監督・選手コメント
J2第21節 群馬vs湘南戦 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
この前橋の地まで足を運んでいただき、最初から最後まで声援を送ってくれたサポーターの皆さんが、磐田の時もそうでしたが、本当にホームのような雰囲気を作ってくれました。
その中で、苦しい戦いでしたが勝点3を取れた、この勝点3はサポーターに捧げたいと思います。
今日のプレーのことでいろいろあるんですけど、今日前期が終わって勝点60がとれましたが、JリーグのJ1・J2の中での歴史の中で、最高勝点をとれたと思うんですけど、そこに、悪い時もいい時も、しっかり勝つことで、我々のサッカーを示していくんだという選手たちの気概については、今日も含めて監督として感謝しています。
これで終わりではないのですが、ケガ人が出たり、出場停止があったりといろいろありましたが、前期の選手の頑張りは、毎日毎日、練習に来る彼らの表情や意気込みを今まで以上に強く感じてきたので、その頑張りが結果として出てきたことは嬉しく思います。
今日のミーティングで、いまワールドカップをやっていて、やはり走って、球際に勝って、相手より速く出ていく、相手より速く切り替えるというチームが上位に進出している、と。今までパスの本数が多いチームが勝ってるような時代もありましたが、湘南の監督になってから、パスの数よりもどこにボールを入れるかということを大事にしなさいと、ゴールを守るよりも奪いに行くことを大事にしなさいとずっと言ってきています。いろいろ課題はありますが、その道から外れた選手は誰もいないと思っています。
今日、群馬には竜樹(小林)や亮太(永田)、泰右(宮崎)がいましたけど、彼らも湘南のそういうところを経験した選手ですし、彼らの頑張りも素直に嬉しかったし、感慨深いものがありました。
それをいろんな意味で苦しい試合でしたが、最後まで貫いて出してくれた選手たちのパフォーマンスは、何者にも代えがたい財産だと思います。
いろいろサッカーの方向性で、考え方があると思うんですけど、今日富士山に登る話をしました。
ちょっと調べると、富士山って5合目までいくと、頂上までいくのに4つのルートがあると聞きました。
ひとつは6時間くらいかけて、ロッジとか水飲み場とかがあって休み休みいく道。もうひとつは景色とか植物を楽しみながらいく道。もうひとつは平坦な道が多くて登りやすいけど時間がかかる道、最後に山頂との距離が近いんですけど、岩場が多い道。
その4つがあると聞いて、我々は、ゆっくり行くのではなく、回り道をするのではなく、岩場の道を行こうと。その道は、4時間ちょっとで行けるらしいのですが、その道を険しいと分かっていて、あえて挑戦するんだと。最短距離のゴールに向かってプレーしていく。最短距離をいくことで今まできたのだから、下を見ないで上を見ろと。どんどんそういうプレーを仕掛けることが相手にとって脅威だし、その質を高めることが我々が強くなっていく過程で、結果に繋がっていくと僕は信じています。
今日選手は、いろいろありますが、回り道することなく攻守においてそういう姿勢を見せてくれたと思います。
相手も素晴らしいパフォーマンスで、今日は本当にいいゲームだったと思うんですけど、どんなに険しくても、岩場があっても、そこを最短距離で目標に向かていくとう姿勢だけは、今シーズン最後まで、あと21試合ですが、やっていきたいと思います。
明日もマリノスさんと練習試合が入っていますし、天皇杯、そしてリーグ戦の熊本戦に向かって、さらにそういう色がもっともっと出ていくように、選手たちをサポートしていきたいし、スタッフと選手とサポーターの皆さんと一緒になって最後まで戦って、最後に笑えるような、そんなシーズンにしたいと思います。
※質疑応答はなし
●秋葉監督 総括
本当に今日の試合は観ていて面白く、ワクワクするエキサイティングな内容で、これぞフットボールという試合だった。そういうサッカーをしてくれた選手に感謝しています。
湘南が我々の力を引き出してくれたことも含めて、本当に素晴らしいゲームができたと思います。
ひとつだけ残念だったのは結果が伴わなかったことですが、最後まで前にいく姿勢や勇気を持って、逞しくファイトしてくれました。
今週キャンプでやってきたこと、素晴らしいピッチの上でトレーニングできたこと、走ること、怖がらずに自分たちでボールを握ることなど、今後につながっていくと思います。草津でのキャンプの環境面のよさを改めて感じました。
これでも結果が出なかったのが、首位・湘南の強さ。19勝1敗という、J2史上最高の成績を残しているクラブの勢いなのかなと思います。
残念だったのは、立ち上がりの失点までは臆病になってしまったことが唯一の反省点です。そこを見逃さない湘南もやはり首位の力なんだと思います。
早い時間帯に失点したことでビハインドを背負う戦いになりましたが、その後は前からプレッシャーに行ってくれていて、最後までみんなで諦めずに戦うことができていました。
この姿勢を続けていくこと、コンスタントにやり続ければ、我々は必ずプレーオフに行けるという自信を持てる、素晴らしい体験をさせてもらいました。もっと選手を鍛え上げようと思いましたし、追い込んで彼らの力を発揮させてあげたいと思いました。
また最後に、今日は3,900人という数字でしたが、スタジアムの雰囲気がよかったですし、もっと言えばこの選手の頑張りをもっと多くの人に見に来てもらいたい。もっと勇気やパワーがほし。まだ発展途上のクラブで多くの方のサポート、パワーや勇気をいただくことでもっと強くなれると思うので、そういう方の支えがあって初めて、群馬は強いチームになれると思います。成長していく姿を一緒になって応援して、戦ってくれたらと思います。
●秋葉監督 質疑応答
–前半21試合を終えたが?
もちろんもっと勝ち星がほしかったですし、負け数が多かった。先制してから逆転されたのが3試合、追いつかれたのが1試合ありましたが、それはもったいなかったと思います。
–残り21試合は結果が求められると思うが?
スタイルは変わらず、アグレッシブに主導権を握るということは変わりませんので、しっかりそのスタイルを追求して徹底させること。もちろん全試合勝つ気でやりますし、ただ勝ち負けというのは分からないところもありますので、スタイルを追及することが一番勝ちに近づくことだと思う。
ケガ人も戻ってきますし、戦力が整えば、もっと大きな可能性がある。競争することでチーム力が上がると思いますし、メンタリティも高くもっていけると思いますので、そういったところを含めて、コンスタントに力を出していきたいし追及していきたいと思います。
–ハーフタイムの交代の意図は?
ケガによるトラブルです。そこでカードを1枚切らざるを得なかったという状況です。
【選手コメント】
●秋元陽太
立ち上がり点が取れて、その後2点、3点狙っていたんですけど、なかなか入らなくて、相手に押し込まれる時間帯もありましたが、リスクマネジメントもしっかりできていたので、失点ゼロで終えて、前半戦最後の試合を勝ててよかったなと思います。
(ビッグセーブもあったが?)ひとつ止めたシーンも航(遠藤)と連動して、航がしっかりコースを切ってくれたので、僕としては楽に対応できましたし、そういう連携があるからこそセーブができたんだと思う。今後もああいう信頼関係を持って、連動して守れたらと思います。
(前半戦を振り返ると?)60という数字は本当にすごいと思いますけど、まだまだ立ち止まっていられないので、その先を見据えてみんなで戦えているので、これから毎試合毎試合変わりなくやっていきたい。それでシーズンが終わった時に勝点がいくつになっているかだと思う。まだ前半戦だけなので、自分自身ももっともっと成長しなければいけないと思っていますし、毎日の練習から頑張っていきたいと思います。
毎試合、考えさせられるし、終わって失点ゼロだからよかったではなくて、自分のプレーの質を見直して、誠一さん(斎藤GKコーチ)にも相談できるので、もっともっとやらなければいけないことがあるので、オフ明けしっかりいい練習ができるようにコンディションを整えて臨みたいと思います。
●武富孝介
チームも自分もいい入りができて、早い時間帯に点が取れてよかったと思います。でもその後の試合運びについては、2点目3点目が取れなかったことが本当に悔しい。後半もチャンスがあったし、コントロールの精度とか、カウンターが遅れてしまったこと、シュートも不利な体勢になってしまった場面があった。シュートが入らなかったことはシュートの問題もあると思うんですけど、今日はコントロールの問題だったと思います。シュートを打つ前のコントロールの精度が悪かったと思います。
後半は、全体的に後ろ向きになったので押し込まれたというところもあったと思う。そういう時に前に行くパワーを持って、みんなで意識統一できたらよかったかなと思います。
●三竿雄斗
前半の早い時間帯で点を取れて、今日は試合前から2点3点取るという話をしていたんですけど取れなかったことが残念でした。ただ、しっかり守る時間はみんなで守れましたし、勝てたことはよかったと思います。
(ポジションがスタートからワイドだったが?)最初からワイドでやるのは初めてだったんですけど、もともと4バックの左をやっていたし、前に背負って受けた時は、自分の特徴を出しやすいですし、どんどん前にプレーすることが得意なので、自分のよさを出していこうと思っていました。
アシストや得点に繋がらなかったことは悔しいですが、積極的にやれたと思います。
一度、タケくん(武富)がオーバーラップして受けたシーンなど、もっと冷静にプレーしていれば得点に繋がったと思う。最後の精度は自分に足りないところでもあると思っているので、今後、そういうところをより意識してやりたいと思います。
(前半戦が終了したが?)チームとして結果が出ているのはいいことですけど、自分自身はまだまだ課題も多いので、後半戦はもっと自分の特徴を出せるようにやっていきたいと思います。
●遠藤航
後ろはしっかりゼロで抑えることを目標にしていたので完封勝利はよかったですが、前半、少し奪われた後に縦パスが入ったところであまり強くいけなくて、カウンターを食らうシーンが多かった。後半はそういうところは改善できたと思います。
最後、押し込まれた展開になった時もしっかりブロックを作りながら、みんなで身体を張って守り切れたことはよかったと思います。
(守備の連携については?)そこは普段からやっていることを出すというところでした。今日、ミドルシュートを1本、陽太くん(秋元)がいいセーブをしてくれましたが、ああいうところで陽太くんが集中を切らさないで守ってくれたからこその勝利だったと思います。
うちも後半、チャンスがなかったわけではないと思います。カウンターで取れるチャンスもあったけど決め切れなかったので、そこは課題だと思います。
(前半戦を振り返ると?)全部がうまくいったわけではないですが、試合の後に常に課題と収穫とに向き合いながら、1試合1試合みんなが成長していきたいという気持ちでやってきたからこそ、この結果があると思います。
勝点60というところに満足をしないで、後半戦に向けてしっかり切り替えてまた新たに勝点3を積み重ねていけるように頑張っていきたいと思います。
●菊池大介
最少得点だったので、そこは悔しいですし、前の選手が追加点を奪えれば、守備ももっと安定して楽に試合を運べたと思うので、そこは課題に感じています。ただ、みんなでしっかり集中して、苦しい時間帯も粘って勝ち切ったということは次に繋がる大きな勝点3だったかなと思います。
守備についてはちょっとプレッシャーが曖昧だということが自分の中ではあって、最後陽太くんや後ろの3人に助けられたということを感じる部分があるので、もっともっと前からアクションを起こして守備ができればよかった。そこは次に向けて練習からやれればと思います。
(運動量豊富だったが?)いや、まだまだ走れると思いますし、もっと守備にも貢献しなければいけない。それに、一番自分が出ている意味というのは前での働きだと思うので、その部分ももっとやらなければ。得点が取れなかった、アシストができなかったということはすごく悔しいので、次、この悔しさをぶつけられたらと思います。
(前半戦が終了したが?)本当に毎日の練習が試合の結果に繋がっていると思うので、変わらずに前の試合よりもさらにいい試合をするということを心掛けて練習できれば、またいいサッカーができると思います。
●岩尾憲
前回の試合で後半に課題を感じていたんですけど、今日も後半に課題があって、自分も含めて足が止まってしまうところがあった。相手がいることではありますが、自分たちに矢印を向けると、疲れてきた時に相手と入れ替わってしまうシーンもあったし、そういうところで我慢強く自分の前でディフェンスするということが大事だなと改めて感じました。
勝点3を取ったことは、結果としてはベストですが、まだまだ笑って帰れるような内容ではなかったので、また切り替えて、成長していけるように気を引き締めてやっていきたいと思います。
流れがいい時は、だいたい誰がやってもうまくいくものだと思うんですけど、流れがよくない時にどうやってみんなで合わせていくのか、というところで、少しそれぞれが孤立してしまったと感じます。
苦しい時にどうするのかを合わせられたら、全体も楽になるし、個人も楽になる。押し込まれた時に割り切って蹴っていっこ頑張って上げるのか、繋いでカウンターできるだけの余力があるのか、そのあたりの判断のところが曖昧で、プレーが小さくなってしまったと思う。それによってカウンターを食らったのが2、3本続いてしまった場面があった。そういうところもまた課題として向き合って、今日の試合を忘れないようにして、次に繋げていきたいと思います。