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【ボイス:2015年8月6日】アンドレ バイア選手 [3]
バイア選手にとって日本はもともととても興味のある国だったいう。
「ブラジルに居た頃から日本という国に対して、すごく興味を持っていました。国そのものや日本人の国民性や文化とか。その国でサッカーができるという機会があれば、私にとって一石二鳥だった。
でも、移籍のオファーというのは、話があっても実現しないことがたくさんあるので、最初はあまり期待しなかったんです。それでも話が進むにつれて自分の気持ちもどんどん前向きになって、このチャンスは逃しちゃいけないと思うようになりました」
前向きな気持ちでチャンスを掴んで、実際に来日してみれば
「ひと言で言うと、『幸せ』ですね。前から知りたい国であり、文化のなかで生活をしていて、家族全員幸せ。今,長男が日本の小学校に通っていて、彼も毎日何かを学んで、それを報告してくれたり。言葉だけじゃなくて日本の文化も身につけているということは、我々家族としても幸福感でいっぱい。プライベートは、すべてが順調です」
通訳の早川エジソン正吉さんは、家族全体の生活面もサポートしているが、さすがに小学校に通訳はいない。
「子どもは柔軟性があるし、子どもと大人の世界は違うので。徐々にコミュニケーションがとれるようになっていると聞いているし、すごく喜んで学校に行ってくれている。なんとかやっているようです。
一度、夜になってから、『お父さん、お母さん、宿題が残っている!』と言い出したんです。宿題でも、数学なら自分たちもなんとかしてあげられるけど、日本語の宿題で、これは……自分たちは何もできない。夜なので、エジソンに連絡するのも悪いし。明日、自分でなんとかしてって言いました(笑)」
今では、外出や外食をするときの一番頼れる存在だそう。
バイア選手が遭遇したハプニングも紹介すると
「リンゴジュースを買おうと思ったら、お茶だったのは、トラウマになりました(笑)。それから、水を買ったつもりが酒だったり。日本酒は透明だからわからなくて、口をつけてからわかりました。ブラジルで何度も和食のレストランに行ったことがあるんですけど、日本酒を飲んだのはその時が初めてです。これは将来いろんな人に話せる笑い話になりました」
日本での生活を語るとき、バイア選手はチームの練習着の袖の部分の「たのしめているか」というチームスローガンを指差した。
「ここに書いてあるように自分は日本の生活を『楽しんでます』」
公私ともに、充実した湘南スタイルを満喫している。プライベートの充実が仕事の原動力と考えれば、ますますの活躍が期待できそうだ。
取材・文 小西尚美
協力 森朝美、藤井聡行