監督・選手コメント
J2第9節 横浜vs湘南 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
アウェイの地で僕も監督になってここで勝ったことがなかったんですけど、今日は千葉戦同様、サポーターが本当にたくさんこのスタジアムに来てくれて、我々の選手を後押ししてくれ、ホームのような雰囲気を作ってくれました。
お金をかけて見に来ていただいて本当に感謝していますし、今日の勝利は本当に選手と、彼らの応援のお陰だと思うので、感謝したいと思います。
横浜FCさんは非公開の練習を続けていて、モト(山口監督)も我々にどういう形で仕掛けてくるのかなと思ってたんですけど、システムを変えられて、しっかり準備をされたなという印象を持ちました。
失点はしましたけど、入り自体はそんなに悪くはなくて、そこで全体の90分プラス、アディショナルタイムまで、我々が守るべきところは守る、行くときは行くという空気がこの前よりも統一されていたことが、逆転に繋がったのかなと思います。
後半少し雑な場面もありましたけど、そういうところは課題と言えば課題なんですが、今日はアウェイの難しい地で、暑さもあり、いろんな悪条件もある中、ベンチの選手、またバックアップメンバーの選手は今日全員観に来てくれたんですけど、彼らのそういうサッカーに対する真摯な姿勢、要は、去年負けた悔しさを晴らすんだという気持ちがこのグラウンドに落ちたことが、勝点3をもたらしたのかなと感じます。
ただ、3日後には京都さんとナイトゲームがあるので、そこに向けて、今からすぐにリカバーして精神的にも身体的にもできるだけフレッシュな状態で臨むことができるようにしたいと思っていますので、喜んでばかりはいられません。
次に向けてしっかり準備をしたいと思います。
今日は、リオのオリンピック代表候補の亀川を前半で代えてしまったんですけど、ちょっとしたアクシデントがあって彼に慣れないポジションをやらせてしまったので、それは全面的に僕の責任だと思っています。ちょっと今日の雰囲気にのまれてしまって、カメの本来のプレーがなかなか出せなかったところはありましたけど、それを征也(藤田)がよくカバーしてくれました。カメを責める気は全くなくて、100%僕の責任なので。この経験を、僕も含めてですがアイツも活かしてもらいたいし、もしオリンピック代表に選ばれれば、さらに過酷な環境で試合をするのは間違いないわけですから、遠藤と亀川という候補の選手がいる中で、今日の経験を彼自身で言えば、前向きに捉えてもらいたいし、チームとしても全体が協力してよく戦ってくれたかなと思います。
●曺監督 質疑応答
–今季初めて失点したが動揺は?
本当に早い時間だったので、逆転勝ちをできるチームにならなければいけないというのはずっとシーズン前から言っていたので、ああいうのは2年前だと慌ててしまって雑な感じが続くですが、まだ時間があるという中で選手たちも我々のスタイルを崩してしまうと、横浜FCさんの術中にはまるので、そこは落ち着いてできたと思います。
–気温が高かったと思うが影響はあったか?
ハーフタイムに冷たい風呂に入るとか、すぐに冷やすとか、終わった後もそうですけど、そういうのはスタッフでミーティングをして、できるだけ良い状態でできるように。バスも、けっこういいバス…いいバスという言い方はおかしいですが、乗ってみられたら分かりますがちょっとだけ快適なバスを用意してくれたので、クラブの協力も含めて今日の勝点3だったかなと思います。
–相手が何度もシステムを変えてきたがその対応は?
相手がこうだから合わせるという言い方もできますが、逆に我々の良さを出せばミスマッチは崩せるかなと思っていましたので、欲を言えば後半もう1点欲しかったですけど、ホナウドだったり、黒津だったり前のこりの選手がいたので、出方も難しかったかなと思います。
そういう意味では、今日は少し後ろを整理しながら、数的優位を作るというのもそうですが、前の3人とかアウトサイドがからむところでもう1点取れるかなと思っていました。相手がシステムを変えたことによる混乱は、特にはピッチの中ではなかったと思います。
–前半相手のミスもあって3点とったがリズムを掴みきれない印象もあったが?
そういう言い方もできるかもしれませんね。我々の良い時は、AからBのパスがCにつながって、D、Eという風にパスにメッセージがあるんですけど、そういう意味では相手のシステムとのかみ合わせで、ダブルボランチと前の3人、アウトサイドの距離感はそんなに良くはなかったですね。ただ、前半相手のシステムがわからない中で選手もやっているので、そこを全部流動的に、スムーズに流していくのは時間がたたないと難しくて。
ただ、点を取った形は、システムが何であろうと狙いとしている形ではあったので、一番嫌なところに翔平(岡田)が走っていって。2点目のPKの時もそうで。違うヤツに蹴れって言ったんですけど、勝手にあいつが蹴って入れたんですけど(笑)、それはどうかというのは別にして、そういうプレーが随所に出たのが得点に繋がったと思います。
逆に、それに繋がらないのであればハーフタイムにそういうことを言おうと思ったんですが、選手の感じや空気を見たときに自分たちにそれやろうという感じは見えたので、ハーフタイムには特に何も言わなかったです。
おっしゃるとおり、前半のスムーズ感は横浜FCさんにうまく消されていたし、彼らが全員でディフェンスしてカウンターを狙っていくという形になったので、ちょっとちぐはぐなところはありました。ただ、それは相手があることなので、ちぐはぐだから90分だめだったということでは困るので、そこは選手がよく我慢して対応したと思います。
–9連勝ということについてのコメントを。
J2が9試合で終わってくれたらコメントできますが、まだあと33試合。この3倍以上ゲームがあるので、勝ったうちの1試合としか捉えていないです。ただ、結果としてみたら、浦和さんが8連勝と聞いていて、湘南ベルマーレというクラブが一時期存続の危機もあって、僕も10年お世話になっていますが、Jリーグの中で記録を更新できたのは、これは僕だけでなくて、その間クラブに携わった人が思いを持ってこのクラブを支えたことが、たまたま今年こういう風に結果に出ただけで、もしかしたら去年かもしれないし、もしかしたら5年後かもしれない。
思いを持ち続けるということが大事だと言うことが、見ている皆さんとか我々のクラブで働く人たちに伝わるのであれば、9連勝は価値があることだと思います。ただ、これに慢心して、俺たち強いとか俺たち出来るんだと言うことになると、その積み上げ自体、無意味なものになるので、それは我々だけでやったのではなくて、サポーターも含めて全員でやったこと。その歴史があるから今があるということは、監督の僕が強く感じて選手に話さないといけないと思います。
–横浜FCが大きな外国人選手を2人出してきましたが対策はどうだったか?
練習試合も横浜FCさんと馬入でやっていたので、だいたいプレーの特徴はわかっていましたし、選手もわかっていたと思います。3バックの左でフェリペ選手が入って、ホナウドが前に行くのはわかっていたので、どのくらい持ち出せるのはわからなかったのですが、うまく対応してくれたと思います。
●山口監督 総括
まずは、試合の前に3日間も非公開にしたのはすみませんでした。あまりしないんですけれども、いろいろ諸事情がありまして、協力していただいたマスコミを始め、練習を見に来て応援したいと思っていたサポーターには申し訳ないと思います。
ゲームのほうは、神奈川ダービーというのもありますし、連勝している湘南さん相手と言うことで非常に気持ちも高ぶるところがあるだろうと。その中でも、しっかりとした状況判断をしなければいけないので、冷静さは保ってくれということを選手には伝えました。非常に良い入り方もしましたし、落ち着いた入り方だったかなと思います。
ご存知の通り、いつもとはシステムは変えました。その理由は、ドウグラスが出場停止というところで、いろいろ考えた末、選手の良さを生かすプラス自分たちのやることをどうやってやろうかと。もちろん湘南さんの良さを考えながら、そのトレーニングを3日間して、非常に良い状態だったかなと思います。良い面も出ましたし、システムによって、迷いまではいかないですけど、ちょっとしたところも出たかなと思いますが、全体的には良かったと思います。失点も、3失点は悔しい部分がありますが十分対応できた失点だったかなと思いますし、もっともっとチャンスが作れたんじゃないかなと思います。
選手には伝えましたが、連戦なのですぐにゲームがあるのでくよくよせず、下を向かずに次のゲームに準備をしましょうと伝えました。
●山口監督 質疑応答
–ドウグラス選手の不在は堪えたか?
もちろん、ドウグラス、野上というセンターはうちのストロングポイントでもありますし、二人ともスピードもあるし、カバーリングもできますので。4枚というのは、あの2人が揃うとできますし、3枚というのはトレーニングマッチでは何回かトライしていたり、スタートからは初めてだとは思いますが、選手には試合の流れの中ではそういうことをするというのは伝えていますし、全般的に良くやったと思います。渡辺匠、野上、中島と。途中からフェリペも入りましたが。よくやったかなと思います。それは、誰がいないとかは仕方ないので、ジュビロ戦が終わった段階でわかっていたことなんで、だったらどうしようかと自分なりに考えてこの選択をしたということです。
–相手を分析して前から引っかけてくることは分かっていたと思うがどのような対応を考えていたか?
うちも後ろ3枚で、ワイドがいますので、小池、永田に関しては高い位置を取ろうと。黒津と変則的な2トップ気味の飯尾でしたけれども、高い位置にポジションを取ってという感じで。2人は3枚と安の4枚で、相手の1トップ2シャドーをうまくはがそうと。
もちろん、いつもいつもはがすばかりではなくて、何本か見せたように相手の背後、対角線で小池のサイドで背後を狙うことは考えていましたので、それはうまくいって。先制点の部分は、考えていた良さが出たと思います。永田と小池が高い位置を取って、両サイドを使ってクロスを出して、大外から小池が走り込んだと。狙い通りというか、良かった部分だと思います。
–スコアは1-3だが監督がやりたいことはできていたとは思う。それでもこのスコアになった要因は?
予想はしていたんですけど、回されて崩されることはないかなと。何回か、跳ね返したら1回止めて、その後の切り替えは湘南さん速いので、それによって2次攻撃と。ただ、同点に追いつかれたところは、あっさりやられてしまったなと。そこは悔しさはありますし、2点目に関しては中島のハンドになりましたが、あそこは体を張って、その前に滑ってしまっていたので、なんとか体を張ってという気持ちの部分が出たので、それは責めるわけにはいかないです。そういうところだと思いますし、後半になればああいう展開になるのは予想していたので、前半の3点というのは、せめて1-2だったら相手にプレッシャーを掛けられたかなと。
もちろん0で行こうと思っていましたけれど。ただ、選手は、この3日間良いテンションでやってくれましたし、それを表現してくれた部分も十分ありました。そこは、今後に繋がるかなと思います。
【選手コメント】
●岡田翔平
(先制点については?)最初、失点してあまり雰囲気がよくなかったので、思い切り打とうと思っていました。いいコースに飛んだのでよかったです。俊介(菊地)にボールが行ったときに僕はフリーで、俊介は背中を向けていたんですけど、信じて走ったらすごくいいボールが来たので、俊介のおかげです。
(2点目について)DFが一気に下がってスペースが空いたので走り込みました。ウェリが見てくれていて、うまく折り返してくれました。
(PKについて)亮太くん(永木)が蹴る予定だったんですけど自分で取ったから自分で蹴りに行きました。ボールを置いて蹴っていいですかと言ったら、いいよと言ってくれたので。
(一度止められたが)ちょっと緊張してしまったんですけど、でもこぼれ球も狙っていました。ただ他にも2点ぐらい決めるチャンスがあったので、そこもしっかり決めていかなければいけない。後半3人の距離が長くなってうまくいかない時間も多く、まだまだ詰めるところはたくさんあります。ディフェンスラインとFWとの距離が間延びしてしまったので、声を掛け合ってもうすこしいい距離感でお互いできたらもっと追えたかと思います。
自分がどういうプレースタイルかみんな分かってくれているので、走り出したらディフェンスラインでも出してくれるのでやりやすいです。
(今後、もっと引いてくるチームも予想されるが?)そうなったら足元で受けて一度はたいてまた出て行くとか、そういう動きを増やしていけばまたスペースも生まれると思うし、クロスに対しても飛び込んで行くことが効果的になってくるんじゃないかと思います。
●菊地俊介
(縦パスの意識は?)うちのスタイルは前にボールを入れて複数で追い越していくところだと思うので、つねに前の3人にボールを当てることは狙っています。その意味では今日の1点目のアシストとか2点目のPKに繋がったシーンは、いい形で翔平くん(岡田)が顔を出してくれたのでよかったです。
(パスミスの直後のアシストだったが?)相手のパンツが白だったので間違えちゃったんですけど(笑)、でもそのあと得点に繋がったのでよかったです。
(相手がシステムを変えてきたが?)そんなに難しいとは思わなかったです。いつもやっていることをやろうという感じだったので、相手どうこうで変わることはないです。後ろの3枚もよく声を掛けてくれるのでそんなに難しさとかは感じなかったです。
(先制されたのは初めてだが?)まだ時間が早かったので、90分通して慌てないでやろうという空気があった。そんなに崩れることはなかったです。
●大槻周平
今日はFW的に言うと個人としてはシュートまで持っていけなかったことが悔しいです。相手がけっこう下がってきてマークも厳しく来ていたので、もうすこし裏に抜けたり工夫してやればよかったと思いました。
(ボールに速く厳しく行っているが?)そこはよさでもあるから最低限出さなければダメなところだと思うので。チームのためにやることが大事やと思うので、それプラス個人としても結果を残していかないと、ポジション争いも熾烈なので、もっともっと結果にこだわってやっていきたいです。
相手に持たれる時間が多くなったので、もう少し自分たちの時間が欲しかったです。(寺田選手がポジションをひとつ下げて)ちょっと嫌なところで受ける感じだったので、でもそこはウェリと話し合ったんですけど、もうすこし改善できればよかったです。
●ウェリントン
今日も得点を決められてすごく嬉しい。毎試合、1点ずつくらいとれているので継続できていることは本当にいいことだと思う。
でも一番重要なのはチームが勝点3をとることなので、そこが一番嬉しいです。
(ゴールシーンは?)亮太(永木)から高いボールがきて、最初は真ん中に返そうかと思ったんだけど、キーパーの声が聞こえたのでゴールから出てるなと思ってそのまま狙ってみたら入ったのでよかったです。
(9連勝については?)いまは嬉しい気持ちだけど、でも次の試合がもう3日後に迫っているので、ゆっくり休んでしっかりリカバーして、今日の勝利のことや連勝のことは一度忘れて、また切り替えていい準備をしたいです。
●永木亮太
(相手がシステムを変えてきたが)何か変えてくるだろうなと思っていたので慌てないで自分たちのスタイルをしっかり出そうということで試合に入りました。岡山戦でもそういうことがあって、その経験もありますし、そんなに慌てずに対応できました。試合中も臨機応変に、各自対応できていたと思います。
(今季初めて先制されたが?)集中していなかったわけじゃないんですけど、立ち上がりでやられたのは反省しなければいけない。試合中に三竿に厳しく言いましたが、三竿に言うことで自分にも責任感が増すので、両方に言い聞かせる意味で言いました。もちろん失点は一人の責任ではなく、自分もセンタリングのところのマークをしっかりつけなかったところもありましたし、みんなでカバーしながらやっていきたいと思います。
(9連勝はJ新記録だが?)素直に嬉しく思います。ただ、記録に気を取られずに足元を見て次に向けては切り替えてやっていきたい。その積み重ねで、今後また新たな歴史を自分たちで作っていきたいと思います。
今日もサポーターの皆さんが本当にアップの時からすごい声援で、ホームのような雰囲気を作ってくれて後押ししてくれたので、本当に感謝しています。
(連戦となるが?)タイトなスケジュールですけど、それは相手も同じなので、しっかりコンディションのことを意識して準備したいと思います。