監督・選手コメント
J2第4節 岐阜vs湘南 試合後監督・選手コメント
【監督コメント】
●曺監督 総括
お疲れ様でした。
天気のよい中での試合でしたが、岐阜という遠い地にたくさんのサポーターが来てくれ、最後まで声援を送ってくれたことに感謝の気持ちを表したいと思います。
岐阜さんが昨年とは選手もスタッフの皆さんも変わられて、非常にサッカーに対して真摯に取り組まれているということは分かっていたので、今日は厳しい試合になるだろうと思っていました。
案の定、前半から風の影響や球際の競り合いで岐阜さんのファイティングスピリットに少しロスしたような場面が90分を通してあったかなと思っています。
ただ、今年はスタートから、湘南スタイルは勝点3に繋がってこそスタイルがあるという話をしているので、我々の前に出る力だったり、相手の嫌なところでプレーするということを、90分間愚直に続けたことが3点という結果に繋がって、最後勝てたのかなと思います。
岐阜さんのファイティングスピリットには、僕も勉強するところがありましたし、それはいま選手に伝えてきたんですけど、観ていらっしゃった皆さんが感じるのと同じように、前半終了間際と後半終了間際の失点というのは、我々が少しサッカー自体に向き合わなかった時間帯だと、それは自分の自省も含めて、思っています。ああいうことは二度と起こしちゃいけないということは選手にも伝えました。選手もまったく嬉しそうな顔をしていなかったので、喜んだ顔をしないのを来週に繋げてもらいたいと思っています。
本当にたくさんの記者の皆さんもここにいらっしゃいますし、岐阜さんの今日のスタジアムの一体感というのは、僕が言うのもおかしいですが、新しい力が芽生えてきたと、いいチームだなと思ったので、後期、またBMWでやる時にはさらにいい試合ができるように、さらに頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
●曺監督 質疑応答
–岐阜の守備面については?
サッカーの本質というか、多分ラモスさんも厳しく言われていると思いますけど、とられた後どうしなければいけないかとか、うちもそうなんですけど、攻めてる時にどうしなければいけないとか、ひとつひとつのプレーのこだわりというのが間違いなく上がっていると思いますし、我々のこともよく研究されて、いいところを出させないようにして、我々が押された場面もありました。
それを、僕らの立場から言わせてもらえば、そういう風にくるからこれを変えてしまおうということではなくて、その相手に対してもしっかりプレーできるというのが選手の成長だと思っているので、今日の岐阜さんのディフェンスの力は本当に手強いなと思いましたし、試合を重ねるごとにそういう力はつけておられるんだなと、試合をやって改めて感じました。
–クロスに対する意識、誰がいくのかなどが整理されているようだが?
僕も監督として3年目のシーズンをやらせてもらっているので、選手に要求することって継続しなければいけないこともそうなんですけど、彼らをさらに上のステージであったり、さらに成長するための働きかけをしなければいけないと思っています。
質問の答えになっているか分かりませんが、2年前であれば今日の勝ち方で喜んで終わっていたかもしれないんですけど、今日は喜べない、と。
それは、彼らがJ1を経験して足りないところを自分たちで理解しながら今年J2に臨んでいる証拠だと思います。
クロスに入っていくとか誰が行くとか、それは戦術としては大切なことがあるかもしれないんですけど、結局いくかいかないかというのは、その場にいた選手が一番いいプレーを選択するというのがサッカーの醍醐味なので、今日も藤田征也がカジ(梶川諒)からもらったボールを抜いて、逆サイドの三竿が入ってきたというのは、そうしろと言われてやっていたら限界があると思うんですけど、いけると思った時は3バックの選手もボランチの選手も、相手にとって危険なプレーをするというのは、現代サッカー、ヨーロッパでは本当にそうですよね。
ボランチがまわしているだけじゃなくて飛び出して点を取るとか。例えばバイエルンの選手とか、当たり前に同じようにやっていて。このポジションだからこれだけやっていればいいということではなく。それがチームの魅力であるし、選手に対する次のステップへの働きかけだと思います。それだけ彼らにも責任を課しているし、“規律ある自由”というつもりで僕もやらせてもらっています。
今日はミステイクで2点とられたと思うので、そこは反省しなければいけないと思っています。
●ラモス瑠偉監督 質疑応答
※総括なし
–後半、三都主選手を入れて新しい布陣を試しましたが?
もっと中盤を厚くして、あそこでボールキープする選手をもう一人入れて、厚みが出来ればと思っていた。前半、サイドのところから高地やスティッペが引っ張られていたので、そうじゃなくて中盤に人数を増やそうと。今日は難波さんが珍しく空回りしていた。勝ちたい気持ちが強い時、ゲームから離れてしまうときがたまにある。今日はもっとあそこの位置にボールキープとか回せる選手がほしかったので、三都主を入れました。我々の中盤を厚くすれば、もっと攻撃できる。とにかく相手を走らせるプランがあった。でも、まさかあそこでスティッペが怪我をするとは思わなかった。サイドバックのカードを切った後に、まさかなと。あれでゲームプランが変わった。
–スティッペ選手がいなくなるまでは監督の狙いができていた印象はあるか?
ありましたよ。スティッペはトップ下の選手だと練習の中で思っていて、今はナザリトと難波の組み合わせが一番いいので起用しているが、彼はトップ下が一番いい。ドリブルで仕掛けると相手は嫌がると思います。僕の狙いはスティッペがもっとナザリトとのコンビで崩してほしかった。そこに三都主がシンプルにボールを受けてパスをすればいい流れになると思っていた。前半は足りなかった。後半はまぁまぁ良かったと思う。完璧な満足ではないけど、もっとあおいうフォーメーションを見たかったけど見れなくて残念。
–前半終了間際、後半終了間際と、最後まであきらめなかった。その姿勢に対する評価は?
それは褒めてあげてください。できれば毎回毎回、この前の山形戦もあきらめなかったし、最後まで1点を取る姿勢を示した。特にサポーターの前で恥ずかしいことはできない。もったいなかったのは3点目。結局守備の課題は出た。でも3-1になってどうなるかと思ったけど、しっかり繋いでいけば何とかなるという気持ちを出してくれた。それが1点目だし2点目も。いい時間帯で点を取った。最後の最後まであきらめない姿勢を見せる。サポーターに失礼なことをしない。闘う姿勢を見せ続ければ、そのうちもっといいチームになる。今日の湘南さんはいいサッカーをやってるし、監督も素晴らしいし。
これだけ湘南を走らせたのは、4試合でうちだけじゃないかな。そんな気がします。
–水野選手を4試合ずっと起用しているが評価は?
前から言っているけど、彼は素晴らしいですよ。でも経験がまだ足りない。ボランチなのに走りすぎ。もっと頭使えと。サボれるときはサボらないと。若いから生き生きしているね。ボールをとったあとにとられるのは疲れているから。そこからやりたいことが出来ない。これから何試合経験積めば、サボるところはサボって、行けるところは行けるとなる。本当にすごい選手になると私は思っている。将来性があるボランチ。今の日本にこんなボランチがいるのかなと思うほど、すごくいい選手になる。大きな期待をしている。これでヘニキが帰ってくれば、また頭を悩ませると思います。水野はこの4試合すごく効いている。彼がいなかったらもっとボコボコにやられていると思います。まだまだ学ぶことがあるけど、将来性がある楽しみな選手なので、これからじっくりいろんなアドバイスをして育てていきたい。
–首位の湘南に受け身にならなかったが、2-3で敗れた。相手との差は?
湘南は3年間ずっと同じことをやっていて、やろうとしていることは目をつぶっても分かっている。マークしづらいチームだし。
でもウチは受け身にならずに、あまりビデオを見せない。すごくいいチームを相手に自分たちのサッカーをやろうとした。ただ、オレは正直湘南のサッカーをよく見ていなくて、面白い監督だなって。湘南のように追い越すサッカーはなかなか捕まえにくい。一昨年上がった時もどういうサッカーをやってる。そういうサッカーをずっとやっている。湘南はもう1回上がったら、もう2度と落ちないような強いチームだった。お互い何をするか分かっているしすごく視野が広い。集中した試合になる。すごいなと思う。
これからは結果より内容。自分たちのサッカーをこれから作っていかなければいけない。この内容で結果がついてきたら、うちはもっと強くなる。
【選手コメント】
●永木亮太
前半は風の影響もあって耐える時間帯が長かったんですけど、少しやり方を変えて、ロングボールだったりいつもだったらやらないことを、試合に入ってから自分たちの判断でできたということはよかったと思います。自分の中では前半はなんとかうまく耐えて、その中で1点とれればと思っていたんですけど、その中で2点取れたことは本当によかったと思います。そういった試合運びは成長した部分だと思います。
前半の最後と後半の最後の失点は、自分たちのミスでした。2失点目は自分のところでとられて入れ替わって1対1を作られてしまった。そういう同じ出してと受け手だったと思うんですけど、そういうのは1試合に2回やってはいけない。両方とも終了間際で、2点差に広がったことでチームの中で、少し安心感というか、余裕をもったことがああいう失点を招いてしまったと思うし、みんな反省しているところです。
試合が終わってからも、みんな嬉しそうな顔をしていなかったので、それは次に繋がると思う。
(ゴールについては?)これまでの試合でもああやって前でボールに係ることは意識してやっていたんですけど、それがああいうこぼれ球という形ですけど得点に繋がってよかったです。何回もやっていたので、やっと結果に繋がったことは嬉しいです。最初のタケ(武富)のところで決まっていれば一番よかったと思うんですけど、あそこにいるということが大事だと思うので、自分で今シーズン一番意識していることが結果に出てよかったです。
●三竿雄斗
(プロ初ゴールでしたが?)シマさん(島村)が入って自分がひとつ前に上がったタイミングで、征也くん(藤田)がいい形で突破したので、ゴール前に顔を出せば、征也くんはクロスうまいのでくるかなと思ってとにかく走りました。本当に合わせるだけだったので、ほぼ征也くんのゴールだったと思います。
もしかして、あのまま点をとらずに2-1でいたほうが、最後まで引き締まった戦いをして2-1で勝てたかもしれないとも思います。3点目をとって2点差がついたことで勝手に勝利を確信してしまって、ああやって終了間際に失点したとも言えると思うので、点を取って勝つことはできましたけど、素直に喜べないという気持ちです。
(失点については)両方とも2点差がついたところでの失点で、2点差がついている時が危ないという中で、もっと気を引き締めてやらなければいけなかった。もちろん映像を見て、細かいところで修正する部分はあると思いますけど、まず気持ちの面というか、精神的な面で、ここまで無失点できていた中でああやって失点したので、失点して当たり前という雰囲気にならないように、しっかりやっていきたいです。
●藤田征也
出てからなかなかクロスまでいくシーンがなかったんですけど、ああいうプレーをしたいと思っていたのでうまく出せて、アシストに繋げることができた。自分としても、アシストや得点というものがほしかったですし、それがこの段階で出せたのはよかったと思います。
でも、3-1になった時点で、チーム全体としてもっと締めて、そのまま終わらせなければいけなかった。2失点目は本当にいらない失点だし、気持ち的に油断したというかホッしたところがあったと思うので、そこはまたチーム全体で、声を掛け合って締めていかなければいけないと思います。
(次節に向けて)喜ぶのは今日だけにして、明日からは今日の勝利はもう忘れて、また次にしっかり準備して、連勝が続けられるようにみんなでやっていきたいと思います。
●宇佐美宏和
この試合で自分がしっかりやらないと次はないという意識でやっていますし、ボールへの執着心というか、ひとつのボールに対して強い気持ちでいくということを人一倍もってやろうと思って試合に臨みました。
自分のリズムじゃない時にどうやってやるかとか、もっと意識してやらなければいけないと思います。
風の影響で少しロングボールが多くなったり、なかなか繋げないということもあった前半でしたけど、それなりに自分たちも前からプレッシャーにいけましたし、トップに入ったあとのカバーリングなどそういう意識はみんなすごく高かったので、そこから奪ってカウンターにいくこともできた。前で奪える場面は少なかったけど、それでも続けていたから得点に繋がったと思います。
失点をした部分は、試合後にみんなも言っていたけど、もっと締めなければいけないと思っています。
●大槻周平
(1点目のアシストについて)中は見てなかったんですけど、練習の時から相手のGKとDFラインの間に入れていくというのは言われていました。ウェリントンがうまく合わせてくれて、うまく結果に結びつきました。
前半は、風もあったし相手も前からきていたので難しい試合だったんですけど、そこでもブレずにやり続けた結果が得点に繋がったと思います。でも、前半と後半の最後に失点をしてしまったことは本当に課題だと思います。
技術的な問題というよりも、油断してしまったことが大きいと思います。そこは引き締めてやらなければいけないし、次の試合から絶対にないようにしたい。
(次節に向けて)相手もどんどんくると思いますけど、それでも僕らは自分たちのサッカーをしていくこと。自信をもってやれているので、そこは継続しつつ、今日のようなことがないように、今日出た課題をしっかり松本戦に向けて修正したいと思います。