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【ボイス:2015年11月11日】古林将太選手 [2]
2013シーズンは結果的にJ2に降格することとなったが、古林選手自身はコンディションも良く、J1の舞台で戦いながら成長し、スキルアップを実感できた年でもあった。それだけに1年でのJ1復帰にかける強い思いを持って2014シーズンへと備えていた。オフ明けからも好調で、開幕に向けてコンディションも順調に上がり、自分自身もシーズン中の飛躍を楽しみにするほどの状態だった開幕直前、練習中に大きなケガを負った。右ひざ前十字靭帯断裂、全治は7カ月と診断された。
「ホント、『俺、今年何点取れるんだろう』って思うくらい身体の調子が良くて。だからケガした時はすごいショックで、家で泣いてました、ずっと。奥さんはそれを静かーに見てました。今、思い出しても苦しいですけど、みんなに声をかけてもらったり支えがあって、切り替えてなんとかやってこられました」
大きなケガはユース時代に両足を疲労骨折して手術を行い、全治するまでに5カ月を要した以来。2014シーズンはチームがJ2で快進撃を続ける中、ケガと戦いリハビリに励んだ。そして迎えたホーム最終戦、11月15日に開催された第41節、横浜FC戦で戦列に復帰した。
とはいえ曺監督は、今シーズン当初このケガについて、「パフォーマンスが戻るのに想像以上に時間がかかる」と語り、戦列に復帰したからといってそう簡単ではないことも示唆していた。
「復帰して2、3カ月くらいは曺さんに『怖がってプレーしているな』と言われてました。今年のキャンプの時も言われて。自分では『そんなことないのに』って思っているけど、やっぱりちょっと身体が逃げてるのかなっていう感じがあって、心と身体がマッチしないっていうか。曺さんや他のコーチ陣に言われたことは、自分ではそう思いたくないだけで、本当はできてないなって分かってること。でも言い訳したくない、みたいな思いもあって今年の最初はすごく苦しかったです」
1stステージはリーグ戦のフル出場は1試合のみ。コンディションが上がりきらないこともあり、途中交代でピッチに入ることが多かった。
「1stステージは自分の中で結構モヤモヤした感じでやっていてあんまりいい結果が残せなくて。で、コンディションを上げる作業だったりいろいろ試行錯誤しながらやって、1stステージの最後の試合、山雅戦(6月27日開催第17節松本山雅FC戦)で点を決めて、そこから波に乗れたっていうか。気持ちの面でもそうだし、身体の面もどんどん追いついてきて。まだまだこれからどんどん上がるなっていう感じです」
2ndステージは、多くの試合でスターティングイレブンに名を連ね、フル出場も問題ないほどコンディションも戻ってきた。
「身体もだいぶ切れてきたし、これからどんどん上げていけるかなという面ではケガをする前の調子の良かった時にどんどん追いついてきている。でも、ケガをする前もまだ自分の100という感覚ではなかったので、これから100を目指すというより限界はないと思って、小さいことを積み重ねてやっていこうかなっていう感じです」
古林選手のこの調子の良さが曺監督に藤田選手との同時起用という策に繋がった。
「自分で言うのもなんだけど、二人とも調子がいいし、二人で出て楽しいです」
FC東京戦に続くホーム最終戦となった第15節鹿島アントラーズ戦、第16節アルビレックス新潟戦でも藤田選手と同時に起用された。試合を重ねるごとにコンビネーションは深まり、攻守に渡って新しい展開の期待が高まる。湘南スタイルに新しいオプションが増えたことは間違いない。しかも、シーズン終盤にきて古林選手の存在がシャドーのポジション争いを激化させている。来シーズンへ向けて、深化の歩みを一層力強く進めている。