ボイス
【ボイス:2018年2月16日】秋元 陽太選手
一つずつクリアしたシーズン
「2016年はFC東京にお世話になって、試合には出させていただいたんですけど、チームのために何ができたかって言ったら、ずっと不完全燃焼のまま過ごしていて。そんななかで湘南がJ2に降格したときに紘司さん(坂本取締役スポーツダイレクター)から話があって。実際に会ったときに、『もう一度J1に上げるために』という話のなかで熱意や誠意をすごく感じた。僕自身ももう一度、選手としても人間としても成長しなきゃいけないなと思っていたときにいただいたお話だったので、もう一回湘南に戻って、J1昇格という明確な目標を持ってチャレンジしようと強く思いました」
2015シーズンのオフにFC東京へ移籍すると決めた理由も明確だ。もちろん成長を望んでのものであり、特に2017年に迎えた30代を意識しての決断だった。
「愛媛FCに2年間いて、湘南で2年間、J1に昇格して残留したというところで、自分のなかで30歳までにいろんなチャレンジをしていきたいという思いがすごくあったところでいただいたお話だったので、ここで新たなチャレンジをという思いで移籍を決めました」
リーグ戦や天皇杯、ルヴァン杯のノックアウトステージでフル出場、ACLもプレーオフを含め、9試合中8試合にフル出場している。チームに必要な存在だったにもかかわらず、不完全燃焼の思いがくすぶっていたのには、理由がある。
「プロである以上、加入したチームでしっかりと信頼関係を構築しなければいけない。でも、僕自身、積極的にコミュニケーションを取るタイプじゃなかったので、サッカー以外のところで信頼関係を築けなかった。一歩を踏み出せなかったというところがありました。一番大事なのは、ピッチで結果を出すことですけど、普段の生活から築いた信頼はやっぱりプレーにつながると思う。自分から積極的に声をかけていくというのは自分の課題で、今後、自分がサッカーを続けていくなかでそういったところを成長させていかなきゃいけないというのを強く思った1年でした」
何よりも自分が担うゴールキーパーというポジションは、ピッチに立つ仲間との信頼関係が大切だという自負がある。2016年に感じた課題を2017シーズンは、一層意識して取り組んだ。
「年齢も年齢ですし、曺さんからも経験を若い選手に伝えてくれと言われていたので。もともといる選手とはもちろん仲は良かったですけど、若い選手ともコミュニケーションをとって。去年だったら、山根だったり、拓也(岡本)だったり、未月(齊藤)とか大暉とか。一緒にメシに行ったりする回数は、すごく増えました。それも自分から声をかけた方がついてきやすいと思ったので、そういったところを大事にして。拓也や山根はずっと試合にも出ていたし、うまくコミュニケーションが取れたと思います」
みんなで攻めて、みんなで守る。一致団結したチームの構築には、秋元選手が移籍で自覚した課題の克服が一役買ったようだ。