監督・選手コメント
J2第16節 湘南vs東京V戦 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
おつかれさまでした。
今日、時間があったので、2年前のJ2の時のサポーターの皆さんの数とか、今回J2にまた舞い戻ってきてしまって、今日ホームゲームは8試合目になりますが、7試合での平均の観客数をみた時に、今年のほうが1300人近く多かったんですね。
その話を選手にして、あなたたちの努力で、2年間かけて、たった1300人というのか、1300人もというのか、この地域の人たちがあなたたちを応援しに来てると。
その人たちに良いサッカーや「見てよかったな」と思うようなサッカーをしないと、お金をもらっている価値がないという話もしましたし、我々はなぜここまで来たのか、という原点に、この前の敗戦で自分自身も戻れた気がしました。
それを今週ずっと、ほとんどヴェルディさんのことを言わずに、自分たちの立ち位置をもう一度思い出す練習に切り替えてやりました。
点差は1点だったんですけども、開始の立ち上がりからアディショナルタイムまで、ゴールに向かう姿勢っていうのは最後まであったと思いますし、今日はこの短い時間にそういうパフォーマンスを発揮してくれた選手たちに、本当に心の底からおめでとうと言いたいです。
満足することはできませんが、本当に今日ゲームの途中に12000人以上の来場の発表があって、本当にその歓声なりこの雰囲気の後押しが、厳しい試合をものにできた一番の要因だと思っています。
これから平均入場者数が8000、9000、10000、13000、15000と増えていくような働きかけを現場のリーダーとしてずっとやっていきたいと思います。ホームゲームがあと13試合、観客がこの日だけ多くてあとは全然少なかったねって言われないように、自分たちは日々練習して、お客さんに楽しんでもらえるような、そういうチームにこれからもしていきたいと思います。
ヴェルディさんはここ10試合で失点が5と、非常に守備の意識が高いチームだというのは分かっていました。前半から取れそうで取れない形で、なかなかこじあけられないかなという予想もしていました。前半も悪くなかったんですけど、ゴールにボールが入らなかったというところで。後半は、やっぱりあそこでクロスで終わるんじゃなくて、ボックスに入っていかないと、当たり前だけど点は入らないという話をしました。それを、俊介(菊地)があそこまで行くとは思ってなかったですけど(笑)、俊介と大介(菊池)でキクチ・コンビで取ってくれたのは良かったと思います。
あまり、普段判定のこと言わないんですけど…あの岡田のシーンはどうでしょうか。あそこで倒れる選手って、今度ワールドカップで見てみたら絶対いないと思うんです。あんなフリーで、もしシミュレーションで倒れる選手がいたら、サッカーをやめたほうがいいくらいです。もしもシミュレーションなのであれば、カードを出してもらいたいし、僕も選手に言います。でも、あんな転び方をしてプレーオンだったら、選手はもうプレーすることができないと思います。
判定がどうということではなく、レフェリーがいて、サポーターがいて、相手がいて、自分たちがいて、それでやっぱりいいショーが成立すると思うので、僕はあのシーンは納得がいかないというより、理由を教えてほしい。そう言っても仕方がないんですけど、判定への不満というよりは、あんなところで倒れるサッカー選手であれば、サッカー選手として失格だし、どっちかだと思うんです。失格だったプレーなのか、ファウルなのか。そのどっちかに決めてもらいたいという気持ちでいっぱいです。何もなかったで終わるのは、これからワールドカップ始まって全世界がサッカーに注目してる中で、とても残念だったなというふうに思っています。
●曺監督 質疑応答
–岩尾選手を入れて永木選手とのボランチにした狙いは?
二人は同級生ですが、憲(岩尾)は亮太(永木)とかが先に出てずっと悔しい思いをしている中でも本当に好不調の波なくずっとやってくれていました。
ちょっと長いボールが増えて前のほうが少し拾えなくなったので、あそこを少し堅くして、三竿も今日は前半から運動量が多かったので、俊介を下げて後ろで長いボールに対応しながら、あそこからもう一回配ってもう1点というかたちで入れたんですが、よくやったと思います。
–宮市選手がデビューしたが?
今日は10分でしたが、アイツの何がいいって、顔がいいとは別に思わないけど(笑)、まずビビらないところですね。
ビビらないというのはサッカー選手にとってすごく大事で、今日も10分間、堂々とやっていたし、オフサイドになっちゃいましたけど、それが彼の一番いいところだと思うんです。だからビビらない中で、戦術的なこと、技術的なこと、メンタリティを勉強していけば今後いい選手になっていくと思います。僕は厳しくずっとやっていますが、この出場に満足はしていないと思うので、ただまた次出たときはもっとチームの力になり、またU-19代表に選んでいただければ勝っていけるように、そういう形で送り出してあげたいなと思います。
–先制ゴールを決めた後もまったくサッカーが変わらなかったが?
前節、僕の言い方で、相手がリトリートした時にまずボールを動かして相手のエンドに入って行こうと話していたが、結果的にはその指示はあまりよくなかった。というのは、僕たちはボールを持って回すことが我々のスタイルではないので。
今日言ったのは、相手陣内で取られた瞬間にプレッシャーをかけて取り返すことが得点の確率が一番高い。なぜかというと、相手が行こうと思う瞬間、前半ありました、三竿がインターセプトしてそのまま上がった、あの形を何回つくれるかだが、そこで奪うという動作を放棄して、相手がたぶんミスするだろうと構えたところから回すとうちのリズムはまったく出ない。
その話を選手にして、今日は4個ポイントがあると。最初の10分、前半45分、後半45分、プラスアディショナルタイム、この4つの局面やり続けることが大事だと。この4つどこがブレても、3つ目がブレたらたぶん勝てないという話をずっとした。彼らはそれを自分たで感じて、攻撃だというスイッチの入るパスが今日はこのまえの愛媛戦よりも非常に多かったなと思います。それが我々の特長、我々がここまで来たスタイルだと思っているので、それを選手たちが思い出して、俺たちの基準、基本に返るんだという気持ちでやってくれたことは、このまえ負けたからそう思えたと思うし、負ける前の2、3試合よりも今日のほうがそういう意識は高かったかなと思います。
●三浦監督 総括
自分たち現状で戦える戦力、戦術で、サッカーを競い合うというよりも勝負をするというなかで、今日の試合は90分間、驚異的な数字を残して14連勝した湘南に対して、15戦目に黒星が付いた。そういう状況のなかで、どういう展開になっていくのか、非常に読みづらい。ポイント42も持っていて、得点39、失点7というチームとの力の差は、果たしてどれぐらいあるかはやってみなければわからないなかで、ファイトしていたとは思うなかでもやはり力の差は認めなければいけない。
結果的にも内容的にもそうであったのではないかと。
そのなかでも前半0で折り返し、後半すこしずつスペースができてくる。自分たちも保持する時間が必ず増える。ゴールに向かう回数も前半に比べたら必ず増えるとプランとして思っているなかで、失点シーンを考えると、やはりああやってボランチの選手がペナルティエリアまで侵入して取られる点に悔しい思いはある。
しっかりした4-4という4バック、4MFであそこの穴を空けてはいけない。返す力がどこまであるのかは別としてやはり先に点を取られると苦しい状況にもなるし、プランは先に点を取られたくない。勝利するのであれば先に点を取りたい。そういうなかでプラン立てて進めた結果こうであったわけですから、実際に選手がこの悔しさをどう受け止めているのか、力の差をどう受け止めているのか、それによって今後自分たちがどうなっていくのかが問われる、もしくは試されるものだと思っています。
ただこの試合は過去のものになったわけですから、勝つために準備をして勝つためのメンバーを連れてきて、また次の試合も勝つための準備をしていく、そういう選手を選んでいく。それを続けていきたいと思っています。
こういう試合でもありながら、サポーターは自分たちに期待を持ってくれていますし、次へ向けての勇気を与えてくれている。ぜひそのサポーターの期待にこたえたいと思っていますし、強い気持ちで今後もチャレンジャーとして戦っていくことが大事なんじゃないかと思っています。
1万2000人以上のサポーターが集まって、14連勝してきたチームとアウェイで選手たちがどういうプレーができるのか、彼らにとって非常に大きな経験になったんじゃないかと思っています。
若い選手が多いので、今後に活かしていってほしい。こういう雰囲気が流れるなかでも、自分の悔いのないプレーを出せるように、出せていた部分もあるし、肝心なところで出せなかった部分もある。そういう積み重ねをしていって、大きな選手に成長していってほしいなと思っています。そのなかで私もチームを勝利に導く仕事を追求していければと思っています。
●三浦監督 質疑応答
–2年前に対戦した湘南と比べて印象は?
自信を持って自分たちのストロングを前面に出してくる。それを上回るパスワークやボールの動かし方、人数をかけてくる攻撃に対してできる裏にあるウィークを突けるチームがまだJ2クラブにはきっとないんだろうなと。
私は90分間最初から最後までそういう時間帯をつくるのは、いまのヴェルディを考えたときに正直できるとは思っていない。
ただ、そういう時間帯を何度かつくれる可能性はあると自分は思っているなかでプランを立てて、実際に、物足りはしないが近づいた部分はあった。その意味では湘南が昨年J1を経験して、J2でどう戦うべきかをしっかりみんなが心得て今季に臨んでいる。そこへの選手の集中力や監督のマネジメント能力など非常に高いものを感じています。
戦術的な部分であればある意味見えている部分はあったとしても、そこは選手の個の力、スキルが対決するわけですから、そこに当然スキルの高さと彼らが持った自信がベンチでも感じ取れた。後半今度はホームに迎えるので、それまでにどういう差になっているか、自分自身も問われるものだと思っていますので、今日の試合を忘れずに次に繋げていければと思っています。勝てた部分はなかったと思っています。
–ボールを失ったあとのディフェンスに差があったと思うが?
当然相手にボールを奪われたあとの速いプレスとプレスバックは湘南を分析していくなかで一番のストロングポイント。
そこに自分たちがどう対策していくかというなかで、もちろんしっかりしたボールの動かし方もあるが、自分たちも人数をかけて攻めて守る、湘南がやっていることをできるかできないか、そういう話をしていったなかでの現象であって、ベルマーレ相手にまだ走り勝てなかったということだと思います。
ただ、この現象だけで選手を否定してはいけないと思うし、選手はここへ向けてしっかり準備してしっかりした姿勢で取り組んでここへ乗り込んできた。そういう自分たちのプランにしっかり耳を傾けて最後まで全うしようとした。
ただおっしゃるとおりアップダウンの差が顕著に出たなと。できれば偶然でも先に点を取れる状況にして、最後まで切り替えというところを持続させていく、前節の愛媛のようなことが起きないと湘南相手に走り勝つのはなかなか、そう簡単なことではないのではないかと思っています。
もう一度、取られ方やボールの失い方、または終わり方に大きな原因があると思う。自分の足元で取られると印象が悪ければ前線とのタイミングが合っていなくてもスルーパスや長いパスを出して終わったほうが自分のミスではないというような終わり方が最後多かったように自分の目には見える。たださっきも言ったようにだからといって選手を侮辱しているわけではない。これがいま自分たちができる力だと想っているので、もう一度しっかり自チーム分析をして確認して、今日できなかったことは次の京都戦でできるようにトライしていくことが大事になってくると思っています。
【選手コメント】
●菊地俊介
(ゴールについて)相手よりも先にボールに触ることだけを考えて、無我夢中で走りました。みんな疲れていたので、ひとつ前に出ていくことはあの時間帯のポイントだったと思います。
ここ最近はなかなか決め切れないというシーンが多く、少し相手にスカウテイングされて、引いてブロックを作られてなかなか縦パスを入れられないということが多かったので、自分たちのところでの崩し方の工夫というか、ペナルティの外からのミドルシュートだったり、クロスをマイナスでもらうことなどは練習していました。前半1本打ったミドルシュートは決めたかったですが、ただああいうシーンを作れたのは前節に比べてよかったと思います。
僕が出ていった時に航(遠藤)が後ろから上がってくるとか枚数をかけていくという形は練習のとおりでした。
(CBに下がった後は?)勝っていたので、守備をしっかりしようと思っていました。ここ何試合か、CBにが入ることもあったので、そんなに違和感なく対応できました。裏に蹴ってくるボールが多かったので、対応の部分はしっかりしようと思っていました。ゼロで抑えられたのはよかったと思います。
●秋元陽太
ロングボールが多くなったときにもしっかりコミュニケーションを取りながら対応できたと思います。1本僕が出て行って少し危なかったシーンがありましたが、でもミスを恐れずにしっかりそのケアを意識していたので、ボールを見極めることを意識して臨んだので、そこまで怖くはなかったです。
(前節の敗戦からリスタートの一戦だったが)僕自身、早く試合をしたかったので、失点0で終われたことは、GKを含め守備陣としてはよかったと思います。
また、お客さんがたくさん入ってくれたなかで勝てたことは本当によかったなと思います。長いシーズンなので、またここからしっかり引き締めてやっていきたいと思います。
(後半のビッグセーブについて)クロスのボールのコースが変わったのですが、そこですぐ移動して対応することができました。今週ポジションの練習をしていたことがしっかり試合で出せたのはよかった。止まらないとしっかり反応できないということを自分のなかでもう一度意識していましたし、誠一さん(斉藤GKコーチ)もそういうアプローチをしてくれて、それがああいう場面に出せたと思います。
●岡田翔平
久しぶりに先発で出て無我夢中で、チームが勝つために、勝つことだけを考えてプレーしました。亮太くん(永木)や祐市(丸山)と話して、裏を狙うことを意識して入りました。前半の途中から相手が引いてブロックをつくりましたが、そういうときに効果的な動き、大介(菊池)のようにゴール前で仕掛けたりすることが自分もできればもうちょっとバリエーションが増えたのかなと思います。
最初の祐市からのパスなども落ち着いて決めていればこんな難しい展開にはならなかったと思うし、ゴール前のところで課題が出てきた試合でもありました。
勝ったことはすごく嬉しいですが、課題も出てきたし、まだまだ自分たちがやるべきことはたくさんあるので、次の相手に対してももっと自分たちのサッカーをアグレッシブに出していきたいと思います。
●永木亮太
今日も前節と同じように引いてくる相手でしたが、前半0-0でしたけどやっている内容は悪くないと思っていました。前節のようにロングボールに頼ったりしないで、しっかり自分たちのストロングを出していこうということで、やり続けた結果が俊介(菊地)の1点に繋がったと思います。
後ろも慌てることなく、リスクマネジメントがしっかりできていたし、隙なく90分戦えたと思います。
前節の敗戦は、自分のミスもあったし、少し連勝を意識していたので、そういうところで試合直後は落ち込みましたが、落ち込んでいても仕方がないので、切り替えて、今週1週間すごくいいトレーニングができたと思います。早く試合がしたいという気持ちで1週間過ごしていました。そういう意味でも、本当に今日の勝ちは大きいと思います。
2年前は、一度負けてから8試合勝てなかったことが続いたので、そういう経験があった分、今日の試合は何が何でも勝ちたいと思っていました。
(2年前と今の違いは?)2年前は自分たちに合わせてくるような相手はなかったですが、徐々に力をつけることができて、相手が自分たちに合わせてくるようになったと思います。自分たちのストロングを消そうとするチームはこれからも出てくると思いますが、そうされるということは自分たちの力がついてきたということでもあると実感しています。
●武富孝介
(かなり多くチャンスを作ったが?)決められていないので悔しいですが…。ただ、外しても、いい意味で引きずることはなかったですし、しっかりゲームに入り込むことができたと思います。連勝のプレッシャーを言い訳にするつもりはないですけど、先週はどこか自分たちのプレーを見失っていたところがあったと思うので、今週はただひたむきに、試合に向き合ってやろうと。がむしゃらに戦うという原点に戻って試合に入れればいいなと思っていました。そのあたりはしっかりできたと思います。
やっていてまだまだやれるという気持ちも強く持っています。次に向けて、今週できたこととできなかったことを整理して、反省し、また湘南らしさを出していきたいと思います。
●宮市剛
(ピッチに入る時は?)FWなのでとにかくゴールに向かおうという気持ちで入りました。
今週の練習で身体が軽くて、自分の中でも悪くないと思っていました。
(実際にピッチに立って感じたことは?)まだまだです。もっとやれたかなと思いますし、終了間際のシュートシーンは抜いて少し安心してしまったところがあったかもしれません。いつも練習が終わった後にやっているシュートの形だったんですけど、もう少し練習しなければいけないなと感じています。
ピッチに立てたことは嬉しいですし、特に今日1万人を超える観客の中プレーできたことを素直に嬉しく思います。
今後、もっと出場時間や出場機会を増やしていきたいです。そのためにしっかり練習から頑張っていきたいと思います。