ボイス
【ボイス:2018年11月15日】イ・ジョンヒョプ選手
監督の言葉に励まされて
「ケガをした日は、それほど大きなケガじゃないだろう、『脱臼したかな?』くらいの感覚でした。それで病院に行って『足をはめてくれないか』と言ったんですけど、『これはおかしい』と言われて、レントゲンを撮ったら骨が折れていた。写真を見て、話を聞いたときは驚いてしまって。『もう、このまま韓国に帰らないとダメなのかな』という考えがよぎりました」
手術は韓国に帰国して行ったが、すぐに日本に戻り、リハビリは日本で進めた。
「大きいケガをした選手は、チームから除け者扱いされてもしょうがないもの、それがプロの世界だと思っていました。不安な気持ちがあるなか曺さんと話すと、『急がなくていい』と。『ゆっくりでいいから100%の状態でチームに合流できるようにリハビリをしてくれ』と、話していただいた。そこですごく安心したし、曺さんに感謝の気持ちが芽生えました。落ち込んでいた気持ちが全て吹っ切れた。そこからは、早く復帰して、チームの力になりたいという気持ちが今もずっと続いています」
とはいえ、現実としてリーグ戦は続く。重要なストライカーの一人を失ったチームは、夏の移籍でジョンヒョプ選手の穴を埋めるように前線の選手を補強した。
気持ちはあっても実際に試合に出られる状態ではないジョンヒョプ選手がこうした状況を見て、自分の居場所を不安に思っても不思議はない。そんな気持ちを察したのか、復帰したあとに曺監督から再び声をかけられた。
「『もし、このあと1試合も試合に出られなくても、ジョンヒョプが必要だから、ジョンヒョプはこのチームにいる。ただ、それだけでいい』と言ってくれました。それはすごく心に残っているし、この言葉をきっかけに心を強く持ちました」
もちろん試合に出られないことなどなく、全体練習に合流した後、さほど時間をかけずに公式戦のピッチに復帰した。しかし、そのプレーを見れば、ケガをする前よりもずっとチームへの献身が増していることがわかる。今、ジョンヒョプ選手がピッチに立つとき、曺監督のこうした言葉が支えになっていることは間違いない。