリティが出た試合になったかなという風に思います。悪い所はもちろんあるんですけれど、そういう風に今思えるのは、監督としてはすごく嬉しいし、やっぱり選手は人間なので活き活きプレーしてもらうっていうことで、それが勝ちに繋がるっていう瞬間は、何物にも代えがたい喜びであることは間違いないです。
●曹監督 質疑応答
–熊谷選手をフル出場させた狙いは?
試合と練習のパフォーマンスを見て先発を選ぶという話をしているので、彼はこういう勝負のかかった試合を今年初めて経験しましたが、彼のことを何も知らないで今日の試合を見るとよくやったかなというコメントはできると思いますが、僕のなかでは彼の今日のプレーは、普通。あれぐらいできて当たり前と思ってもらいたいし、もっともっとということを今日をきっかけに…アイツもそう思ってると思うけど、なってもらいたい。
ポテンシャル、可能性を自分自身で消してしまうのが選手としていちばん不幸なので、可能性をみんな持ってサッカー選手になるわけだから、もっともっと質を上げる、運動量を上げる、精度を上げるということに彼がのめり込んでくれれば今日の試合はひとついいきっかけになると思うので、その意味では彼の将来に繋がる大事な一戦にしてもらいたいなと思います。
–今年唯一負けている愛媛にこういう勝ち方ができたということについては?
愛媛さんもアウェイでやったときは戦い方が少し違っていた感じもあったので一概には言えないですが、あの負けで自分たちが進むべき方向が逆にハッキリした部分があった。
点を取れないからボンボン放りこんでこぼれ球を拾ってミドルシュートを打つばかりでなく、やはり動きのなかで、今日も何回かありましたが、クロスやワンツーで崩していくのを徹底して貫くことが勝つために大事だという話もあのときした。
それを選手自身が表現したいと思ってやってくれていたと思う。とくに負けた相手だったので、そういう気持ちは強かったんじゃないでしょうか。
–前半すごくいいリズムで、とくにバイタルのところがスムーズだったが、昇格を決めたことで選手がいろんなものから気持ちを解放されて気持ちよくプレーしているところはありますか?
それは多分、まったくないと思います(笑)。逆に僕はそういう雰囲気を出す、そういう発言や行動に、極端に目を光らせてるという言い方はおかしいですが、そういうの嫌いなので。
でも逆に言ったら、こういう状況のなかで自分を律して成長しなければいけないという気持ちがシンプルに出たのと、戦術的に、洋平(大竹)があそこでフリーマンっぽく動くことによってパスコースがたくさんできるというひとつ我々のチームのストロングの狙いがあったことで、ウェリントンもタケ(武富)も活かされる。三角形の作り方を微妙に変えて行くことで相手に臨んだが、そこはある程度うまくいったかなと思います。
–後半はウェリントンがトップで完全にトップと2シャドーにしたように見えたが?
特にその指示はしなかったんですけど、ウェリントンが真ん中にいる、大竹が右側にいるとか相手にとっても抑えやすいシチュエーションも何度か出てきているので、ポジションチェンジを頻繁にすることによって、まぁ今年ずっと言ってるんですけど、誰がどこに入るか分からないというか、クロスに合わせているのは3バックの三竿や航(遠藤)だったりとか、最後ボランチの航が入れ替わってシュートを打ちましたけど、そのポジションに決まった選手がいなきゃいけないということじゃなくて、誰でもいいからそこにいて、誰でもいいから後ろをケアする、ということは彼らにずっと言ってきたことです。
そういう意味では、僕が指示したわけじゃないですけど、その状況でウェリントンが真ん中に入って、相手を押し込んで、2点リードしていたので、洋平を慣れたポジションでプレーする、ということは選手自身が判断してやっていたと思います。特に僕がそうしろと言ったわけではないです。
–終盤に石川選手を投入したタイミングで遠藤選手をボランチに上げたが、その意図は?
航は代表でもずっとアンカーボランチをやっていて、その中で自分がボールをもらって当てて、ペナルティエリアに入っていくという動きの手応えを感じていたのは分かっていたので、チームのオプションを増やすという意味でもそうですし、アイツ自身がそこで入れ替わって得点をもう1点取りたいなということがあった。俊輝(石川)はあそこのポジションを途中からでもずっとやっていて安定してやってくれていたので、新たな我々の力を出すパターンとして試したんですけど。
–いよいよ次節にも優勝という感じだが?
そんなに甘くはないと思います。ただ、僕自身もひとつのリーグで優勝って経験したことはないし、うちの選手もほとんど優勝を経験したことはないと思います。
皆さんに期待してもらえるのは有難いし、そういう風に持って行けるように努力をするだけですが。ただ、ヴェルディさんとは、アウェイの試合ですし、監督も代わられて勢いに乗っているところなので、簡単な試合には当然ならない。この1週間の準備が全てだと思っています。
たくさんのサポーターが来てくれるという雰囲気も、今日の試合後にあったので、そこでなんとか普段通りのサッカーに、肉づけをしながら平常心で戦いたい。その上で、そういう瞬間があれば、その瞬間をみんなで楽しみたいと思います。まだやることはたくさんあるので、一生懸命頑張ります。
●石丸監督 総括
開始早々2分にしての失点で、難しいゲームがより難しくなったかなと、あの失点がすべてではないかと思います。攻守の切り替えが速く、なかなか自分たちの前に起点がつくれず、攻め手が見つけられないなかで、前半1回ビッグチャンスがあったが、それをモノにできていればもうすこし違った展開になったのかなと思います。全体的に湘南に比べてサッカーのスピード、すべてにおいてまだまだ自分たちは足りないと痛感しました。こういうチームがJ1に上がるべきだと突き付けられた感じなので、これを糧にして自分たちのサッカーをもう1回確立していきたいと思います。湘南さんは昇格おめでとうございますと言いたいと思います。
●石丸監督 質疑応答
–湘南との差をいちばん感じた部分は?
サッカーのスピード、攻守の切り替えはとくに速いので、頭がついていってないと言いますか、すべてにおいて後手を踏んでいる。相手のプレスが来てから考えますし、湘南さんがすべてにおいて上回っているのかなと思います。とくにそれが習慣になっているのはやはりすごいなと思うので、そのあたりを見習って、僕たちもトレーニング環境も含めてやっていかなければいけない。サッカーが速くなくても技術はつけていかなければいけないと思う。サッカーの全体的な頭のスピードもついていってないと思います。
【選手コメント】
●遠藤航
3-0で勝ったということには満足していますけど、欲を言えば自分も含めてまだ得点するチャンスはありましたし、陽太さん(秋元)が何度も活躍してくれましたが、崩された場面やボールの失い方、最後のDFラインの対応も含め、失点してもおかしくない場面があったので、最後もっと詰めていかなければいけないのかなと思います。
(疲れは?)代表の疲れは今週で抜けたので問題ないですし、しっかり入れたと思います。あの時間にボランチになるのはけっこうきつい部分もありましたが、何回かボールも奪えましたし、自分のやるべきことはできたのかなと思います。
(代表から持ち帰ったものは?)アンカーとかボランチをやる機会が多かったので、自分のプレーの幅を広げるチャンスだったと思います。どのポジションも同じレベルでプレーできるようにしていければと思っています。
(熊谷選手とのボランチは?)アンドリューもすごく人にいけるし、ボールを奪ってくれる。アンドのよさは分かってるし、アンドも僕のよさは分かってくれているので問題なくコミュニケーションをとれてやれたと思います。
(優勝に向けては?)次の試合で、自分たちの力で優勝を決めることができるので、また1週間いい準備をしていければと思います。
●丸山祐市
勝てたことはよかったですし、リベンジを果たせたことはとてもよかったですけど、何回か危ないシーンもありましたし、得点できるチャンスもあったので、そういうところをもっともっと突き詰めていきたいと思います。
今日に関しては僕は全然ダメで、パスミスも多かったですし、守備もすこしあたふたする場面があった。相手のボランチがうまくターンして、ぽっかり空いているところに対して誰が行くのか、縦パスで簡単に前を向かせて裏を突かれるとか、簡単に前を向かれてパスを出された場面が何回かあった。そういうところが決定的な場面に繋がると思うので、ピッチのなかで修正できればよかった。
(次節は優勝がかかるが)今日、本当はホームで優勝を決めたかったが、つぎ勝てば自力で優勝だと思うので、しっかり勝ちたいと思います。
(3点目のアシストについて)岡ちゃん(岡田)がいい動きをしてくれたので、あのパスだけはよかったです。ほんの少ししか見えなかったけど、ちょっと動き出したので、あそこに蹴ればなんとかしてくれると思っていた。いままでも何回かありましたが、僕がちょっと遅くてオフサイドになったこともあったし、やっといいパスを送れて、岡ちゃんも決めてくれたのでよかったです。
●秋元陽太
早い時間に先制点を取れて、ピンチは多かったですが2点目、3点目と取れた。4点目5点目を取れればよかったと思うし、そこはしっかり反省したい。今日はちょっと取られ方が悪くてそこからショートカウンターなどピンチが多かったと思います。セットプレーでもちょっと触られてしまったりという反省点もあるので、そこはしっかり映像を見て反省すべきところは反省して、次節そういうことがないようにしっかり臨んでいきたいと思います。
(次節は優勝がかかるが)毎試合同じ気持ちで臨んで自分たちのサッカーを90分貫くことが大事。それを貫いたから結果が出てくると思うので、次の試合は大事ですけど、特別何かをしなければいけないとか意識しなければいけないということはないと思う。いつも通り臨めば自ずと結果は付いてくると思います。
●熊谷アンドリュー
チャンスをもらうことができて、最初から出られたことはよかったんですけど、自分自身のプレーについては納得のいくものではなかった。せっかくチャンスをもらっているので、積極的に、もっともっと上を目指したプレーをしていかなければ、曹さんにも申し訳ないし、自分のレベルアップにも繋がっていかないのかなと感じました。
練習からもっともっと突き詰めてやって、選手としてレベルアップできたらと思っています。
(反省点とは?)簡単に下げてしまった場面もあったし、もっともっとボールにかかわって自分の特徴であるラストパスやサイドチェンジ、キックの部分をもっと見せられればよかったと思います。やはりゴール、アシストといった目に見えるものがほしかったというのが正直なところです。
●岡田翔平
もう1点取れたと思うので、そこが自分がもっと突き詰めていかなければいけないところだと思います。
祐市(丸山)が入れてくれたボールが本当にいいボールだったし、ディフェンダーも自分のことを見えていなかったのでそんなに難しいというゴールではなかったと思います。とにかく祐市のピタっと合うボールがよかった。自分は触るだけでした。
(優勝に王手だが?)自分たちらしいサッカーをして、個人としては得点に結びつくプレーを出したい。しっかり戦って勝ちたいです。