ボイス

【ボイス:2021年5月9日】高橋諒選手

課題は「質」
チームと共に成長したい

 今季リーグ戦初勝利となった第4節のベガルタ仙台戦で口火を切るゴールを決めた高橋選手。リーグ戦はここまで、3節の鹿島アントラーズ戦と、軽いケガに大事をとった11節清水エスパルス戦以外の全試合に出場している。現在の好調のポイントとなったのが欠場した鹿島戦にある。

「鹿島戦の前日に監督と話して、『次の試合、メンバーを外す』って言われて」

 この会話に至るまでに高橋選手は、敗戦となった開幕のサガン鳥栖戦と第2節の柏レイソル戦にスタメンで出場している。

「開幕戦は硬い試合になるなっていうのは思っていたんですけど、ホームでしたし、勝てるチャンスも、点を奪うチャンスもあって、最低引き分けで終わらなきゃいけないゲームだったのに、僕があの時間帯にPKを献上してしまってチームも試合を落としてしまった。そのあとの柏戦もそれを引きずって失点に絡むシーンもあった。PKを引きずってしまったかなという感じはあります」

 ルヴァンカップのグループリーグも含めて中2日、あるいは中3日というタイトなスケジュールが続く序盤戦、たとえ負けても気持ちをうまく切り替えていくことも必要だ。しかし、開幕戦にかける思いが強かったこともあって、高橋選手は切り替えられずにいた。そこを浮嶋監督が気遣った。

「連戦もありましたし、鳥栖戦や柏戦のプレーを引きずっているから1回リフレッシュしようみたいなことを言われて。あのPKのシーンも、敏さんもサイドの選手だったので『気持ちはわかるよ』って。それでけっこう気持ち的にラクになって。鹿島戦も1対3で負けちゃったんですけど、失点って誰でも絡むことですし、1回のミスをそんなに気にしてもしょうがないなと、試合を見ていてなんか割り切れたというか。それが仙台戦につながったかなと思います」

 どの試合も全力で臨んできた自負はある。しかし、仙台戦から何かが変わったことも確かだ。

「自分のプレーをやろうと思って。自分の特徴をしっかり出して、自分のプレーをすることがチームの勝利につながると考えたので、まず自分のプレーをしようというのを心がけて、ずっとやってますね」

 自分自身で得意としているプレーといえば、「自分の特徴は高い位置でボールを引き出して仕掛けられるところや、周りの選手とのコンビネーションで崩していったりとか。サイドのハードワークが自分の特徴だから、そこだけは絶対に負けないようにしようと心がけています」という。

 一方で課題と考えているプレーもある。

「攻撃のときのゴールに直結するプレー、クロスの質もそうですし、右足で中に入ってからのシュートの部分とか。そういうところもまだまだ自分の中では課題だと思っているので、そこはもっと伸ばしていきたいなと思っています」

 キックの精度は高く、フリーキックやコーナーキックではキッカーも務め、アシストも記録している。その技術を持ってしても、まだまだ課題だとクロスの質を上げる。実は、チームメイトに高橋選手がうらやむクロスを上げる選手がいる。

「コバくん(古林将太選手)はやっぱりクロスがめちゃめちゃ上手いんで。名古屋(グランパス:2016~2017年在籍)でも一緒にやっていたんですけど、そのときからめちゃくちゃクロスが上手いなと思っていて。この間の(横浜・F)マリノス戦(第7節)もすごくいいクロス上げてましたし。本当にお手本にしたいなって思ってます」

 また、ほとんどのシーンで任されることが多いフリーキックやコーナーキックも質を課題にあげる。

「プロになってからは全然蹴ってなかったので、こんなに蹴っているのは今年くらい。他にもいいキックを持っている選手はたくさんいるんで、他の選手が蹴ることもあると思いますけど、左利きのキッカーも大事になってくると思うので、そこはやっぱり質を上げていきたいと思っています」

 自分の特徴を出していくことにこだわることでつかんだ上昇気流。手にした結果がさらに意欲を掻き立てる。高橋選手がチームと共に、新たな成長のサイクルにいることは間違いない。

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